【ハセツネレポ ~月夜見駐車場】
無事、第1関門浅間峠に到着。
まずはトイレ。
そして、装備の変更を。
まずは雨対策として、レインウェアを取り出す。
これから先、気温も下がることが予想されるので、防寒の意味もあります。
ただし上半身のみ。
レインパンツも持ってきていますが、動き優先なのと、下まで着ると汗をかいて逆に冷えそうなので。
次に、ライトを取り出す。
ブラックダイヤモンドを、腰に装着。
最後に補給食を取り出す。
今回工夫したのが、マグオン4つを輪ゴムでまとめて1セットにしたこと。
それを4セット作り、関門ごとに1セットずつ前ポケットに移動させる。
ザックの中から探して数える手間を省くためです。
ここまで4時間以上、移動しっぱなし。
腰を下ろして休みたいところですが、
雨で地面が濡れているため、座り込むことも憚られる。
立ったままザックを肩に担いで、上記作業をしました。
10分ほどの滞在後、次を目指して出発します。
浅間峠の出口は、いきなり急斜面の登り。
ライトで足元を照らしつつ、登っていく。
「足元滑るから、気を付けてね~」
と、ギャラリーの皆さんからの声。
「ありがとうございま~す」
と言ってる傍から、脚が滑り、股裂きの刑になりそうに(汗
何とか体勢を立て直す。
そんな私の横を、ストックを付きながらサクサクと登っていくランナーさん。
浅間峠からはストック解禁。
今日のようなツルツルの登山道では、ストックの効果は絶大のようです。
その後も登り下りに関わらず、ストックランナーさんに抜かれまくりでした。
残念ながら、私はストックを持っていない。
と言うか、使ったことが無い(汗
この日ほどストック欲求が高まった時はありませんでした。
賑やかな浅間峠を離れ、いよいよ闇が深くなる。
と、そこで初めて気が付く。
「…ライトが暗い??」
私の装備しているブラックダイヤモンド「ストーム」は400lmだったはず。
それなのに、足元が全く見えない。
それどころか、後方のランナーのライト光に打ち消されて、陰になる始末(泣
どうにもこうにも走れない。
仕方が無いのでサブでザックに入れていたペルツを取り出す。
明るさとしてはこちらの方が明るいのですが、
頭にしか着けられないので、頭部が重くなるのが嫌でした。
が、贅沢は言っていられない。
一旦脇によけ、ライト交換。
ペルツのスイッチを入れると…。
「明る~~~~い(嬉」
先程までの暗闇とは打って変わって、真昼の様な明るさ。
ナイトトレイルは光源が重要だと、改めて感じさせられました。
因みに、なぜブラックダイヤモンドが暗かったのか?
それは、充電池の劣化でした。
後程、新品の充電池に交換したら、見違えるような明るさに。
山では、常に万全の状態で挑まなければなりませんね。
灯を手に入れ、気分も新たに走り出す。
次の目標は、コース最高地点の三頭山です。
しかし、そこに至るまでに日原峠、丸山、西原峠などを越えていかねばならない。
第1関門から、距離15km、高低差600m弱。
その間を登ったり下ったり、登ったり下ったり…。
暗闇の中、ひたすら繰り返される苦行。
しかも、今回は輪をかけてトレイルの状況が酷い。
先刻からも書いているように、とにかく泥で足元が滑る。
登りは踏ん張れないし、下りは恐怖でしかない。
トレイルシューズを履いているハズなのに、まったくスパイクしない(泣
足裏に石鹸水でも仕込まれているのでは?といった感じ。
しかし、周りのランナーさんは、さくさく進んでいく。
単純に技術力の差のようです(涙
おぼつかない足元、とにかく前のランナーに置いて行かれないよう、必死で食らいついていくのみ。
当然その分、疲労の度合いが増していく。
特に踏ん張るためか、脚の付け根から大腿四頭筋が張ってくる。
徐々に平坦な部分でも、走るのが辛くなってきました。
幸いにも、雨は一時止んでいました。
それでも、気温はぐんぐん下がっていく。
立ち止まると凍えそうなので、ひたすら動いて体を温める。
しかし、動き続けると、疲労が溜まる。
一休みしたい。
しかし、休むと体が冷える。
なんともまゝならない、無限ループに落ち込んだようです。
そんな状況の中、ひたすら気力で進むこと2時間半。
19:44、ついに西原峠に到着。
ここから最難関、三頭山への登りです。
西原峠から三頭山へは、400m弱を上げる急登。
ただでさえキツイ斜面なのに、暗闇の中で、しかもドロドロ。
通常のように登れるはずも無く、滑る足元を抑え込みつつ、一歩一歩着実に歩を進めていく。
もはや自分のペースで進むことしかできず、前後にランナーの姿は無い。
暗闇の中、一人でいるのは心細い。
さらに、再び雨が強くなってくる。
遠くに見える、赤い誘導灯だけを頼りに進んでいきます。
やがて、賑やかな音が聞こえてくる。
三頭山避難小屋です。
小屋にはトイレがある。
身体が冷え、トイレが近くなってきているので、小休止です。
そういえば寒さのせいか、水分をあまり消費していない。
ハイドレの水を2/3ほど飲んだくらい。
フラスク3本は、全く手つかず。
そのため、ザックの重量は重いまま。
寒くても汗はかいているハズなので、気が付かないうちに脱水の危険性もあります。
意識して水を飲むように心掛けなければなりません。
避難小屋を離れ、いよいよ最後の登り。
道標には「三頭山まで15分」の表記。
気合を入れ、山頂に向けての階段を登ります。
そうして、西原峠を出てからひたすら登り続けること1時間。
20:43、ついに最高地点の三頭山に到着しました。
あとは、月夜見駐車場まで下っていくのみ。
「ガンバレ!」
と、スタッフのエールを貰い、下りへ向かいます。
雨は降る続けますが、動き続けて体は熱く、程よくクールダウンさせてくれる。
一旦、鞘口峠から再び上り返し、そしてまた下りへ。
ここらあたりで、オールスポーツのカメラマンさんがいました。
藪の中に身を潜めていたため、いきなり視界に入ってきた時はビビりました(笑
それにしても、深夜の真っ暗な山の中で一人待機しているなんて、どんな気分なのでしょう(汗
ずるずる滑る足元に苦労しつつ、ついに舗装された道路に出る。
「やっと月夜見か!?」
と、喜んだのもつかの間、またすぐにドロドロトレイルに逆戻り(涙
もういい加減にしてくれ、と思いつつトレイルを抜け、今度こそ本当に月夜見へのロードに出る。
遠くに明かりが見える。
若干の上り坂ですが、もうすぐ第2関門だという喜びからか、脚が勝手に走り出す。
ドロドロのトレイルに辟易していましたが、脚は思った以上に、まだ元気だったようです。
前を走るランナーを追い抜きつつ、
遂に、第2関門「月夜見駐車場」に到着しました。
【第2関門通過】9時間06分23秒