飲食バイト必修科目 vs クリームパン訪問販売 | katoo the world

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お笑いコンビ・ウエストランドの井口浩之が、YouTubeチャンネル『新R25チャンネル』に出演。「必修科目にすべき」と思うアルバイトについて語った。

コンビニエンスストア、もつ鍋屋などで働いてきた井口は「飲食バイトを必修科目にすべき」と提案。「働くことで(店員の)気持ちが分かるじゃないですか。あれをやらないから、変なやつがいっぱいいる」と説明する。

「嫌いな異性のタイプ第1位って店員さんに態度がでかい人じゃないですか。なのにいっぱい来る」「やっぱ忘れられない、あいつらの嫌さ。オススメ聞いて違うの頼んできたりとか」と最後まで愚痴が止まらなかった。

マサチューセッツ工科大学時代、御多分に漏れず私も飲食店バイトに精を出していた苦学生であり、また同時にバイトスタッフの女性にも精を出していた若かりしヤングかとぅであった。

同じ店舗内で二股を掛けていた事もあり、私とその女性2名の3名シフトで店舗を回した際は気が気では無かった。

二人とも初の彼氏と言う事もあり、バイト中にも関わらず何だかんだと接触してくるので、「スマナイ、仕事中は些かストイックな私だ。私語は止めて頂きたいッ…」と、個別に呼び出してはピシャリと言ってやったので、事無きを得たと確信していた。

しかしながら実の所、その時点でこの女性2名は互いに私と付き合っている事実を共有しており、「何方がかとぅさんに相応しいか、正々堂々勝負よ!」と言う「気まぐれオレンジロード」か「牡丹と薔薇」かの展開に背筋が凍る想いであった。

正直、本命彼女は他におり、何方も差して関心など無かったし、今や彼女らとの顛末やその名前すら思い出せない。

深夜に帰宅した際、女性の一人が私のアパート前に立っており、恐怖の余り自宅を素通りして逃げた記憶はある。

女性が何時から私を待っていたのかを考えると、叫ばずにいられない恐怖に取り込まれるが、兎も角今は少しでも遠くに逃げるしかない…、と闇夜にバイクを走らせる私であった。

まあ、そんな気の触れた女などはどうでも良いとして、その飲食店に関しては、とある紳士を思い起こさずにはいられない。

その方は必ず早朝5:00に食事をとりに来店されていた常連客である。

70歳前後だろうか?
何時も作業着で来店され、恐らく配送ドライバーだと思われる。

毎朝、同じメニューを注文されるのだが、丁寧にスタッフを呼び、ハッキリと注文されると言う、老いて尚、紳士然とした素敵な男性であった。

スタッフ間でも「あのお客様、カッコイイよね」などと話が出る程で、精神的貴族たる黄金の精神を、私は彼に見たのだ。

そんな彼だが、急に来店されなくなった。
毎日の様にいらっしゃっていたお客様であったので、深夜勤スタッフ皆が気に掛けていた。

しかし、連絡の着け様も無いし、着いた所で単に別の店を利用されているだけかも知れない。

当然ながら、我々飲食店側には「どうして来店されないのですか!?皆心配してます!」などと言う権利は無い。
店を選択するのはお客様の自由である。

だから、我々は諦めて、その常連さんを忘れる事にしたのだが、私には分かっていた。
彼は亡くなったのだ。

彼が来店しなくなり、時が流れたある日の早朝5:00、人の気配にエントランスを見ると、誰もいない。

紳士である彼が律儀にも御礼を言いに来店したのでは無いかと直感した私は、誰もいないエントランスに深々と礼をした。

防犯カメラに映った私は、さぞや滑稽な事だろうと思ったが、霊には礼で応えねばなるまい。

「御利用、有難うございました…」

しかし、後日聞いた話ではこの常連男性、深夜勤たる私が上がった後、朝9:00に変わらず来店されていた。

単に運送のシフトが変わっただけであった。

おっきゃん vs 早朝5:00来店紳士
https://ameblo.jp/katoo-the-world/entry-12374054601.html

さて今回、お笑いコンビ・ウエストランドの井口浩之が、自身のアルバイト経験から「飲食バイトを必修科目にすべき」と提案した。

動画を拝見したのだが、客に対する不平不満を爆発させる毒舌芸人としての井口に併せて、人生経験としての飲食バイトに対する並々ならぬ想いが溢れており、実に見応えのある動画であった。

