かっとび小僧の 『言いたい放題』 -8ページ目
時刻は17時になろうとしていた。
普通なら、とっくにチェックインしている
時間なのだが、オイラ達はちょうど
愛知県と長野県の県境をウロチョロ
していた。オイラの経験でもカーナビでも
だいたい18時半に宿に着く計算に
なっている。
まあ、何度も同じことを言うけど、
普通の宿なら、まあまあ通常の
チェックインタイムなんだろうけど、
この宿は、13時からチェックイン出来る
宿なので、心情的にも凄く損をしている
気分になる。
だからなのだろうか。
宿へ向かう車の速度も若干上がり気味。
しばらくすると、愛知県に別れを告げ、
長野県の看板をくぐった。
根羽(ねば)村に入る。
雨は、すっかり上がったが、相変わらずの
曇天模様に山の中の道。
時間的にも天候的にも地形的にも、
まあまあ薄暗くなってきた。
やがて治部坂(じぶざか)峠の
スキー場が見えて来た。
ゲレンデも青いし、リフトも野ざらし。
この辺から下り坂が延々と続く。
『もうちょいだ』
当然だが、今の時期は雪はない。
でも、オンシーズンともなれば、
道の両側に雪の壁が出来て、
路面も凍結する。
その時期に、今のこのスピードで
この峠道を走るのは、自殺行為に等しい。
けど、やっぱ、温泉の魅力には勝てん。
自然とアクセルは踏みぎみだ。
気分は『イニシャルD』か。
良い子のみんなはマネしないでね。
今夜の宿は、長野県の阿智村にある
昼神温泉卿。
その中にある
【
湯多利の里 伊那華】
↑
(ゆたりのさと いなか)
という温泉旅館だ。
愛知県の奥三河から長野県の南信州へと
やって来て、最初に思ったのは、
凄く涼しい。
『エアコン要らず』という言葉が
ぴったり合う感じだ。
まあ、今年の夏は、思ってたよりも
暑くなかったような気がする。
夏特有のギラギラした太陽の陽射しを
あまり見てない。
さて。
峠もそろそろ終盤。
中央自動車道(高速道路)が見えてきた。
コレをくぐり、しばらく走る。
ようやく昼神温泉郷の入口が見えてきた。
ここで、国道153号線にサヨナラ。
国道153号線を外れて
国道256号線に入る。
岐阜方面に向かい、1Kmも
行かないうちに、景色はすっかり
温泉街に変わった。
阿智川を挟んだ両側に、大小様々な
宿泊施設が軒を連ねている。
伊那華には来た事はないけど、伊那華の
ホームページで外観は見ていたので
場所はすぐに分かった。
敷地内に車を滑り込ませると、意外にも
駐車場が狭く、一瞬停めるのを躊躇して
相棒を車に残してロビーのフロントへ。
しかし、ちょうど夕食の時間と被って
いたからなのか、フロントには誰も
いない。フロントの奥にも声をかけたが
無反応。
隣りのお土産売り場も無人。
『コレじゃあ盗み放題じゃん・・』
とか、一瞬思う。
フロント前で2~3分ほど待っていると
凄く遠い所から、60代くらいの
番頭さんらしきフロント係のおじさんが
ハッピを着ながら小走りに近付いて来た。
ちょっと息を弾ませながらフロントの
所定位置に着いた。
「いらっしゃいませ」
と言われて、何かの帳簿を開いた。
所定位置に着いたばかりで恐縮なんだけど
放置してある車と相棒をどうにかするため
「車は何処に停めたらいいですか?」
と、所定位置に着いたおじさんを
更に外へと連れ出した。
おじさんは、嫌な顔をせずに応対して
くれて、無事に車を停め、相棒と共に
バッグを担いで、改めてフロントへ。
宿泊カードに記帳して、食事や風呂や
部屋の説明を受ける。
実はその時、オイラも相棒もトイレの
限界が来ていて、正直、おじさんの説明が
煩わしく感じていた。
おじさんには全く罪はない。
悪いのはオイラ達の方だから。
一通り説明を受け、部屋のキーを受け取り
エレベーターで3階へ。
しかしもう、トイレの限界を越えそうだ。
たまらずエレベーターホールの脇にあった
トイレに駆け込む。
『間に合った・・・』
あと2秒遅かったら、とても恥ずかしい
結末を迎えていただろう。
相棒も同じような表情をしていた。
気を取り直して、3階を目指す。
3階の角部屋。
さっそく入室。

