新型コロナの感染者数は8月20日前後にピークアウトしました。

 

 

下の表は全国と1都3県(東京都神奈川県埼玉県千葉県)と大阪府の月別の死亡者数です。私は大阪府在住です。4月〜6月は全国最多の死亡者数で現在でも大阪府はワーストワンで忸怩たる思いです。7月以降は第5波で1都3県の死亡者数が多くなりました。

 

黄色が全国最多です。7月以降は東京都がワーストワンです。1都3県の死亡者数は月別では2番目か3番目に多い月になるでしょう。

 

 

ある程度、感染者が出ていても、そして重症者死亡者が出ても社会経済活動を進めるには社会的なコンセンサスが必要です。

 

根拠が明確ではない楽観論で社会経済活動を再開すると再び感染者数は増加します。下のグラフは「抗体カクテル療法」が認可された7月19日以降の重症者数死亡者数との相関です。

 

 

横軸は重症者数、縦軸は死亡者数です。重症者数死亡者数には「正の相関」が認められます。重症者数は9月8日が2211人で最多でした。18日は1559人でした。死亡者数は9月8日に89人でした。重症者数は減っていますが、死亡者数はそれほど減っていません。

 

8月14日は1521人の重症者数で18人の死亡者数、8月15日は1563人の重症者数で10人の死亡者数でした。「感染者数が減った、重症者数も減った」と言うのではなく、冷静な議論が必要です。少なくとも30人前後までは下げなければ社会経済活動を始めるのは時期尚早でしょう。

 

10月中旬以降になれば、「抗体カクテル療法」とワクチン接種の効果がはっきり見えてくるのかも知れません。ただし、米国や英国のように社会経済活動を再開した国では感染の再拡大が起こっています。

 

現在の状況としてまとめました。重症者死亡者もゼロにはできません。最後は政治判断になるのでしょう。安易に『収束している』と政治家が発言するのは問題です。感染者数が減れば「収束」ではありません。

 

(10PM、追記)

死亡者数は報告ベースなので、統計として厳密に考えるなら、ある重症者が軽快したのか死に至ったのか、自宅療養者数が減って、適切な治療の結果で重症者数が減っているのか個々に精査が必要でしょう。結果として「変な」統計を作っているのかも知れません。元研究者/エンジニアとしては客観的に有用な指標を考えているのですが、重症者数死亡者数との相関をなんらかの関係付けすることは注意が必要です。

 

極端な意見ですが、日本の死亡者数は人口比では米国、英国、イタリア、フランスの十数分の1、ドイツの8分の1で少ないと言い切るのも一つです。一方、韓国の約3倍、台湾の約4倍、ニュージーランドの25倍です。人種、民族、生活習慣が違うので他国との比較は難しいです。

 

(19日7:30PM、追記)

昨年7月に国会で「GoToキャンペーン」についての質疑がありました。政府の資料にも「収束」という言葉が使われています。定義をはっきりさせずに「収束」という言葉を安易に使うことは避けるべきです。その意味では、タイトルで「収束」を用いたのは不適切ですが、分かりやすいので使いました。「終息」はエボラ出血熱、牛の「口蹄疫」での例にもありますが、潜伏期間の2倍の期間、新規の感染がない時点で「終息宣言」となります。

 

 

(9:30PM、追記)

重症者数は1496人(-63)、死亡者数(報告ベース)は41人でした。東京都死亡者数は16人で多いです。保健所も医療機関も限界状況のように思います。幸い宮城県は「蔓延防止等重点措置」になりましたので、首都圏への医療従事者の派遣が可能であれば、治療経験のある医師、看護師の派遣要請で凌げることは可能でしょうか?東京都だけで千葉県なども死亡者数が多いのが気になります。

 

(20日、追記)

山形テレビの15日付のニュースです。リンクはそのうちに切れるでしょう。 山形大学医学部附属病院の集中治療専門医へのインタビューです。2分半程度ですが、派遣された東京都駒込病院の状況が分かりやすく説明されていました。

 

 

色々、TV、SNSで未だに『日本の病床数は欧米トップクラス』、『多くの民間病院はコロナ治療に非協力』という議論がありますが、

  • 集中治療専門医の数は人口比ではドイツの1/7
  • ICUにHCU(ハイ・ケア・ユニット)の数を加えた厚生労働省のデータはありますが、昨年の春にドイツはICUを人口10万人当たりで30〜40床に増床したこと
  • 病床数が400以下の病院ではコロナ患者と一般病床を分けるための動線確保が難しいと考えられること(要確認)
  • 大阪市は大阪市立十三市民病院をコロナ専用にしましたが、病床数は263床です。欧米では>千床以上の公立病院の比率が高いです。
  • 医療資源については、昨年10月のNIRA(総合研究開発機構)のレポートに翁百合・日本総合研究所理事長が論説を書いているので、勉強不足と思われる。

