多くの人気VTuberが所属する事務所「にじさんじ」が、所属のVTuber「アクシア・クローネ」の無期限活動休止を発表をした。
アクシアは、自身のユーチューブチャンネルで「今日から無期限の活動休止をします。関係者の皆様にはご迷惑をおかけして申し訳ないです」と報告。過激な言葉をネット上に書き込む一部の人々に向けて「かわいいっていうのやめてくれ、母親ヅラをしないでくれってたびたび口にしてきた。誰かとコラボすれば“うちのアクシアをお願いします”って。そういうことがあるたびに、母親ヅラしないでくれって注意してきたけど“アクシアは反抗期なんだね、私がいないとダメなんだから”って。俺の何なんだよ、俺に指図しないでくれ。一度冷静になって考えてほしい」と吐露。
「俺はただゲーム実況をしている配信者。俺に対して彼女ヅラして変な夢を見ないでほしい。リア恋も腐女子も俺は好きじゃないけど、大勢の人が見るところではなく、自分の中だけで楽しむんだったら俺は別にいいと思ってる。でもそれを大きな声で共感してくださいって回ったり、ましてや自分の理想と違うからって、他人を攻撃する人は今すぐいなくなってくれ」と悲痛な思いを訴えた。
Vチューバーに関して全く興味が無かったこの私かとぅではあるが、M-1グランプリ2021王者、錦鯉・渡辺がその”圧倒的愛”を以て一方的に語るVチューバーの魅力に飲まれ、渡辺の一推しである「ホロライブ兎田ぺこら」を勇んで拝見して驚いた。
其迄私はVチューバーを”二次元版アイドル”と認識しており、実際の兎田ぺこらも事前イメージ通りのモノではあった。
しかし、其処には別次元の大いなる発見があったのだ。
Vチューバーを拝見して思うのが、ディズニーランドの人気アトラクション「タートル・トーク」だ。
映画「ファインディング・ニモ」に登場するウミガメのクラッシュとリアルタイムでお話出来るアトラクションなのだが、これがVチューバーの原点では無かろうか?
映画の登場人物と会話出来る。
ファンにとって是程の喜びが有ろうか?
ジャッキー・チェン、孫悟空、ダースベイダー、海原雄山と会話出来ると言うなら、私とて些か錯乱しスパチャの投げ込みを抑える事も出来まい。
もう一歩先を見越すと、私自身がVチューバー「聖徳太子」として活躍するマルチバースも見えて来る。
「こんにちは、私が聖徳太子です」
冒頭からそんな胡散臭いチャンネルが出来たとしても、誰も否定する事は出来ないし、「聖徳太子、初めての蒙古タンメン中本」とか、「10人の話を聞き分けチャレンジ」とか、「今だから話せるスマホ開発秘話。スティーブ・ジョブズの中の人も、もちろん聖徳太子!」とか言っていれば、年商1億円では済まない聖徳太子たる中の人かとぅであろう。
Vチューバー vs 聖徳太子かとぅ
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12745861040.html
さて今回、ホロライブ同様に錦鯉・渡辺の推しである事務所「にじさんじ」のVTuber「アクシア・クローネ」が無期限活動休止を発表した。
以前寄稿させて頂いた記事を読み返すとこう在る。
アニメやゲーム、アイドルと言った「OTAKUカルチャー」は、クールジャパンと言う後ろ盾を得て世界的に支持される文化にまで成長したが、Vチューバーこそがその究極進化系と言えよう。
加齢やスキャンダルに晒される現実のアイドルや、犯罪紛いの行為で炎上するユーチューバーとは違い、その存在自体がバーチャルであり、絶対にファンの期待を裏切らないVチューバーは、最早神と呼んでも差し支えない神であろう。
…しかし、「OTAKUカルチャーの究極進化系」と思われたVチューバーであっても、ファンからの誹謗中傷を一身に受ければ精神に支障を来す事に違いは無かった。
私の中で「Vチューバー=アニメキャラ」であり、例えば映画「ドラゴンボールZ 神と神」の中で、破壊神ビルスを前にしたベジータが愛する妻ブルマと地球の平和を守る為、苦肉の策として「楽しいビンゴ」を歌い踊るという衝撃的なシーンが有った。
また、アニメ版第6話「破壊神を怒らせるな!ドキドキ誕生パーティー」では、映画版とは若干趣が異なり、ブルマの誕生パーティーに現れたビルスに対し、ベジータは、巨大ダコをエネルギー砲で倒し、自らがねじり鉢巻きでたこ焼きを焼きまくる。
「タコタコタコタコタコタコタコタコタコタコタコタコタコォーッ!」と、北斗神拳を超える連打でたこ焼きを焼き、「たこ焼き、ピラミッド盛りです」(シュタッ)とビルスに供するベジータ。
誇り高き戦闘民族、サイヤ人の王子として宇宙を震撼させたベジータ様ともあろうモノが、何たる無様な姿か…。
そして、「この戦い、最後まで必ず見届ける」と腕を組み、厳しい表情のベジータは何故かおしゃぶりをくわえている。
ベジータと私
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12067720641.html
そんなイメージ崩壊のベジータ様を前に、原作からのベジータファンであるこの私かとぅも些かショックを隠せなかったが、それでも原作者の鳥山雄二や、声優を務める堀川りょうに対する悪意など微塵も無いし、増して”ベジータ芸人”であるR藤本に対して、誹謗中傷を行う等以ての外である。
しかし今回、Vチューバー「アクシア・クローネ」に対しては、彼が無期限活動休止発表を余儀無くされる程の誹謗中傷が届いたと言う。
そもそもVチューバー「アクシア・クローネ」とは、一体誰なのだろうか?