2畳ほどの踏み込みの奥に10畳ほどの
和室がある。
更にその奥に、3畳ほどのスペースが。

テレビは直置きだが、実はこの置き方。
寝転んで布団から見るにはちょうどいい
感じだと後から気付いた。
金庫もあったけど、現金は相棒が管理
しているので、オイラは使わなかった。

冷蔵庫は空っぽなので、自販機で買った
飲み物をブチ込む。
窓を開けると、目の前には阿智川が
流れている。

ここ最近、台風の影響や雨が続いていた
こともあり、水位も高く流も速い。
(阿智川の流れを動画でご覧ください)
部屋に入ったのが18時半くらい。
フロントのおじさんの説明だと
夕食はバイキングスタイルで、
18時から21時らしい。
本来なら、温泉でひとっ風呂浴びて
さっぱりしてから夕食、ってのが
いつものパターンなんだけど、
今回は、時間の都合で夕食が先。
温泉は24時間いつでも入れるから
こっちは後でゆっくりと。
ということで、とりあえず浴衣に着替えて
バイキングの夕食を食らいに行く。
1階まで降り、大広間の扉を開けると
もう既にわんさか宿泊客が夕食を
摂っていて、どのテーブルも
いろんなモノが所狭しと並んでいた。
入口で受け付けを済ませて、さっそく
トレイを持って食い物を漁りに行く。
見渡すと、とりあえず和・洋・中の
代表的な食べ物は、ほとんどある感じ。
デザートも豊富でプチケーキやプリンから
アイスクリームやヨーグルトまで
結構何でもある。
ご飯も2種類(白飯と松茸ごはん)ある。
汁物も、味噌汁、赤だしがあり、
長野県らしく、蕎麦(温・冷)もある。
飲み物もいろいろあるし、言うことなし。
何だかんだと回って、ご覧の通り。


上から、ズワイガニ、ローストビーフ、
ラフテー(豚の角煮)、マカロニグラタン
クリームコロッケ、アスパラの天ぷら、
舞茸の天ぷら、肉焼売、海老餃子、
海老フライ、肉まん、松茸ごはん、
赤だし、茶碗蒸し、寿司、
下はデザート。
アイスクリーム3種類
(バニラ・イチゴ・マンゴー)
イチゴのプチケーキ。
まあ、ざっとこんな感じ。
もちろん、コレだけじゃない。
まだまだ食うぜ。
ちなみに、この旅館では1年を通して
日本全国の料理フェアをやっている
みたいで、この日は九州・沖縄フェアを
やっていた。
宮崎の冷や汁や宮崎地鶏の炭火焼き、
沖縄のゴーヤーチャンプルやラフテー、
大分のとり天や福岡の辛子高菜や明太子、
などなど・・・。
とりあえず、ひたすら食いまくる。
ちょっと取りすぎたかも感があったけど、
まあ何とか食い切り、何かしらを何度か
おかわりした。
ふと周りを見渡すと、あれだけいた人が
すっかりいなくなっていて、オイラ達の
他に、5人しかいなかった。
そういえば食事中に、1階のロビーで
ビンゴ大会を開催するというアナウンスが
放送されていたから、もしかすると、
そっちに流れたのかな?
時計を見ると20時半になっていた。
とりあえず食うのをやめて、コーヒーを
飲みながら一息つく。
21時ギリギリまで喋りながら
満腹満足で部屋に戻ることに。
この後は温泉に入りに行くので、
相棒は一足先に部屋に戻る。
オイラは、大広間からエレベーターまでの
廊下に飾ってあるモノを見ていた。
そこには、仕事やプライベートで
この旅館を訪れた有名人や芸能人の
写真やサインが飾られていた。
中でも圧巻なのが、プロ野球の
中日ドラゴンズのシーズン終わりの
納会とかを開催してるんだね。
まあ、『1年間、お疲れさん』みたいな
やつ。ご苦労さん会みたいな感じ?
打ち上げって言った方が分かりやすいか?
名古屋から近いってのもあるんだろうけど
何年か続けて来ていたみたいだね。
知ってる顔から知らない顔まで
ズラリと並んでいるわ。