等々、ベースとなる情報量が偏っていると判断しています。医療資源が少なければ、新規感染者を出来るだけ抑えるしかありません。

 

(21日、追記)

重症者数死亡者数の散布図を見ながら考えています。昨日の重症者数は1454人、死亡者数は23人でした。日々の発表される数字だけを見ると全体像が分かりません。傾向としては重症者数死亡者数も減少しています。政府もメディアも、どの程度まで重症者数を減らして、結果として死亡者数を減らすのか、数字を考えるべきでしょう。

 

私は重症者数は千人以下が判断基準になると考えています。

 

21日の重症者数は1429(-25)人、死亡者数(報告ベース)は47人でした。重症者度が千人であれば医療体制は維持できるのでしょうか?上の散布図にあるように重症者数が1500人を超えていた期間は約40日です。医療従事者の「ストレステスト」を続けているようで、心身ともに疲労困憊しているのではないでしょうか?保健所職員、救急隊員についても同様ではないでしょうか?やはり、死亡者数が減っていないことが気になります。

 

あと4日間、推移をウォッチして、25日に次回を書きます。何やら28日に緊急事態宣言の解除の動きがあるようです。社会経済活動の再開も待ったなしですが、医療現場も限界ではないでしょうか?

 

(22日、追記)

22日の重症者数は1383人(-46)、死亡者数(報告ベース)は54人でした。散布図で、8/18-31、9/1-14、9/15-を色分けして赤、紫、橙にしています。何やら、経済学の「景気循環」の図のような振る舞いをしているように見えます。

  1. 重症者が増えて死亡者も増える時期
  2. 重症者が減っても死亡者が高止まりの時期

抗体カクテル療法」はかなり効果が出ているようです。適用例が増えることと、自宅療養者の数が減少すれば、新規の重症者の発生が抑えられるのでしょう。高齢者へのワクチン接種率は9割のようです。

 

(23日、追記)

3度目の緊急事態宣言が解除された6月20日時点の重症者数は714人でした。死亡者の発表は20人でした。過去の例を参考にすると宣言解除は難しいと考えるのですが、政治家の考え方は違うようです。

 

NHKによれば23日の重症者数は1273人(-110)、死亡者数(報告ベース)は49人でした。重症者の平均入院日数はどれくらいなのでしょうか?全国的に新規感染者が減っているのは好ましいですし、重症者数も減っていますが、死亡者数は昨日は54人でした。専門家は「第6波」を予想しています。医療提供体制の拡充が可能なのかどうか?可能であれば工程表は出せないのでしょうか?

 

東京都死亡者の年代、性別、診断日、死亡日を公表していますが、18人の内、死亡後に感染肺炎では確認されたと思われる例が3例、診断日から死亡日まで1カ月以上が2例、診断日から死亡日が1週間以内が5例など、詳細な経過が分からないと対策が立てられないのではないでしょうか。肺に水が溜まる普通の肺炎では1〜2週間、入院することはあっても死亡することはありません。厚生労働省はHER-SYSで管理できているはずなので、国内で必要とされる病床数はシミュレーションできないのでしょうか?

 

 

しばらくは重症者数の4%が死亡する傾向が続くのでしょうか。

 

(24日、追記)

「第5波」では東京都死亡者数が最も多く、また、1都3県の死亡者数は全国の5割を超えています。東京都は過去9カ月での3番目に多い死亡者数です。年代、診断日、死亡までの経過日数の3次元の座標で頭の中で散布図を考えています。年代によって何か差があるのか、診断日で違うのか考えています。何か差異があればブログに書きます。凡そ、入院時点で治療計画を立てるので「想定外」が起きるのかどうか分かるかもしれません。東京都は累積感染者数が国内トップですが、致死率は1%台でした。「第5波」では0.3%台です。

 

(10月3日、追記)

日〜土を1週間の単位として感染状況をウォッチしています。緊急事態宣言が解除されたので10月下旬以降に再度書く予定です。

再び・死亡者が減らないと「収束」ではない!!(9月26日)を書いてから1週間後の状況の加筆です。

再々・死亡者が減らないと「収束」ではない!!(10月3日)