【川崎大輔のアセアン自動車ニュース】フィリピンで現代自、政府優遇取り消し | アセアン自動車流通大陸@川崎大輔

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フィリピンのロペス貿易産業相は、同省傘下の投資委員会(BOI)が、韓国・現代自動車のフィリピンの販売代理店、現代アジア・リソーシズ(HARI)に付与した自動車開発計画(MVDP)の優遇を取り消す方針を示した。今年3月から小型車「イオン」を完全ノックダウン(CKD)生産する計画だったものの、計画が遅れ実際にはセミノックダウン(SKD)生産されていたためだ。BOIはHARIに対して、部品の輸入関税9億ペソ(約19億8,000万円)の納税を要求しているという。3日付地元各紙が伝えた。

 

(記事抜粋)

 

『同相は、調査によりHARIがCKD部品ではなく、完成車(CBU)に近いSKD部品を輸入しており、現地で組み立て生産をしていないことが分かったと指摘した。MVDPに登録された企業は、現地での組み立て生産のためのCKD部品を1%の関税で輸入することができる。しかし、同省が4月に実施した調査で、HARIがCKD生産すると報告していたイオンや小型バス「H350」を、CBUにタイヤやバッテリーが装着されていない状態で輸入していたことが判明したという。CBUの輸入関税は20%のため、6月にHARIに対し、それまでの輸入関税の差額を納付するよう命じたことを明らかにした。

 

同相によると、HARIは政府に対し、MVDPの登録取り消しを再考するよう求めており、現在も協議を続けている。直近の協議では、HARIはまだ組み立て生産を開始しておらず、生産開始までに時間を要するとの認識を示したという。

 

HARIは、今年3月にイオン、4月にH350のCKD生産を開始し、今年はイオンを1万台、H350を1,000台それぞれ現地生産する計画を表明していた。今年は前年比19%増の4万台の販売を目指している。1~8月は前年同期比9%増の2万4,233台だった。 』

 

https://www.nna.jp/news/show/1670029

 

 

フィリピンでは、トヨタや三菱やいすゞなどの日本企業が80%近いシェアを占めていますが、最近はヒュンダイ自動車がイオンやアクセント、スターレックス、ツーソンの販売をフィリピンでしていました。

 

アセアン経済共同体(AEC)の発足で、2018年からフィリピンで生産された自動車は、タイやベトナムなどのアセアン諸国に輸出する際には無関税の恩恵を受けれるためヒュンダイ自動車はフィリピンで生産拡大を行おうとしていました。

 

フィリピンは自動車産業発展プログラム(CARS)で、フィリピンで自動車工場に対する税制優遇を与えるプログラムで三菱とトヨタがCARSプログラムを申請しましたが、ヒュンダイは3メーカー目の申請でしたが。。。計画が間に合わなかったのですね。

 

ますます日本車優位のフィリピン市場になって行きそうです。

 

 

<川崎大輔 プロフィール>

 

大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより「日本とアジアの架け橋代行人」として、Asean Plus Consulting LLC にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア研究センター外部研究員。