【湘南国際レポ ~Finish】
35km地点を過ぎ、コースは再び大磯・西湘バイパスへと戻ってくる。
茅ケ崎あたりから向かい風と必死に戦いながらのラン。
その戦いは、バイパスに入ってより一層厳しいものとなる。
何しろ、見晴らしの良いバイパス道は、風を遮るものが何もない。
風が塊となって、前方から襲ってくる。
無論、逃げ場はない。
必死に、その塊を押し返す作業が続きます。
37km地点、前方に白いフィニッシュゲートが見えてくる。
待ち望んだフィニッシュ地点だが、しかし、我々はそこを通り過ぎなくてはならない。
反対側車線を二宮に向けて進み、折り返してくる。
往復5kmほどの道程。
それが、地獄のように感じられます。
反対側車線には、折り返してきて、まさにフィニッシュに向かおうとするランナーが次々とやって来る。
・・・うらやましい。
すぐにでも車線を飛び越え、そちらに向かいたい衝動を必死に抑え、前に進むのみ。
しかし、その道は強風に遮られている。
最終盤で疲労が溜まり、さらにフィニッシュを横目に精神的に追い詰められ、その上の向かい風。
多くのランナーが戦意を失い、よろよろと走っています。
とにかく、この苦行から少しでも早く脱しよう。
必死に腕を振り、できる限りの出力で走る。
強風の中、何とかキロ4分20秒台のペースを維持。
やがて見えてくる、折り返し地点。
きっとあそこまで行けば、この苦しい時間から逃れられるはず。
その願いは、まさに期待通りでした。
あれほど荒れ狂っていた風は、ウソのようにピタリと止む。
正確には止んだわけでなく、追い風になったわけですが、
とにかく体が一気に軽くなりました。
折り返し後、すぐに40km地点を通過。
通過ラップは44分36秒。
後々見返してみると、向かい風のわりにそれほどラップは落としていませんでした。
ここまでのタイムが、3時間01分弱。
のこり2km強をキロ4分で走れば、3時間ひとケタでフィニッシュできる?
今回は特に記録を狙っていたわけではありませんが、ここまで来たら10分を切りたい。
残り2kmでラストスパート。
40kmを走ってきて、流石に脚には疲労物質が溜まっている。
しかも向かい風との戦いで、心肺もいっぱいいっぱい。
それでも、もうガムシャラに大磯ロングビーチに向けて走りました。
やがて会場沿いの道に戻ってくる。
フェンスを挟んで、多くのギャラリー。
「ラスト!」
「ナイスラン!!」
そういった声が、フラフラの脚に力を与えてくれます。
バイパス道に別れを告げ、大磯ロングビーチへと向かう。
その入り口は、恒例の激坂。
しかし、残り500mを切っている。
心臓が飛び出しそうになりつつ、坂を一気に駆け上がる。
その先は、ロングビーチの駐車場。
真ん中に、白いフィニッシュゲートが見える。
最後の直線。
タイムはどうだろう?
しかし、もう気にしてはいられない。
全ては、あのゲートをくぐった後だ。
ケガ明けの、不安の中でのスタート。
中盤以降は、向かい風との闘い。
毎度毎度、一筋縄ではいかないレースばかりですが、
だからこそ、フィニッシュした後は充実できるのだと思います。
今回も、充実した42.195kmでした。
【記録】3時間09分38秒