アリストテレスは、
人を「社会的動物」と表します。
それは現代においても普遍的であり、
70年代に書かれた社会心理学の名著
『ザ・ソーシャル・アニマル』も
アリストテレスの言葉を引用します。
人間の社会性は、
有史以来もそれ以前も
恐らく変わらないのでしょう。
社会性が
壊滅的に無いと自認する私ですが、
それでも社会の構成要因である事は
変わらないですからね。
そして、
人が社会と接点を持とうとする時、
「平均」という概念が
目の前に立ち塞がります。
平均点より上か下か。
平均年収より上か下か。
平均身長より上か下か。
など社会の構成要素としての
自分を含めた誰かを評価する時、
この「平均」を
意識的に、時には無意識に使います。
そんな「平均」に関する
有名なエピソードですが、
米軍が戦闘機のコックピットの仕様を
作り出す為に
多くの米兵パイロットの
身長や手足の長さなどを測り、
「平均値」を算出して
コックピットを作った所、
むしろ事故が多くなった
という事がありました。
一人の研究員が
ふと根本的な事に気付き、
その算出された平均値に合う
米兵を探した所、
そんな米兵は居なかった・・・
というものがあります。
平均である事は、
最多である事と同義と
捉えがちですが、
実は「平均」というゴーストを
私たちは生み出しているのであって、
その平均に実在性は薄かったりします。
それでも、
そのゴーストが私たちの社会に入り込み、
真夏のオバケ以上に
人々を恐怖に陥れます。
存在しようとしまいと、
平均値以上を
様々な分野で求められますからね。
統計学をやっていれば
「平均」ではなく
「最頻値」こそが
重要な事に気が付きますが、
一般的には「平均」というゴーストが
多用されます。
評価基準としてよく用いられる「平均」、
社会制度、商品開発、サービス開発の
基準として重視される「平均」、
その平均に合致しない人間は
必然的に不利益を被る事になります。
この「平均」のトリックを
滑稽に表現した作品に
『PSYCHO-PASS』があるでしょう。
2012年のアニメ作品で
その後も続編、劇場版と制作された
ヒット作ですが、
近未来の東京を舞台に
「人々の精神が数値化」
される社会となり、
潜在的な犯罪者を排除する事で
安定している社会を描いています。
つまり、
社会の安定基準となる
精神数値の平均から外れれば
犯罪者予備軍として
排除される社会であり、
求められるのは
平均的である事となります。
本作の主人公たちがそれを守る側であり、
シーズンを通した主役級の敵役に
犯罪を含めた
「当たり前の事が当たり前に出来る社会」
の健全性を説かれるという皮肉も、
平均の不健全性を
見事に表していると思います。
社会が健全に、
安定的になる過程において、
平均的凡庸性が求められるのは、
刀を振れない武士が増えた
江戸時代の長きに渡る安定と
中期における凡庸さも一例と言えますし、
仕方のない事ですが、
社会性に欠ける私としては、
平均的であること、
平均以上である事を求められるのも
疲れますので、
街で美食は楽しみつつも、
エアコン引き籠りで
『信長の野望』やら投資やらの
ゲームを楽しみ、
なるべく社会に属さず生きています(笑)
「偏差値30の東大生」
お金や将来への不安から自由になる、投資をギャンブルにはしない、資産運用としての投資メソッド講座
①初心者でも分かりやすい投資術
②専門知識不要のシンプルメソッド
③運用実績の高い投資メソッド
詳しくはこちらの記事をご覧ください