【 いのち学道への軌跡 25 】 | いのちアカデミー認定協会【健康生命師】渡邉勝之【博士】“健幸美楽”習慣公式ブログ

いのちアカデミー認定協会【健康生命師】渡邉勝之【博士】“健幸美楽”習慣公式ブログ

いのちアカデミー認定協会代表【健康生命師】博士
共育部門:いのちアカデミー【総長】
臨床部門:鍼灸 瑛 嵯峨嵐山【院長】
研究部門:いのち研究所【所長】

 学位取得後も、私の元に来た大学院生らとともに、始原東洋医学に関する研究を継続し、学会発表ならびに修士論文の指導などを精力的に行った。

 

 同時に、ライフワークの一つである、東西医学の融合に関心が移り、本格的に取り組むようになった。

 

 大学の講義で、医療概論および伝統医学の歴史と哲学などを、また大学院の講義では、統合医療特論を担当していたが、全く異なる両医学を一つに融合するのは困難であると諦めかけていた。

 

 そのような時期に読んだ、ベルグソンの本の中に「統一に向かうのではなく、統一から身を起こす」という一文が目に入った。

 

 

 

 その瞬間、これまで私は全く逆のアプローチをしていた事に気づいた。

 

 歴史的に別々に分化した伝統医学と近代医学を一つにするのではなく、それらの医学の歴史を辿り、共通基盤を明らかにすることができれば、ベルグソンの言う「統一から身を起こす」ことができるのではないかと、閃いたのである。

 

 世界三大伝統医学と呼称されている、インドのアーユルヴェーダ(生命の智慧)、ユナニ・ティブ(ギリシャ医学)、中国伝統医学(湯液・鍼灸など)の文献調査をした。また、実際にインド・ヨルダン・イスラエル・イタリア・中国などにも行き、現地調査も行った。

 

 その結果、約400年前のルネッサンス(人間復興)以前は、東洋も西洋もほとんど同じ医学理論に基づき、類似した医療を実践していた事に気づいたのである。

 

 西洋医学の祖と仰がれる、ギリシャ医学のヒポクラテスも、インドの伝統医学である、生命の智慧という意味であるアーユルヴェーダも、文化大革命以前の中国伝統医学も、“いのちと(そのハタラキである)自然治癒力”を共通基盤としていたのである。

 

(つづく)