人間って湧き水みたいなもの。
自分の心に湧き水があると思えば
今なにを湧かせればいいのかわかる。
私が小学校の時の同級生に
時田くんっていう男の子がいたの。
その男の子は、
毎朝一番に学校に来るの。
で、ボール遊びをするか？
っていうとそうじゃなくて
本を読むか？
っていうとそうじゃなくて
ただ、自分の椅子に座ってるの。
「それなんで？」って思ったから聞いたの。
そしたら、時田君はこういったの。
「近所のおじいさんが
毎日町内を一人で掃除してるんやけど
朝早くにやるから、早起きしないと手伝えへんし」
時田君、朝早く起きて、
親切を湧かせてるの。
湧き水みたいに。
それを、したら『あぁ、おれ時田だな！』って思えるんだって。
それを確認するために、朝早く起きて
親切の湧き水を湧かせてるんだって
でね、
でね、
でね！
聞いて！
私がよく行く、ホテルにひっついてる飲食店があるの。
そこの駐車場にいつもいつも
笑顔で親切なおじいさんがいるの。
「えっ？警備員さんがそこまでする？」って
何度も感動するくらい、親切なおじいさんなの。
だから警備員さんも私を覚えてくれていて
結構会話するようになったんです。
「いつも本当ありがとうございます」なんて言って。
で、失礼かもしれないけれど
「なんでそこまでされるんですか？」って聞いたら
最初は「喜んで下さる方がいて嬉しい」とおっしゃってたんだけど
すこし時間を置いてこういうんです。
「親バカかもしれませんが
息子がね、とても親切な子なんですよ。
ゴミ捨ても掃除もいっぱいしてくれるんです。
大人になったいまでも、定期的に返ってきては
両親をいたわってくれるんです。
その息子に感謝を伝えたらこういうんです。
『お礼なんてええねん！
その代わり、嬉しいことがあったら
父ちゃんも誰かにしてみてや！
そしたら、そのバトンずっと続くやん！』
って小さい頃から言うんです。
あぁ、嬉しいことがあったらバトンのように
誰かに渡していけばいいんだなぁって
まだ小さい息子から教わったんですよ」
そう教えてくれました。
警備員さんの名前は
時田さんといいます。
ええ、時田君のお父さんです。
あるっ？
あるっけ？
あるっけ、このパターン！！
って思ったよ。
私達って、知らず知らずのうちに
色んな人に親切にされてるものです。
親切にされたら誰だって嬉しい。
大切にされたら誰だって嬉しい。
私達は、影響し合って生きています。
運がいい人と一緒にいると運が良くなるし
行動力がある人と一緒にいると行動力が増していきます。
まるで、一人一人の心に湧き水があるように
私達は、何かの源泉となりながら生きていきます。
なにを湧かすかは、自分で選ぶことができる。
そして、その湧き出たものは、近しい人へと
バトンを繋ぐように広がっていく。
いいものを湧かせたいね。
愛を湧かせたいね。
勇気を湧かせたいね。
親切を湧かせたいね。
時田君のお父さんからもらった親切のバトン
色んな人に渡していこうと思うよ。
繋いでね♡
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