いろんな問題がありそうなので、
あえてアップの写真ではなく引きで。
気になる人は、画像をズームアップして
見てみてね。
相棒を追って部屋に戻って、お風呂セット
を持って大浴場へ。
さすがに風呂場で写真は撮れないので、
リンク先の写真を参照してください。
大浴場に行って思ったのは、
食事処にあれだけ人がいたのに、
風呂場には5~6人ほどしかいない。
てことは、やっぱみんな食事前に
ひとっ風呂浴びてんだな、ということ。
まあ、普通に考えたらそうなるわな。
でも、そのおかげでがらがらの温泉を
満喫出来て、ありがたいわ。
相棒もろとも、2時間弱ほどいただろうか
ちょっとのぼせっぽくなってきたので、
風呂から上がり、ポカリスエットを
飲みながら一息つく。
館内の廊下を歩く人もまばらになって
来たので、オイラ達も部屋に戻ることに。
部屋のある階のエレベーターの脇には
『浴衣バー』と『枕バー』というのが
あって、自由に浴衣や枕を選べる、
まあ、『ドリンクバー』みたいなモノが
あったので、オイラは低反発枕を
チョイスして部屋に戻った。
部屋に戻ると、既に布団が敷いてある。

(白いのが部屋枕。黒いのが低反発枕)
思わずバタンと倒れ込む。
風呂に行く前に点けておいたエアコンが
布団を冷やしていて、温泉で火照った
身体に心地よい。
相棒を見ると、コンセントの近くに
寝床を陣取り、充電器を繋ぎっ放しで
眠そうな眼をしながらスマホを見ていた。
聞けば、明日の予定をどうするか、
考えているようだ。
まあ確かに、明日の予定は特に何も
決まってない。しいて挙げるとすれば、
長野県の駒ヶ根市の名物である
『ソースかつ丼』が食べられたらいいな、
くらいだろうか。
とりあえず決まっていることは、
明日の夜6時頃までに長野県の茅野市に
あるビジネスホテルにチェックインする
ことくらいだ。
相棒に豊橋電鉄の田口線の話をすると、
『来た道を戻るのは、どうも・・・』
と、あまり乗り気ではない。
確かに『乗り鉄』からしたら、乗れない
電車には興味がないのだろうか?
まあ、オイラも戻ることは反対だ。
それに、雨が降っていたら、それだけで
行く気も失せる。
オイラ的には、電車に乗ろうと乗るまいと
どっちでもいいんだけど。
この電車のカテゴリーは相棒に一任して
いるので、本人が行かなくていいって
言うんだから、今回はパスの方向で決着。
となると、尚更明日の予定を立てて
おかないと、無駄な時間を過ごすことに。
しばらくテレビを見ていると、
調べものをしていた相棒が、何だか
眠そうにウトウトしている。
本来なら、夜中にもう1度くらい
温泉に入りに行くのが定番なんだけど、
奴も眠そうだし、朝風呂でもいいかな。
テレビもあまり面白くないし、
オイラも寝るとするか。
あまり眠くはないんだけど、明日も1日
運転手だからな。
というわけで、おやすみなさい。
その⑥につづく・・・。
(。・ω・。)ゞ
袋井市の『たまごふわふわ』の余韻に
浸りながら、次のB級グルメである
『浜松餃子』の店を目指して、更に西へ
車を走らせる。
この頃から、雨がだいぶ小降りになって
来ていて、かなり走りやすくなってきた。
袋井市から磐田市に入った時に、
ふと思った。
個人的な話だから、その時は相棒には
言わなかったけど、オイラの会社の後輩が
交通事故で、この磐田市にある病院に
入院しているのだ。
一瞬、お見舞いに行こうかと思ったけど、
後輩と相棒には接点が全くないので
お互い気まずくなりそうだたから、
そこはスルーすることに。
まあ、この場を借りてひとこと。
『早くよくなれよ。お大事に』
さてさて。
浜松市に入り、JR浜松駅の近く。
浜松市のほぼ中心街にたどり着いたのは
世間的には昼飯タイム。
嫌な予感を抱きながら、お目当ての
餃子屋【
むつぎく】を探す。
しかし、なかなか見つからない。
車のナビ、携帯のナビ、スマホのナビと
3つを駆使して、やっとのこと店のありか
が判明した。狭い路地の途中にあって、
車で行くには、ちと気が引ける道幅だ。
けど、そこはあえて気にせず、
一応店の前まで行ってみた。
わっ! マジか・・・。
嫌な予感は的中した。
店の前には20人以上の行列が・・・。
普通なら餃子食べたさに、仕方ないと
諦めて素直に並ぶのだが、
今回は少し事情が違う。
それは、この日に泊まる旅館の
チェックインする時間にあった。
普通なら旅館のチェックイン出来る
時間って、だいたい15時~17時くらい
なんだけど、今夜の宿は何と、13時から
チェックイン出来るのだ。
ちなみに、チェックアウトは11時。
この旅館の謳い文句が『22時間の滞在』
だから、少しでも長く滞在したい
オイラ達にとっては、このあとの
道のりを考えると、餃子を食べるために
並ぶような無駄な時間は費やしたくない。
あのまま並んで食ってたら、旅館に
到着するのは夜になっちゃう。
百歩譲って考えるとして、浜松餃子は
通販でも買えるから、とかって
前向きに捉えることにして、泣く泣く
浜松餃子を諦めた。
さてと。
この日に用意していたB級グルメは
以上なので、あとは旅館到着までに
いかに腹を空かせるか、が課題だ。
なぜなら、今夜の宿は、夕食も朝食も
食べ放題のバイキングだからだ。
だから、なるべく腹を空かせるべく
何も食わない予定だ。
けどまあ、飲み物はOKってことで、
この旅のルールの1つとしてあるのが
マクドナルドのドライブスルーで
マックシェイクを買う、というのがある。
今の時期は、コレ。

