黄色い丘とヤギのコーヒー
友人のすすめで、黄色い丘、という変な名前のイベントに行ってみました。
場所は、伊予市の佐礼谷地区。
国道56号線を南に、約30分、犬寄峠にさしかかって、2つ目のトンネルを出たら、すぐ左に曲がる。
友人から、そう聞いていたので、迷わず左折。5分もしないうちに、路肩に停めた車がいくつもあるので、大きなカーブでスペースのある所に、車を置きました。
しかし、どこがそのイベントの会場なのか、そこからはいっこうに見えません。
おりよく、そこに車を停めていた方が戻ってきたので、会場を尋ねると、その道なりに、5~6分も歩けば、真っ黄色いのが見えてきますから、と。
道に沿って、カーブを曲がると、すぐにこの菜の花畑が目に入りました。
なるほど、これが「黄色い丘」か。
喜んで、写真を撮って、この土手の上にあがると、土手の下の道を大勢の人と車が奥へ奥へと進んでいます。
下の道に下りて、人について行くと、「黄色い丘」⇒ という黄色い看板があります。
では、さっきのは「黄色い丘」ではなかったのか。
これが「黄色い丘」の手前の土手
おやおや、これは期待が持てそう。
さっきの土手を上がって、その向こうに広がる景色です。
丘全体が、菜の花で真っ黄色です。
こっちの丘から、谷をへだてて向こうの丘まで、全部、黄色です。
谷の中に樹木がいくつか立っていますが、ミカンの樹です。
おそらくここは、ミカン園としては、傾斜がきつく、谷で日当たりが悪くて、もう利用されていない廃園なのではないでしょうか。
いまは地域起こしのイベントに、形を代えて貢献しています。
「黄色い丘」は、黄色尽くしで、ミモザも菜の花畑の周りに植えられて、こちらも満開です。
これは、椿寒桜でしょう。
松山では、もう散りはじめていますが、佐礼谷は寒い所なので、まだ3分咲き、これから1週間後が見ごろでしょう。
人寄せ用に、あちこちで菜の花を植えていますが、だだっ広い平地に、遠くまで、菜の花があるよりも、こうやって、山あり谷ありのお花畑の方が、登り下りするたびに、違った景色が現れて、面白さが尽きません。
このイベント、地方紙やテレビの地方ニュースでは取り上げていたのでしょうが、まったく知りませんでした。
松山から、大洲や宇和島に行くバスで、近くまで行けるかもしれませんが、ほぼ、自家用車でしか行けないところです。
現地の人の話しでは、去年くらいから、うんとお客さんが増えてきた、と。
たくさんの車の中に、高知や香川ナンバーの車もまじっていました。
「黄色い丘」のすぐ下の駐車場は、いっぱいになっても、あたりの道は、幅が広くてゆったりしているので、どこにでも置けて、まだまだ余裕はありそうです。
こうやって、大勢が集まるイベントには、何かの屋台はつきもの。
コーヒー屋さん。
こういう風貌の男は、自分の趣味的世界に、こだわりが強いはず。
キッチンカーの横には、何故かヤギのケージ。
コーヒーに対する強いこだわりと、このヤギと何か関係があるのか?
子供たちが、そこらの雑草をちぎって、ヤギに食わせようとすると、勝手にエサをやらないでください、ときびしく注意。
どの草が毒になるか、ヤギも分からないで食べてしまうかもしれないからと。
このオーナーは、ヤギにもこだわりがるらしい。
紙袋と紙コップに、ヤギの絵が。
「春のコーヒー」という豆を淹れてくれましたが、確かに花のような、草っぽいような香りのする、やさしい風味のブレンドでした。
ブレンドも、淹れ方も見事です。
この方に、自営業者としてアドバイスするとしたら。
私も漢方屋として、いろんな丸薬や粉薬などを一当たり作ってみました。
どの処方も、作るとなると、それなりに、工夫すべきポイントがあって、そこが分からないと、出来あがりません。
しかし、いくつもの丸薬や粉薬を作ってみて、最後に分かったことは、「作るのは簡単。売るのが難しい。」という、あまりにも、当たり前すぎる、資本主義的な事実でした。
だから、売る方も、工夫を重ねてがんばってください。