今夏より埼玉、福岡、名古屋、大阪、横浜にて上演予定のアリーナショー“ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー”に「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」より、ビアンカとフローラが登場することが発表された。
ビアンカとフローラは、1992年に発売された「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」に、ヒロインとして登場する人気キャラクター。
主人公と幼い頃旅を共にしたビアンカと、青年期に交流を持つ深窓の令嬢フローラ、という対照的な二人。
ゲーム中盤において、どちらか一方をパートナーに選ばなければならないという重要な場面があるが、発売から20年以上経過した今でも、「どちらを選ぶべきか」という熱い議論が交わされるほど、人気の高いキャラクターである。
ミュージカルでのビアンカ役は富田麻帆が、フローラ役は杉本朝陽がキャスティングされている。
またか…。
またしても、30年に渡り勇者として大魔王と闘い続けるこの私を、惑わせるのか?
「ビアンカ vs フローラ論」はフローラで決着が着いていたのでは無かったか?
頼む。
もう、迷わせないでくれ。
「世界の半分をお前にやろう」と言われても、微動だにしなかった我が心も、ビアンカとフローラを前にすると、どうにも落ち着かず、ザワつきを押さえられない。
ちなみにリアルタイムにプレイしたドラゴンクエストVでは、1日中悶絶した末に、初回ではフローラを選択。
旅を続ける中で、故郷である山奥の村に戻り、病床の父を看護しながら独り健気に生きるビアンカに再会し、その選択が間違いだった事に気付く。
考えてみればそうだ。
フローラは豪商ルドマンの娘であり、何不自由無く暮らしている上に、フローラを一途に想うアンディなる若者もいる。
それに引き換え、ビアンカに頼れるのは、幼馴染である私しかいないのだ!
…と、確信するも時は戻る事無く、私は立ち尽くすのだ。
だがしかし!
私クラスの勇者となると違うのだよ!
結婚前夜に別途セーブデータを取っており、ビアンカルートも存分に楽しんでヤルのだ、ククク…。
フローラ、そしてその子供達と世界を救った感慨に耽る事も無く、その足で意気揚々とビアンカルートを選択し、もう一人の嫁との旅に出る私。
だがしかし、そこに有ったのはホクホクの新婚生活では無く、フローラを選択しなかった事に対する自責の念のみであった事に、私自身が驚く。
そう。
これを「究極の選択」と言わずして何と言おうか!
そして、ビアンカとフローラは、夢や希望に満ち、全てが手に入ると思っていた幼き私に、「何かを得る事は、同時に何かを失う事」を教示してくれた女性(ひと)なのだ。
ビアンカとフローラにより大人になった我々勇者は、その事実を受け入れられないまま、30年にも渡る冒険の旅を彷徨い続けている。
藁にも縋る想いで今回のミュージカルでのビアンカ役である富田麻帆とフローラ役である杉本朝陽を調べてみた。
ゲームでのイメージとは違うが、コレはコレで良いモノだ。
今回のミュージカルは観客参加型だと聞くので、我々はまたしても、この二人からどちらかを選ばねばならないのだろう。
ゲームの世界であった「究極の選択」が、今や現実のモノとなってしまった。
「究極の選択」の上を行く究極を前に、我々は如何なる決断を下すのだろうか?
その答えは今夏上演されるアリーナショー“ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー”にて明らかになる。
かとぅ