森永製菓のミルクキャラメル味の
マックシェイク。
カップもキャラメルのパッケージ柄だね。
シェイクを買い込み、車はいつしか
愛知県に入る。
豊橋市から豊川市。そのまま奥三河方面
へと進む。
国道151号線から国道257号線へと
突き進む。
全ては、温泉宿でマッタリするため。
実は、この旅の相棒は、無類の電車好き、
世間ではいわゆる
『鉄道オタク(鉄っちゃん)』と
呼ばれている種族なので、
毎回旅のどこかで別行動をして
電車に乗りに行く。
旅のコースにあるローカル線に
乗るのだが、今回は趣きを変えて
廃線を辿ってみようと目論んでいた。
奥三河地方には50年くらい前に
『
豊橋鉄道 田口線』というローカル線が
通っていたのだが、今はない。
けど、かつてレールがあったであろう
軌道跡は、所々ではあるが車が走れる
道路になっている所がある。
もちろん、車すら通れない
荒れ果てた軌道跡もあるのだが、
軌道跡を通れば、少しは電車に乗った
気分に浸れるかな、と思ったんだけどね。
レールはないけど、奥三河の郷土資料館
には、1両ではあるが車体が展示して
ある。
いつもならローカル線の旅を相棒に
楽しんでもらうのだが、今回は雨が
続いているし、大した路線もなさそう
なので、この田口線の軌跡を辿って
我慢してもらおうと思っていたんだけど、
宿へ急ぐために、それさえ中止せざるを
得ない状況だ。
とりあえず、今は宿が優先だ。
まだあと2日あるし、2日目は結構時間が
あるはず。だから田口線は明日に。
すまん! 相棒!
車は、国道153号線に出た。
右に曲がって長野県の昼神温泉卿を
目指す。
その⑤につづく・・・。
(。・ω・。)ゞ
この旅のことを知ってか知らずか、
台風が3つもいらっしゃっているという
近年希にみる悪天候。
おまけに、その1つが戦後最大級と
言われるほどのスーパー台風。
だけど、不思議と車を降りると雨が
止むという奇跡の連続で、この時点で
1度も傘をさしてない。
てか、傘を持ってない。
車を走らせている時は、降ってるか
止んでるか、土砂降りのどれか。
まあ、グルメの旅だから、雨にはあまり
影響されないからいいけどね。
さて。
次なる目的地は、袋井市。
この袋井市には、
【たまごふわふわ】
というB級グルメがある。
見た目は鍋焼きうどんの器に
モコモコした何かが乗っている感じ。
実物を見たこともなければ、もちろん
食べたこともない。
けど、なぜか名前は知っていて、1度
食べてみたいと思っていた。
小雨が降り続ける国道1号線を下る。
袋井市は、静岡市から30kmほど
西にある。
カーナビに目的地の住所を入力して、
案内通りに車を走らせる。
朝の通勤ラッシュもだいぶ落ち着き、
車の流も少し穏やかになってきた。
すると、カーナビはなぜか国道1号線を
外れて、工業団地の方へ向かうように
指示している。
何か怪しい。けど、近道かも知れん。
