ハセツネ2022 ⑤ | KaSoランブログ

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細く、長く、マラソンを続けていきたい。
大会に参加するのも好きで、今後のための備忘録ブログです。

【ハセツネレポ ~Finish】

 

月夜見駐車場に到着。

 

ここでは唯一の補給を受けられます。

頂けるのは水分1.5Lで、水かポカリを選択できます。

 

ただ、寒かったせいか、ここまで水分をあまり消費していません。

背中のハイドレ1.7Lが空になっただけで、ソフトフラスク3本分1.2Lは全くの手付かず。

ここから先、水場もあることを考えれば、水分を貰っても荷物になるだけかもしれません。

 

しかし、山では何があるか分からない。

貰えるものは、貰っておこう。

500mlペット3本、全て水を頂きました。

 

続けて、荷物の整理。

ブルーシートが敷いていますが、雨のせいでただの水溜まり。

腰を下ろして休もうという人は、誰もいませんでした(汗

 

貰ったペットボトルをハイドレに移し替える。

ジェルを前ポケットに移す。

 

そして、暗かった腰のブラックダイヤモンドの電池を交換。

すると、見違えるような明るさに。

使い古した充電池を入れていたのが悪かったようです。

ここからは頭と腰の、ライト2台体制で進みます。

 

 

 

 

さて、荷物整理で立ち止まっていると、どんどん体温が低くなっていく。

身体が、寒さで震えてくる。

 

「体が震えて、寒いよね~」

と、エイドスタッフさんの労いの言葉。

ご心配頂き、有難うございます。

 

疲れて休みたい気持ちもありますが、身体を温めたいし、

どちらにしろぬかるんで腰を落ち着ける場所なんてない。

 

さっさと次に進むのが得策です。

 

 

 

 

と言うことで、10分ほどの滞在後、そそくさとコース復帰。

しかし、月夜見からの初っ端の下りが凄い状況。

前を走るランナーさんの、滑った後がいたる所に。

どこに足を着いても、コケる予感しかない…。

 

案の定、何度もすっ転ぶ私。

終いには、転んで手を付いた先に、イガグリが。

むき出しの指に、棘が刺さる。

 

どこの、猿カニ合戦だ。

まさに踏んだり蹴ったりです(涙

 

 

 

 

へっぴり腰で月夜見の下りを降りる。

続けて、御前山への登りに取り掛かります。

 

第2関門を過ぎてからの、登り返し。

疲労が溜まっている後半。

人によっては最高地点の三頭山よりもキツイとの評です。

 

実際に多くのランナーが下を向き、とぼとぼと登っている。

雨は降り続け、足元はドロドロ。

ウンザリするような急登を、カメの歩みで進めていく。

 

上を見上げると、先行するランナーのライト光が、遥か上方に見える。

まだ、あそこまで登らないといけないのか…。

 

ゾンビ状態で登り続けること数十分。

やがて、明るい誘導灯とスタッフさんの声が聞こえてくる。

23:29、やっと御前山山頂にたどり着きました。

 

 

 

一休みする間もなく、下りへ突入。

御前山の山頂近くは、登りも下りも木段です。

個人的に木段は苦手なのですが、今回ばかりはドロドロのトレイルよりマシです。

 

御前山からは大ダワまで下り。

本来なら気持ちの良いトレイルの下り。

しかし、この日は泥で滑りまくり。

折角の下りなのに、全く走ることができません。

走れないと、体が冷えてくる。

何一つとして、プラスになるような状況は無く、ただひたすらに追い込まれていきます。

 

時刻は0時を過ぎ、日付を跨ぐ。

奥さんは、家で寝ているだろうか?

こんな深夜に、俺は一体、何をやっているんだ…。

 

自分自身の悲惨な状況に、もう笑うしかありません。

 

 

 

 

そんな精神状況の中、なんとか大ダワに到着。

時刻は0:21。

トイレに立ち寄った後、最後の山場となる大岳山に向かう。

 

大岳山までは距離4kmで100m程の登りですが、

後半になって疲れがピークの中、御前山をやっとの思いで越えた所での登り返しは、心底ツライ。

前を行くランナーに付いて、黙々と登る。

 

しかし、大岳山の登りは更に厳しく、登山道は鎖場へ。

必死に脚を踏ん張り、岩を乗り越える。

 

もうすぐ山頂か?という所で、腕のガーミンから聞きなれない音がする。

見てみると、画面がブラックアウト。

12時間ちょっとで、ついにガーミンの電池が切れました。

 

ここから先は、距離も時間も分からない。

が、もはやそんなものはどうでもいい。

とにかくフィニッシュに向けて、進んでいくしかない。

 

そして、ついに大岳山山頂に到着。

 

まだこの先、日の出山などもありますが、大きな登りは無く基本下りです。

 

但し、水溜まりだらけの下り道。

 

更には、濡れてツルツルになったガレ場。

走ろうにも、走る気力が湧かない。

 

 

 

 

 

しかし、大岳山の下り切ると、道は広く、緩やかに変化。

とぼとぼと下っていた体に鞭を入れ駆け出すと、まだ走れる。

前後にランナーの姿は見えず、とても心細い状況ですが、暗闇の中を一人快走します。

 

そして、そのままの勢いで第3関門御岳山を通過。

【第3関門通過】13時間03分05秒

 

 

 

 

関門通過後、道は整備されて走りやすい。

泥で滑って走れなかった分、ここで鬱憤を晴らします。

 

前を行くランナーを、一人また一人と追い抜きつつ、

ついに日の出山への登りへ。

登りと言っても、ここまでの道程を思えば、たいした登りではありません。

 

最後の階段を登り、ついに日の出山に到着。

晴れていれば美しい夜景が見えるところですが、今日は夜景の「や」の字も無い。

滞在していても全くの無意味なので、そそくさと下りへ向かいます。

 

 

 

 

 

麻生山を越え、金毘羅尾根へ。

ここらあたりは緩やかに下ったり上ったりで、走りやすい。

降り続ける雨水が溜まり、沼と化した登山道ですが、

フィニッシュが近づいていることを思えば、もはや気にするほども無い。

構わず水中に足を突っ込み、勢いで超えていきます。

 

 

 

 

 

走り続け、残り2km地点。

誘導を左へ。

 

「あと1km」の看板。

ついにここまで来た。

 

やがて、山道を終え、アスファルトのロードへ出る。

足裏から伝わる、久しぶりの感触。

残る力を全て出し切り、爆走。

 

そして、見えてきたハセツネの幟。

五日市会館へ帰ってきた。

 

暗い山道を乗り越え、煌々と輝くフィニッシュゲートへ。

過酷な状況の中、ついに71.5km、累積標高4582mを走り切ることができました。

 

【記録】14時間58分46秒03

 

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