Facebookや、Appleのデータ共有サービスiCloudに不正アクセスし、女優の長澤まさみや武井咲らの個人情報をのぞき見したとして、警視庁は29歳の男性を不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕した。
容疑は芸能人や一般女性の計4人のFacebookに不正にログインしたほか、芸能人5人のiCloudに計236回不正にアクセスしたというもの。
容疑者はIDやパスワードを推測して入力を繰り返し、接続に成功したアカウント情報で不正なログインをしていた可能性があるという。
容疑者のパソコンには、約1000件のID情報のほか、芸能人本人しか見られない約25万7000枚のプライベートの写真などが保存されていたと言う。
また容疑者は画像のほか電話帳なども「のぞき見」していたとされる。
調べに対し「ハッカーに憧れていた。他人のアカウントを攻略する達成感を味わいたかった」などと供述しているという。
このニュースを拝見し、先ずこの容疑者は、どの様に不正ログインを果たしたのか疑問に思った。
しかし、警視庁サイバー捜査課の調書を拝見し、私は溜息をついた。
容疑者はIDやパスワードを推測して入力を繰り返していたと言う。
にわかには信じ難いが、組み合わせによっては天文学的な数ともなるIDやパスワードに、容疑者は自身の「推測」を以って挑んだのだ。
コレは凄い。
容疑者の行為から、私はある男を思い出していた。
「一晩でやってくれました 」でお馴染みの、漫画デスノートの登場人物、ジェバンニである。
説明しよう。
ジェバンニが一晩で何をしたかというと、魅上照の持っていたデスノートの内容を書き写しただけでなく、筆跡やページを破いた跡、消耗具合まで本物と見分けがつかない程精巧に複製してみせた。
現実的に考えて常人がたった一晩で出来る作業量では無いし、ましてや漫画の世界だ。
事の真偽を検証した所で、どうと言う事も無い。
しかしながら、今回逮捕されたこの容疑者は「ジェバンニが一晩でやってくれました 」を実践した、凄まじい男なのではなかろうか。
勿論、実践した結果、芸能人のプライベート写真を収集し、不正アクセス禁止法違反の疑いで逮捕された訳で、とても褒められたモノでは無いが、高い課題に取り組む姿勢、絶対に諦めない熱意、25万7000枚のプライベート写真を保存する情報収集力と、この能力は「日本のジェバンニ」とも言える、誉れ高きモノである。
いや、ジェバンニは漫画の登場人物なので、実在するこの男こそが、ジェバンニを名乗るのに相応しい。
罪を償うならば、私がお前を受け容れよう。
私が神だ。
かとぅ