ナビに従い、工業団地へ。
すると今度は、工業団地の外れから
山の中へと案内している。
ますます怪しい。
工業団地から3kmほど山の中へと
進むと、『法多山(ほったさん)』という
山寺に着いた。
マジか?
ナビ画面には、さらに参道に進むように
表示されている。
しかし、実際には車輌通行禁止の看板が
立っていて、入ることをためらう。
辺りの人に聞こうにも、平日の雨日だ。
誰もいない。
参拝客用の駐車場の管理人小屋にも
誰もいない。
しかし、せっかくここまで来て諦めたくも
ない。
しばらく考えた結果、車輌通行禁止の看板
の奥に行ってみることにした。
もし怒られたら、その時はその時。
素直に謝りましょう。
ということで、参道を突き進む。
目印は、10台分の駐車場と
『山田』という店名の看板のみ。
恐る恐る進むと、30台ほど停められる
駐車場があった。少なくともここまでは
車が入れるのだと確信。
けど、10台ほどの駐車場ではない。
そこから先は、車で行くには申し訳ない
ほどの細道。時折、参拝者みたいな
人たちとすれ違ったけど、みんな徒歩。
雨の中、傘をさして徒歩。
一瞬、とまどっていると、前から車が!
よく見ると軽トラックだ。
ギリギリ交わせる。
すれ違う時に軽トラックを見ると、
『○○○だんご』という文字が。
てことは、この先にだんご屋がある。
だんご屋があるなら、目的地もこの先に
あるかも知れない。
少し希望が見えて来た。
しかし、たどり着いたのは、山寺の
本堂の裏にあるトイレ。
駐車場はおろか、だんご屋すらない。
マジかよ・・・。
落胆する2人。
仕方なく、来た道を戻ることに。
すると、何やら階段で上がるような
場所があり、うっすらと提灯みたいな
モノが見える。
この上にだんご屋が!
直感的にそう思い、相棒を車に残し、
雨の中を歩いて見てくることに。
だんご屋があるなら、目的地の店もある。
何となく、そんな気がしていた。
階段を駈け上がると、確かにだんご屋が
あった。そのだんご屋で買っただんごを
食べる休憩所みたいな建物もある。
しかし、お目当ての店は、ない。
というか、だんご屋しかない。
そのだんご屋も平日の雨だからか、
やってはいるものの、開店休業中みたいな
感じで、店番のおばちゃんが3人で
井戸端会議中だ。
一瞬、目が合う。
片や、雨の中を傘ナシで歩く男。
片や、暇そうなだんご屋の店員。
お互い、気まずそうに目をそらす。
すぐさま車に戻り、相棒に報告。
こんな奥まで入って来ても見つからない
なら諦めよう。
そんな結論に達し、法多山を下り始める。
100mほど下りると、かなり大きな
駐車場を発見。
もしや、と思い、一応探索。
すると、管理人のいる駐車場を発見。
そこのおじさんに『山田』のことを
聞くと、何と知っていた!
あっさりと店の場所が判明。
その駐車場から50mほど、さっきとは
別の参道を入った所にあった。

