廃墟の女性遺体 vs かとぅ決死の脱出 | katoo the world

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富山県高岡市の港町・伏木地区にある廃墟で、なにかに腰掛け、前かがみになった状態の遺体が見つかった。
警察によると、遺体は女性とみられ、上半身は裸でジーンズを身につけていたということ。

遺体が見つかったのは、富山県高岡市伏木国分にある、使われなくなった企業の保養施設で、廃墟となっている建物のなか。
6日午前0時半ごろ、この廃墟を訪れた20代男性が、建物の中に置いてあった物に腰掛け前かがみになっている遺体を発見。
知人に相談し、警察に通報した。

色々と謎なニュースではあるが、要するに肝試しで深夜の廃墟に侵入したら、本物の女性の遺体を発見したと言う事だろうか。

そうだとしたら考え得る最高の肝試しな訳で、コレは相当な僥倖と言えよう。
男性は女性の遺体を発見した際、恐らく動画を撮影していたと思われるので、その最高の瞬間を是非拝見したいモノだ。

ただ、私は肝試しと言うモノが苦手だ。

何もお化けや心霊が怖いとか、祟りが有るとか言うモノでは無く、真に恐ろしい経験をしたからに他ならない。

最早時効とも言える昔の話ではあるが、若かりしヤングかとぅは知人とつるみ、深夜に関東のある山中をドライブしていた。

観光スポットとして名高い山だが、同時に霊山として様々に曰くの有る山であり、特に天狗伝説が著名である。

そんな山中に良からぬ宗教施設が有るとの噂を聞き付け、悪戯心で捜索に潜入したのだった。

先ず山の中腹迄、車で登る。
深夜なので対向車も無く、丸で深海を進むサメの様に音も無く進んだ。

ふと視界が開けると駐車場がある。
駐車場からは階段が伸びているのだが、上が見えない程に長い。

深夜の駐車場には勿論、1台も車など駐車されてはいないのだが、管理の行き届いた駐車場に違和感を感じる。

何故こんな山中に、此れだけの広さの駐車場があるのか?
一気に此れだけの人々が集まるのは何故か?

駐車場の端に車を止め、これまた謎に豪華な造りの階段を上る。
階段には中華風の装飾が施されており、コレが例の宗教施設に繋がっていると確信せざるを得ない。

階段を上り、踊り場に出た所で異変に気付く。

「ココカラサキ、イノチノホショウナシ」

何故かカクカクしたカタカナで書かれる警告文があり、監視カメラが作動している。

まあ、悪戯防止の対策だろうと、何の気無しに階段を上り続ける事5分程度。

「パパーッ!パーッ!」

階下からクラクションの音が聞こえる。
我々の様な悪戯者がやって来たのだろうか?

「ヤバい…」

「ヤバくね?」

「マジか…」

思わず口々に不安を出してしまうと、一気に恐怖が爆発する。

「戻るぞ…!」

出来るだけ早く下りたいのだが、階段なのでそう言う訳にも行かない。

この施設の誰かが異変を感じ取り、警告にやって来たのかも知れないが、ソレでもこんな深夜にして異様に速い対応だ。

常時警備の者がいるのかも知れないが、其処までして侵入者を排除しなければならないと言うのも不可解ではある。

何れにせよ、我々は階段を上っただけで施設にはまだ侵入していないし、法に触れるかの悪事は働いてはいない筈。

拘束される様な謂れなど無い。

そう思いながら、駐車場が見える踊り場まで来て、我々は絶望した。

右翼でよく見る漆黒の装甲街宣バスが、我々の車に横付けされている。

何故、右翼バスが、深夜の山奥に?

宗教なのか?右翼なのか?

此奴らも宗教施設に肝試しか?

そんな想いがグルグルと脳裏を駆け巡る。

我々は申し合わせたかに、右翼バスを一瞥する事も無く、音を立てず、何事も無かったかの体で車に乗車した。

拉致される様な事は無かったし、車も危害が加えられているような状態では無かった。

エンジンをかけ、ゆっくりと駐車場を離れる。

その瞬間…。

「パパーッ!パーッ!」

いきなり物凄い勢いで右翼バスがクラクションを鳴らし、ヘッドライトを点灯させて動き出した。

「ヤバイヤバイヤバイヤバイ」

どこまでも闇深い道を下る。

一本道の為、途中で待ち伏せでもされていたらアウトだ。
釘でもばら撒かれていたら、ソレはソレで詰む。

右翼バスが追いかけてくる気配は無いが、装甲で固められたバスに突っ込まれたら一溜りも無いだろう。

一般道に出た瞬間、私は冗談で無く「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」でデス・スターから脱出したミレニアム・ファルコン号のランド・カルリジアンかの歓喜の声を挙げた。

そして同時に、現代日本に於いても、触れてはならない禁忌が有る事を知り、以後この様な悪戯は控えている。

コワイなコワイなぁ、何だか、イヤだなぁ。

かとぅ