仕事に対して些かストイック過ぎる井口は、バイトメンバーから頼られつつも、上層部から目を付けられてクビになる事も屡々だったとの事。

それでも飲食バイトでの経験が、「お笑いに於ける芸風」を作り上げるに当たり非常に重要な要素だったと告白する。

特に学校や部活では作れない新しいコミュニティーとして、有象無象の来客があり男女複数名が働く飲食バイトは、報酬以上の社会勉強になると力説。

何なら、今でも飲食バイトしたいとまで言い切る井口が実に格好良いのだ。

それ自体は良いのだが、動画を拝見していて私にはどうしても気になる事が有る。

YouTubeチャンネル『新R25チャンネル』内の「未来をつくるバイトのハナシ」というコーナーなのだが、コレが何と「マイナビバイト」提供の番組なのだ。

R25は元々、リクルートが発行する25歳以上のビジネスパーソン向けフリーペーパーで、スマートモテリーマン講座がブレイクし、発刊当時には私も愛読していた。

なので、バイトを語るのであれば、リクルートの求人誌「タウンワーク」提供になる筈だし、まして競合であるマイナビバイトの提供を受ける訳も無い。

どうにも妙なメディアミックスを前に調べてみると、何とリクルート刊行の「R25」は2017年にサービスを終了しており、同年ソレを引き継ぐ形でサイバーエージェントが「新R25」を立ち上げたと言う。

なるほど、その顛末でのマイナビバイトコラボか…。
それにしても2017年の事業転換とは、全く存じ上げなかった。

諸行無常。

世の全てのモノは、移り変わり、また生まれては消滅する運命を繰り返し、永遠に変わらないモノは無い。

しかし、昭和~平成を牽引したリクルートが、目に見えて凋落する昨今に、暫し打ちのめされるかの想いだ。

再起を果たす為に須らく我々は、再度「飲食バイトを必修科目にすべき」である。

個々のサービスレベルを上げ、スタッフとコミュニケーションを取り、お客様の満足を提供する為に、日々研鑽する。

其処にはお客様からのダイレクトなリアクションが有り、喜びも怒りも哀しみも楽しみもが、ライブ感を伴って存在する。

机上の空論では無い、痛みを伴うリアルが、現代日本には欠けているのでは無かろうか?

先程、突然我がオフィスであるホワイトハウスに女性の訪問販売が来た。

「クリームパンの訪問販売です」

受付からの内線電話を前に、一瞬意味が分からず暫し唖然としてしまったが、再度聞いても「クリームパンの訪問販売」との事だ。

コピー機や保険営業なら未だしもクリームパンだし、この現代に於いて団地前や駅前なら未だしも、オフィスビルを一軒一軒回る営業力に感服する。

1個350円と些か高級なクリームパンではあったが、思わずスタッフ分購入してしまった。

営業の原点を思い起こさせて頂いた感謝もあるが、それ以上に「購入しなければ頑として動かない」と言う、女性販売員の純粋が故の恐怖をも感じたのだ。

スタッフに聞くと味は美味しかったとの事で良かったが、販売元情報をネット検索すると、「詐欺」、「ぼったくり」、「怪しい」と言うワードが並ぶ。

まあ、私は食べなかったので難は逃れたが、素性の知れない方からの飲食物購入は、今後控える事とする。

私とした事が、些か不用心であった。
あいすみません。

かとぅ