10台分の駐車場もある。
当然、そこに駐車する。
しかし、雨が強い。
しばらく車中で待機。
10分ほどして雨が弱まったので
ダッシュで店内へ。
中に入ると、客はゼロ。
店員さんが店内の掃き掃除をしていた。
アレ? もしかして開店前か?
「やってます?」
と聞くと、
「あ! はい、どうぞ」
との返事。
安心して適当なテーブルに着いた。
注文するモノは『たまごふわふわ』と
決めているけど、メニューも見ずに
それだけ注文するのも何となくカッコ悪い
気がしたので、一応メニューを
パラパラと見る。
すると、意外といろいろあって、
他にも食べたくなった。
で、結局、たまごふわふわと、かき氷を
注文してみた。
まずは、たまごふわふわ。

たぶん、たまごの白身を泡立てた
メレンゲみたいなヤツの下に、
すんげえ熱いだし汁みたいなスープが
入っている。
スープの中には、シメジなんかのキノコ類
の具が入っている。
これらをレンゲで掬って食べる。
最初は、あまりにも熱くて、味がよく
分からなかったけど、しばらくすると
キノコのだし汁が超美味いことに気付く。
メレンゲ状のふわふわと相まって、
不思議な味わい。
でも、確実に美味い。
ヤベー。レンゲが止まらん。
半分くらい食べた所に、かき氷が到着。

名前は、イチゴスペシャル。
確かに、ただの氷イチゴではない。
イチゴが、シロップではなくソースに
近く、トロッとしている。生イチゴか?
さらに、アイスクリームとアンコが
乗っている。
おまけに、ウエハースが2枚。
コレはもう、スペシャルでしょう。
熱いたまごふわふわと、
冷たいイチゴスペシャル。
いい感じで交互に食べ進める。
食べ終わる頃、雨が弱くなって来たので、
このスキに会計を済ませて車に戻る。
熱いたまごふわふわを食べるのも、
冷たいイチゴスペシャルを食べるのも、
確かに大変だったけど、何よりもオイラを
苦しめたのは、空調が切ってあって
蒸し暑かった店内だ。
テーブルに置いてあった団扇が
手放せなかったぜ。
けどまあ、次があるさ。
とりあえず、美味かったからOK。
次の店は浜松市だ。
その④につづく・・・。
(。・ω・。)ゞ
さて、相棒の車でオイラの家を出発し、
まずはコンビニでコーヒーと栄養ドリンク
を買い込み、まだまだ空いている
首都高速に乗る。
オイラ達は休みだけど、世の中は
休日明けの平日。しかも週末。
おまけに台風が近い。多少の雨もある。
仕事の車がガンガン走ってる。
その流れに乗りながら
首都高速から東名高速へ。
今回の旅のテーマの1つに『食べる』と
いうことがあるので、少食の相棒には
『朝飯はあまり食って来るなよ』と
言っておいたので。2人とも腹ペコ状態。
おまけに今回、道中で食べるモノは
全てB級グルメ、というルール。
高級感や贅沢感が漂うモノは今回はナシ。
質より量、がテーマ。
オイラの旅プランとしては、まず
東名高速で沼津インターを目指す。
途中の『海老名』『足柄』という
2大サービスエリアは、まさかのスルー。
まあ、台風の影響で土砂降りの雨ってこと
もあり、車を降りるのが億劫だったし。
まるで洗車機を通過しているような雨水が
フロントガラスを叩く。
時おり小降りにはなるものの、ピタリと
止むことはなかった。
一瞬ハンドルを取られそうになりながら
何とか沼津インターを降りた。
ここまでは渋滞もなく順調。
ここで、まず1食目。

