さよなら、リリベット | かっとびペンギンのお散歩

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現在フリーランスですが、以前はロンドン市内の内視鏡センター(NHS、プライヴェート等)で、シニアシスターナース、SSPとして勤務していました。美味しいもの大好きなかっとびペンギンの、ちょっとした日々の気づきや感動、面白情報をつらつらと綴って発信していきますね!

故エリザベス女王陛下のお葬式が、本日行われます。

女王の「健康状態に懸念」のニュースからこっちは、いろいろなことが変更になったり中止になったり、目まぐるしい変化の英国内です。
お年も96歳だし、当然のことながら、いつかはさよならを言わなくてはならない日が来る、というのはわかっていながらも、認めたくない気持ちが自分の中にはありました。

奇しくも、8日は自分が病院に検査を受けに行く日で、朝早い時間だったのでそんなニュースは知らずに虹を見かけて🌈まぁキレイ✨とふわふわした気分でした。
家に戻ってこの虹をインスタにあげようとしたら、「懸念」のニュースが始まり、ネット上の情報は入り乱れるし、ナースの予感で家族が続々と集まっていると言うのは、おそらくそう言うことではないかなと思いつつも、会いたい家族に会えるまで持ってほしいと願い、その思いを込めてお大事にしてくださいメッセでアップして、直後にはお亡くなりのニュースになってしまいました。

若くして、その両肩に大きな国家を背負い、当時まだまだ男性中心社会だったところへ君主として立たなければいけなくなったリリベット(エリザベス女王の幼少期の愛称)。
もちろんすでに、ロイヤルファミリーに生まれたことで、公務はすることを教育されて来ただろうけど、叔父さんが王位を辞したことで、彼女の父の人生もまた翻弄され、おはちが回ってきたから受けるしかないと言う選択の余地のない人生。まさか兄弟も子供も全員が嫌だって言えないものね。
戴冠した後のその人生は、女王であると同時に働く女性として、母として、と言う側面も社会の変化と一緒に、いやむしろ彼女がロールモデルとなって社会が変わっていったのかもしれない。

今のロイヤルファミリーの印象からは、想像がつかない人もいるかもしれないけれど、アイルランドとの関係やら、不祥事やら離婚のスキャンダルで、信頼が大きく損なわれていた時代もあり、彼女の時代にはメディアとの関係の浮き沈みが大きかったと記憶している。毎年のクリスマスの女王スピーチは、国民が一斉にメッセージを受け取れた日でもあったし、ソーシャルメディアが始まってからは、臆することなくそれらを駆使して、天災や不幸にも亡くなった人たちへの哀悼の意を表したり、孫たちの協力もあり、チャリティーのコメディビデオを作って世間を笑わせると言うお茶目な部分もあったり。
政治には口出しはしなかったものの、首相との会見は綿密に行い、王室だからできる外交や発言をして、国を束ねてきた。スコットランドの独立国民投票の時には、彼女の一言が大きく投票者の心に響いたと、個人的には信じている。
国を体現する、守る、と言うことを、何よりも優先していた女王であったと思う。

70年の最後の仕事に、新首相に握手してくれたこと、ここまで踏ん張ってくれたことに、私は最大の敬意を示したい。

お疲れ様でした。
天国で、フィリップ殿下や先に到着したワンちゃんたちと、ごゆっくりなさってくださいませ。🌈

報道されているように、ウエストミンスターホールの棺へのご挨拶の列は24時間を超えると言う事態になりました。
私は列に並ぶ元気も時間も無かったので、近くまで行って外から拝んでおきました。
心で祈れば、どこでも届きます。😌