プロカメラマン vs 変態事変 | katoo the world

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小中学校の入学式を撮影するカメラマンをXで募集したとして、映像制作やスチール撮影を請け負う会社の代表取締役の投稿が問題になっている。子供を持つ親からは不安や懸念の声が上がり、当該の投稿は削除された。

「カメラマン大大大募集です 現在3名しか決まっておらず、あと100名くらい来ても大丈夫です。」とし、「小・中学校入学式の写真撮影案件」としてカメラマンを募集。「許可は学校側にも取って正式に行うものになります」とした上で、必要な経験として「一眼レフで人を撮った事がある方」を募集し、報酬は3万5000円としていた。

賢明なる我がブログ読者諸氏に至っては既に御存じの事であろうが、世界の大統領なる要職に就く以前は、私はトーキョーにて広告代理店のカリスマプロデューサーとしてその辣腕を振るっていた。

その際、複数のカメラマンと仕事をしていたのだが、カメラマンとは本当に大変な仕事だと実感した。

高名な写真家で無い限りは、仕事の選択権が余りに無く、昼夜土日も関係無く、案件が有れば、大量の機材と共に現場まで馳せ参じなければならない。

取材がメインの案件であれば、1時間取材でスチール撮影は10分足らずで終わらせなければならないし、カット割りはディレクターが決めるケースも多く、カメラマンの自由はほぼ無い。

何より、現場でのカメラマンの扱いが雑で、待ち合わせ場所もろくに共有されていなかったりする。
それでも現場の空気を壊さない為に、文句一つ言わず、寡黙にシャッターを切り続けるのだ。

幸いにも私はカメラが趣味だったし、写真の力を実感していたのでその様な事は無かったが、労働環境を含めてカメラマンに対する待遇は再検討頂きたい次第だ。

さてそんなカメラマンだが、春の卒業~入学シーズンで人が足りない様だ。

制作会社がXにて素人カメラマンを募集したと言うが、素人カメラマンの報酬として、1日拘束3万5000円は破格な条件だ。

カメラ撮影で報酬が得られると言うのも、”趣味:カメラ”程度の方々からすれば、夢の様な話だろう。

しかし、此れが問題となっていると言う。

大切な卒業式、入学式の撮影を素人カメラマンに任せてしまって良いのか?

「この顔が~♪一生残る♪」はフォトスタジオタートルのCMだが、確かにスチール撮影に於いて、プロとアマの品質は全く異なる。

とは言え、この時期は腕の良いカメラマンはプロダクションに押さえられてしまっている訳で、素人カメラマンの起用も止む無しだろう。

…などと思っていたが、問題点は全く予想だにしないモノであった。

「意外!それは変態ッ!」

何でも「幼児を撮影したい変態が押し寄せ、様々な写真を撮られる。我が子の写真が性的な目に晒される」という”変態事変”を警戒した、子供を持つ親からの不安や懸念の声が上がったとの事だ。

いや、スマナイ。

私はカメラマンと言う”職業”をリスペクトしているし、プロカメラマンの高い精神性を垣間見て来たので、今回の問題がまさか”変態”とは思いもしなかった。

ただ、世間一般的に言えば、カメラ小僧や撮り鉄と言うのは、確かに気味の悪い集団に見られるのも事実。

親御さんからすれば、大切な我が子がその様な気味の悪い集団に晒されるリスクを心配するのは、無理も無い事だ。

かつて一緒に仕事をしていたカメラマンが大きな仕事を受けた際、私は彼に「自分の憧れの人を撮影する場合、どうしてる?」と質問した。

彼は即答にて「出来る限り距離を取ります」と答えた訳で、いやはやその仕事観に感服仕った次第だ。

カメラマンは被写体のプライバシーを扱う仕事。
被写体をより良く撮影する技術に併せて、高いマナーやコンプライアンス意識も必要である。

その意味で今回、素人カメラマンを募集したプロダクションの意識は低いと言わざるを得ない。

「幼児を撮影し放題で日当3万5000円!?イグイグ~」などと言う幼児性愛者が群がる事態にもなり兼ねないし、何より性的な目で撮影した写真は直ぐに分かる。

プロカメラマンをナメて貰っては困る。

かとぅ