Vチューバー市場規模800億円 vs 「異人たちの夏」 | katoo the world

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矢野経済研究所の調査によれば、2023年度のVチューバーの市場規模は800億円を見込み、同人誌やトレーディングカードゲームの市場と同じ規模にまで成長している。

ただ、カバーの谷郷社長が「Vチューバーはいまだグッズ販売でしかうまく収益化できておらず、IP価値を最大化できていない」と話す通り、現状の市場規模は将来的なポテンシャルに対してまだまだ小さいという見方が多い。

アニメのように、キャラクターを活用したゲームの展開などが進めば、市場規模は一段と拡大する可能性がある。

Vチューバーに関して全く興味が無かったこの私かとぅではあるが、M-1グランプリ2021王者、錦鯉・渡辺がその”圧倒的愛”を以て一方的に語るVチューバーの魅力に飲まれ、渡辺の一推しである「ホロライブ兎田ぺこら」を勇んで拝見して驚いた。

其迄私はVチューバーを”二次元版アイドル”と認識しており、実際の兎田ぺこらも事前イメージ通りのモノではあった。

しかし、其処には別次元の大いなる発見があったのだ。

Vチューバーを拝見して思うのが、ディズニーランドの人気アトラクション「タートル・トーク」だ。

映画「ファインディング・ニモ」に登場するウミガメのクラッシュとリアルタイムでお話出来るアトラクションなのだが、これがVチューバーの原点では無かろうか?

映画の登場人物と会話出来る。
ファンにとって是程の喜びが有ろうか?

ジャッキー・チェン、孫悟空、ダースベイダー、海原雄山と会話出来ると言うなら、私とて些か錯乱しスパチャの投げ込みを抑える事も出来まい。

もう一歩先を見越すと、私自身がVチューバー「聖徳太子」として活躍するマルチバースも見えて来る。

「こんにちは、私が聖徳太子です」

冒頭からそんな胡散臭いチャンネルが出来たとしても、誰も否定する事は出来ないし、「聖徳太子、初めての蒙古タンメン中本」とか、「10人の話を聞き分けチャレンジ」とか、「今だから話せるスマホ開発秘話。スティーブ・ジョブズの中の人も、もちろん聖徳太子!」とか言っていれば、年商1億円では済まない聖徳太子たる中の人かとぅであろう。

アクシア・クローネ vs 淫魔界帝国「ヤールノフスキー」大帝王かとぅ
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Vチューバー vs 聖徳太子かとぅ
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そして、Vチューバーについて語る際、決して忘れてはならない、この私かとぅが生涯を賭して探し続けて来た幻のテレビ番組がある。

2018年12月に記載した記事にも、その忸怩たる想いは如実に記されている。

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さて、今回の研究発表を伺い、私は一つのテレビ番組を思い起こしていた。

我がホワイトハウス諜報部にて番組タイトルを調べたモノの、残念ながら不明と言う結果となってしまったのだが、20年程度以前のフジテレビ深夜番組で、「真っ白なスタジオに呼ばれたゲストが、今は会えなくなってしまった人と会話をする」と言う番組であった。

私の記憶では「夏の想い出」や「夏のひと時」と言う様なタイトルが過るが、そのあたりでのネット検索でヒットは無かった。

短命のマイナーな深夜番組だったし、何せ20年前なので、私の記憶も曖昧ではあるが、ゲストとして和田アキ子が登場した回は強烈に印象に残っている。

ホワイトアウトするスタジオにて、何の説明も受けていない和田アキ子がナレーションで呼び掛けられる。

「え?何?誰?変なの止めてよ!」  そんなリアクションから始まった番組だったが、5分もすると神妙な顔つきで「おっかぁ?...山岡久乃さん?」と声を震わせ、ナレーターと会話を始めるのだ。

和田アキ子が”おっかぁ”と慕う山岡久乃は既に亡くなって久しく、話せる訳も無いし、当初はスタッフの悪ふざけかと怒りも露わにしていたのだが、二人だけしか知らない様なエピソードが次々と山岡久乃から語られると、番組終盤には「おっかぁ、ありがとう。おっかぁに会いたい...」と号泣する和田アキ子に、私も胸が熱くなった。

...と、同時に、此処まで作り込めるモノマネ技術や、本人も号泣する程のエピソードの掘り起しに感嘆したのだ。

後に調べた所、ナレーションはモノマネ芸人が担当しており、スタッフが極秘に集めたエピソードを、さも本人が語っているかの様相で番組進行するという、実に製作側の力技的構成なのだが、今回のAI歌声の登場で、更に幅広い「今は会えなくなってしまった人と会話をする」事が出来ると感じるし、個人の人生をディープラーニングしたAIと連動すれば、いよいよそれこそが「肉体を持たない本体」ともなるのではないか?。

「山岡久乃の思考と声を併せ持つAI」が完成すれば、実際に肉体に触れる事は出来なくとも、和田アキ子にとって普通に電話で会話する程度の感覚でコミュニケーションは取れるだろう。

「あんな、おっかぁ。ワテ、紅白落ちてんネン。もう、歌手なんて、ハズかしゅーて、言われへん...」

「あなた、何言ってるの!?紅白に落ちたら歌手じゃないなんて、それじゃ、世の中から歌手なんていなくなるわね!あんたは紅白の場を勤め上げ、次に譲ったの。胸を張りなさい!」