「にじさんじ」のHPにあるアクシア・クローネのプロフィールを拝見した。
皇子の様な可愛らしいルックスに併せた黒いタイトスーツは、コードギアスのルルーシュの幼少期版を思い起こさせるモノ。
同時にいきなり”機動歩兵部隊「スローンズ」のパイロット。稼いだ金は貧しい人のために使っていて、常に金欠”とあり、機動歩兵部隊「スローンズ」が何なのかも、何で稼いでいるのかも不明だ。
他にも多数のVチューバーを抱える「にじさんじ」だが、恐らく個人で活動していた人気Vチューバーを、単に十把一絡げにしただけで同一世界線の話では無いと思われる。
試しに錦鯉・渡辺の推しである「月ノ美兎」のプロフィールを調べてみると、まだ普通の高校生アニメで出て来る様なキャラが出てきて、「高校2年生。性格はツンデレだが根は真面目な学級委員。本人は頑張っているが少し空回り気味で、よく発言した後で言いすぎたかもと落ち込んだりする」とある。
いや、知らんがな!
機動歩兵部隊「スローンズ」のパイロットである「アクシア・クローネ」も、性格はツンデレだが根は真面目な学級委員である「月ノ美兎」も何が何やらではある。
食事をしようとレストランに入ったら、メニューにゲームソフトと電動ドリルが載っているかの違和感だ。
「アクシア・クローネ」と「月ノ美兎」には、Vチューバーと言う配信スタイル以外に、事務所「にじさんじ」としての、一切の一貫性も、接点も、類似点も見い出せない。
逆に其処には「にじさんじ」と言うフードコートだけが存在しており、Vチューバーの店舗がタイ・バンコクのパッポンストリートの様に有象無象、雑多に立ち並ぶ。
訪れたユーザーはその中から好きなVチューバーを好きに消費して良いと言うフレキシブルさが新鮮に感じた。
コレが多様性と言うヤツなのか…。
スマブラみたいで面白くは有るがな!
そんな清濁併せ呑むVチューバーだが、今回アクシア・クローネが無期限活動休止発表した理由がまた良い。
「かわいいっていうのやめてくれ、母親ヅラをしないでくれってたびたび口にしてきた」
「誰かとコラボすれば“うちのアクシアをお願いします”って。そういうことがあるたびに、母親ヅラしないでくれって注意してきたけど“アクシアは反抗期なんだね、私がいないとダメなんだから”って。俺の何なんだよ、俺に指図しないでくれ」
「俺に対して彼女ヅラして変な夢を見ないでほしい」
…コ、コレは。
中々に辛い状況にある事は間違いが無さそうであるが、これこそが機動歩兵部隊「スローンズ」のパイロットである「アクシア・クローネ」として許し難い誹謗中傷なのだろう。
要するに「母さん、何時までも俺の事子供扱いすんなって!」やら、「俺だってちゃんと考えてやってるんだから、一々指図しないでくれ」やら、「仕事先まで着いて来て“うちのアクシアをお願いします”とか、いい加減恥ずかしいんだよ!」と、ボクは大人の男なんだと言う自立と、機動歩兵部隊「スローンズ」のパイロットとしての自律を感じるのだ。
「機動歩兵部隊「スローンズ」のパイロットとして、一人前の活躍をしているのに、子供扱いすんなよっ!ボクが一番機動歩兵をうまく使えるんだ!子供扱いするなら、Vチューバー配信なんて二度としてやるモノか!」…で言う事であろう。
「俺はただゲーム実況をしている配信者」と書かれてはいるモノの、あくまでも配信者個人の不満では無く、”成長期を迎えたアクシア・クローネ”というキャラクターに徹した無期限活動休止発表なのが素晴らしい。
アクシア・クローネは今後、機動歩兵部隊「スローンズ」のパイロットとして、更に活躍する事であろう。
その為に今、貴女の元を巣立つのだ。
そして、一念勃起戦艦「ビッグマグナム・ポチョムキン・コンボイ」号の艦長として、淫魔界帝国「ヤールノフスキー」大帝王かとぅを打ち滅ぼすべく、”サムライオチンチンボーイ48”、”イヌメンコ集団オスメスハーフ”、”ドリー・ムスカ・ムトゥルー”と共に、伝説のオーブをその手に掲げるッ!
その闘いを通じ、大きく成長した「アクシア・クローネ」は、更に大きなモノを手にして貴女の元へ帰って来る様な気がするし、帰って来ない気もする。
かとぅ