静岡県を中心に何店舗かある、そばと
うどん店の【
スマル亭】です。
沼津インターからすぐの所にあり、
24時間営業ってのも嬉しい。
ここでは『桜えびの天ぷらうどん』を
食べるために、いざ入店。
が、しかし!
ここでいきなりの誤算が!
何と、桜えびの天ぷらは、店舗によって
扱ってないらしい。
仕方なく、モーニングセットを注文。
桜えびの天ぷらはなかったけど、
空腹には勝てなかった。

かけうどん+ひじきご飯+漬け物。
これで350円は確かに安い。
桜えびの天ぷらは食えなかったけど、
コレはコレで美味い。しかも安い。
全て平らげ、店を出た。
何となく不完全燃焼のまま、
朝の通勤渋滞が始まった国道1号線を
西へと向かう。
『そういやあ、この先にもスマル亭が』
そう。
実は、この先にもスマル亭があり、
その店がある場所こそ、桜えびの漁獲量が
トップクラスの由比漁港がある場所。
相棒にリベンジを持ちかけると、
少食の相棒は、すんなりギブアップ。
仕方なく、1人で入店することに。
早くも2食目。
先ほどの沼津インター店にはなかった
桜えび天うどん&そばのメニューが
あった。
迷わず桜えびの天ぷらうどんを注文。
待つこと1分。
はい、出ました!

桜えびの天ぷらうどんです。
さすがにセットメニューは無理なので
うどん単品です。
一見、普通のかき揚げっぽく見えるけど
しっかり桜えびが詰まってます。
直径10cmくらい、厚さ3cmくらい。
濃厚な桜えびを味わいつつ、車で待つ
相棒のことを考える。
1軒目のうどんを食う前に、やたらと
桜えびの天ぷらが食いたいって
連呼してたのに、いざ店まで来て
満腹の為に断念するのは、あまりにも
忍びない。
一応、ダメ元で店の人に頼んでみた。
「桜えびの天ぷらだけ持って帰れます?」
すると、意外にもOKの返事。
けど、桜えびの天ぷらだけでも
260円もする。意外と高い。
オイラの食ったうどんは350円だから、
天ぷらを引くと、うどんだけだと
90円ってことかいな!?
まあ、それはないにしても、それだけ
桜えびの天ぷらが高価ってことなのか?

店の人に包んでもらい、車で待つ相棒に
渡すと、
「今は無理だから後で食うよ」
ということで、とりあえずは取り置きで。
さて。
次に向かうのは、JR静岡駅のすぐそば。
朝の6時から営業しているという
【まるしまのおにぎり】という店。
朝8時半にして、早くも3食目。

近代的な駅前エリアにありながら、
その佇まいはメチャメチャ昭和チックな
レトロ感が満載。
駅前エリアにあるからか、通勤客や
オフィスに向かう人が多く、手作りの
おにぎりが飛ぶように売れて行く。
朝や午前中はともかく、午後の比較的
暇な時間帯だと、注文してから握って
くれるのが嬉しい。
しかし、オイラ達の目当てはおにぎりでは
なく、この店のもう1つのウリでもある
『静岡おでん』である。
もちろん、この店に限らず県内のあちこち
に静岡おでんはあるのだが、朝の6時から
食えるのは、この店くらいだろう。
名前の音の響きから、文字で表すと
『しぞーかおでん』と表記する場合もある
ほど地域密着型のB級グルメだ。