「ゴールデンボンバー出てるのに...」

「アッコ!アンタ、それは白組!」

...そんなやり取りが有るのかも知れないし、無いのかも知れない。

それでも、先立たれた家族や意識が戻らない病人の「思考と声を併せ持つAI」が有れば、日常会話を通した生活も可能だし、それこそが遺された遺族にとっては「本人」であり、「永遠の命」とすら言えるものかも知れない。

一方的に想いを寄せるアイドルや美少女キャラの「思考と声を併せ持つAI」が有れば、それ以上に果たして何が必要なのだろうか?
商品化されれば、間違いなく大ヒットする事請け合いだ。

しかし、想いを寄せるアイドルの「思考と声を併せ持つAI」との生活を満喫していたある日、偶然にもアイドル本人と知り合ってしまい、「思考と声を併せ持つAI」と「アイドル本人」の何れを取るか、そんな呆けた問題も出て来るかも知れない。

AI歌声合成システム vs 和田アキ子 vs クレヨンしんちゃん
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12428240725.html

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そんな私が僅かな記憶を辿り探し続けた番組こそが「マスクマン!」内のコーナー企画「異人たちの夏」である。

実はこの番組、2002年4月~9月に放送されていたテリー伊藤・中嶋知子MCの深夜バラエティなのだが、最早20年以上も以前に深夜の知人宅で見た記憶を頼りに捜索に尽力してきた番組である。

その事実が発覚したのが、日本テレビが制作するTVerオリジナル番組『神回だけ見せます!』内で「神回」として紹介された事による。

テレビプロデューサーの佐久間宣行と伊集院光が案内人となり、日本テレビの映像ライブラリー「アーカイブセンター」に眠る過去に放送した「神回」を紹介する『神回だけ見せます!』。

テレビ制作の表も裏も知り尽くした制作関係者が、「これこそが神回!」と太鼓判を打つ番組の数々に気圧される「日本テレビ・真・無双覚醒奥義!」と言える納得のラインナップの中でも、出色の神回として「異人たちの夏」が紹介されているのを拝見し、20年以上に渡る我が探求の旅が終わった安堵感と、旅の終焉に些かの寂しさを感じ取った。

先述の「和田アキ子と山岡久乃」こそ無いが、現段階に於いてTVerでは「蛭子能収が一年前にこの世を去った亡き妻の再会」と「亡き母の登場を前に涙を流しながら、”人にバカにされるっつぅことが俺は我慢ならなかったんだ!”と叫ぶガッツ石松」が視聴可能だ。

改めて拝見した「異人たちの夏」だったが、当時の私の記憶そのままに、ゲストがトークする相手は、目の前のモニターにあらわれた、CGで作られた亡くなった家族や、過去の自分だ。

初めは和田アキ子同様に、バラエティー番組の悪ノリに着いて行けない蛭子能収やガッツ石松だったが、自分しか知り得ない様な隠してきた想いやエピソードが、CGで作られた亡くなった家族や、過去の自分が詳らかに語り掛けられる中、自ずから思い出に寄り添うかに、当時の抱えていた想いが溢れて止まらない。

和田アキ子も蛭子能収もガッツ石松ですら、カメラの前である事を一切忘れて涙を流すのだ。

またCGに併せた吹替では、即興でトークが行われる為、当然、CGの声の主は、どんな話にも合わせられるよう事前にゲストに纏わる情報を知り尽くした上でのアドリブ力が必要不可欠となる。

此処では記さないが、声の主は現在お笑い界の頂点にいるお笑いコンビが20年前に務めていた事実にも心が揺さぶられた。

そんな奇跡のような番組を拝見し、改めて私が追い求めていた番組が「神回」として語り継がれるべき作品である事実を前に、誇張で無く涙が溢れたし、案内人である伊集院光も涙を抑える事が出来なかった。

伊集院光が泣くのを見たのは、このガッツ石松回と、水曜日のダウンタウンでの「おぼん・こぼん仲直り企画」位のモノ。

現実にはもう、二度と会う事の出来ないCGで作られた亡くなった家族や、過去の自分との対話に、是程迄に心が揺さぶられる事実が、実に新鮮な驚きと共に清々しい想いでいる。

今回、2023年度のVチューバーの市場規模は800億円を見込み、同人誌やトレーディングカードゲームの市場と同じ規模にまで成長しているとの報道にも、大いに納得いくモノだし、ChatGPTなどのAIと融合する事で、更なる躍進が期待出来ると思われる。

2024年3月に急性硬膜下血腫の為、68歳の若さで亡くなった鳥山明先生も、AIを実装したVチューバーがその意志を繋ぐ事が出来るかも知れない。

何せ、現在制作中の「ドラゴンクエストⅫ 選ばれし運命の炎」の開発も始まっている。
そろそろキャラクターデザインも追い込みを掛けねばならないだろう。

2021年9月に敗血症性ショックの為、90歳で亡くなったすぎやまこういち先生の新曲もドラゴンクエストには絶対に欠かせない。

世界は、ソレを待望しているし、AIを実装したVチューバーがその意志を繋ぐ事を想うだけで、胸に熱いモノが込み上げるのを押さえられない私だ。

かとぅ