戸棚から勝手に皿を出して、鍋から
勝手に取って食え的なスタイルが
一発で気に入った。
静岡おでんの特徴は、全てのネタが
串に刺さっているので取りやすい。
おでんのネタが均一料金なのは、
串の本数イコール食べた数だから
店の人が計算しやすい為かなと、
ふと思った。
とりあえずオイラは、おにぎりの赤飯と
シャケを注文し、おでん鍋から
なると巻き、玉子、さつま揚げ、
黒はんぺん、厚揚げなんかを選び、
静岡おでんの定番である魚の削り粉を
振りかけた。

これだけたべて500円しないって、
どんだけ消費者に優しいんだよ。
相棒は、これより若干少な目で
2人で1000円しないって。
マジでありがたい店だわ。
『絶対また来るリスト』に加えたよ。
行きたい人は、ネット検索して下さい。
一発でヒットしますよ。
そして、行きたくなります。
コインパーキングに停めた車に乗り込み、
次の場所を目指した。
その③へ続く。
(。・ω・。)ゞ
毎年思うこと。
『夏休み』ってのは『夏』に休むから
夏休みっていうんじゃないかな?
今年(2016年)の夏休みを
やっとのことで貰えました。
今年の夏休みは、9月22日~25日の
4日間でした。
毎年、オイラが3日以上連休が取れると
旅行に出るという流れを知っている
方は、このブログを読み込んでくれて
いる、ありがたい読者様でございます。
ありがとうございます。
知らないという方に説明しますと、
1年間、チマチマと積み立てをして
旅費を貯め、連休を取って旅に出る、と
いうスタイルを取っているのです。
この旅には長年連れ添った相棒がいて
さしずめ、現代版の東海道膝栗毛の
『やじさん・きたさん』
といった感じでしょうか。
このブログでも、過去に2回ほど
旅の様子を記事にしました。
今回の旅も長々とだらだらと
書いて行きます。
あ! 初めに言っておきます。
長いですよ~。
長いので、毎日、小出しにアップします。
よろしくどうぞ。
さて、今回の旅行の最終目的地は、
2年前にも行った山梨県の北杜市にある
【
金精軒(きんせいけん)】という
和菓子屋さんです。
(2014年12月の過去ログを見てね)
金精軒では毎年6月~9月の土日限定で
『水信玄餅』という水晶球みたいな
信玄餅を販売しているのですか、
「2年前に食べた感動を、もう一度」
ということで、いわゆるリピーターです。
が、しかし!
会社の休みが奇跡的に4日間も取れて
しまい(22日の木曜日から日曜日まで)
しかも、22日は祭日にも関わらず、
相棒が、まさかの休日出勤。
3泊4日の旅行が2泊3日に短縮。
でもまあ、想定内だったので、23日の
深夜の出発に備えて、ほとんどを寝て
過ごしました。
今回の旅のテーマは、
【みる・くう・つかる】。
いろいろ観たり、いろいろ食ったり、
いろんな温泉に浸かったりして
最終的には金精軒に行く、みたいな感じ。
更には、旅のコンセプトとして、
【爆走800km・2人で体重8Kg増】
ということを掲げて、
23日の午前4時半に、迎えに来た
相棒の車でオイラの家を出発。
ウチらの旅の決まりの1つに、
『道中の運転は全てオイラ』
という変な決まりがある。
これは10代の頃からの決まりで、
何でそうなったのかは自分達でも
忘れたけど、とりあえずオイラの運転で
出発した。
この旅には主導権を握るリーダーが
存在し、このリーダー制度は毎年交互に
行う。今回の旅のリーダーはオイラ。
主導権を持つと旅の行き先や目的地、
旅のテーマやコンセプトの決定、
立ち寄り場所や観光場所、宿泊場所、
食事の選定、ルートの選択、これらの
決定権が与えられる。
もちろん、相手の意見も取り入れて
決めるので、単純なワガママ旅ではない。
ただ、ミステリーツアー的な要素も
残したいので、具体的な説明はあまり
しないのがミソなのです。
さて、前置きが思いの外、長く
なったので、本編は次回から
書きます。
では、その②で・・・。
(。・ω・。)ゞ

