なんてことない非日常 -12ページ目

なんてことない非日常

スキビ非公認二次創作サイトです。
駄文ばかりの辺境館ですが、広いお心で読んでいただける方歓迎しております。

《皆様お久しぶりにございます。ユンまんまです。


以前、アメンバー申請時に『上司と部下のオフィスlove的な危ないヤツなんかも読んで見たいです!』とメッセージと共にリクエストを頂いていました。
きっとご本人さんも忘れてしまっているような程以前なんですが・・・


いつ書けるか未定だったので、正式にお受けせず『しれっと書いていたら笑って見守ってください』とお返事いたしました。


今頃!?感は十分わかっています!そして止まっているモノがたくさん・・・たくさん!あるのに・・・・


ボチボチ復活?の前触れに始めてみようと思います。

そして、案の定先が見えない状態でのスタートです!

みなさま、お覚悟!!


ところで・・・・危ないヤツ!?・・・危ない人では・・ないですよね?こんな感じでいいのかな?》




†彼女についての報告書      1



 世の中にゴマンとある会社。
最近はブラック企業なるものまで現れて、会社と一口に言ってもピンからキリまで。

その中でも、優良会社とのうわさ名高いK&J・コーポレーション。

社員への福利厚生は充実しており、資格取得のための研修なども多い。
世界に何社も支店を持っている超が付くほどの有名会社だ。
その正社員になるには、非常に高いハードルを潜り抜けてこないといけない。
そのため優秀な人間が集まるところとしても有名な会社だ。

しかし人間は勝手なもので長年経つと、考え方が変わってしまうもので・・・。


「はい・・・あの機密文章は私の手元に・・・・」


使われていない会議室。
薄暗い中、携帯の相手に声を潜める男が一人。
その手には小さなUSBが握られている。


(・・・顔・・・見えない・・・・)


その様子を一人の女性が小さな隙間から伺っていた。


(あ・・・社員ID見えそう・・・・・・ああ~~!!体反転させないでよ!)


コソコソと話していた男は、女性に見られていると知らずに話し終えたのかサクサクと会議室を出て行ってしまった。


(ああ~・・・・・また・・・・怒られる・・・・・・)


女性はグレーのさっぱりとしたリクルートスーツを纏った状態で、この世の終わりのようなため息を吐いた。
ゴソゴソと演説台の後ろから這い出て、入り口のドアに手をかけた。
その瞬間、ガチャっと勢いよく外側からドアを開けられてしまった。


「え!?」


その声はその女性のものではなく、先程の携帯の男の声だった。

何か忘れ物をしたらしい。
急いで戻ってきたのに、中に既に女性が立っていることに驚きの声を上げたのだ。
女性は声も無く、男を見上げた。


(あ・・・・システム課の・・・・)


そこまで考えた瞬間、驚いていた男の顔が醜く歪んだ。


「・・・いつからいた?」


「・・へ?」


「ここに・・・いつからいたんだ?」


低く地を這うような声。
「いつからでしょう?☆」なんてウィンク一つでもして、誤魔化せるような雰囲気ではなかった。


(私のキャラでは絶対しないけど・・・けど・・・・・これは・・・・・ヤバイっ・・・・よね?)


ガタンっ!!ガタタタっ!!ダンッ!!!


「さっきの話し聞いていたんだろ!?もしかして企業スパイか!!?」


叫びながら女性の髪を掴んで長机に押し付け、彼女のリクルートスーツのポケットを漁る男の顔に余裕など無い。


「いっ・・痛・・・・・そ、そんなに聞かれたくない事を話されていたんですか?」


「うるさい黙れ!!コレに俺は人生がかかっているんだ!ICレコーダ持ってるんだろ!?出せ!!!」


ガサガサと無骨な手が女性の体中を這い回る。


(っつ!・・・バカ力っ!)


髪を引っ張られながら机に押し付けられているためか、息が苦しくなってきて涙が薄っすら目尻にたまっていく。
それでも女性は何とかこの状況を打破しようと、男を誘導にかかった。


「そ・・んな・・・ポケットに入れるなんかっ・・・し・・ないっ」


「じゃあ出せ!!」


「うぐっ!」


ゴツ!っと鈍い音共に女性は後ろから小突かれるように机に押し付けられた。


「いっっ・・・・・ス・・スカート・・・裾の・・・裏・・・」


「裏?・・・こんな薄っぺらな体系の癖に、以外に色っぽいところに隠し持ってるな?」


先程までの追い詰められていたような蒼白の顔から一転、気色悪い笑みを浮かべ男は女性のスカートをゆっくりと持ち上げ始めた。

パシャ!


その瞬間、男の視界を奪うような閃光が薄暗い会議室内に瞬いた。


「!!?」


「決定的瞬間って所かしら?」


「キョーコさん、大丈夫ですか?」


「・・・・遅い・・・・」


男にふんじばられているのに、余裕のため息を漏らしているキョーコと呼ばれた女性は驚いて手が緩んだ男に体を反転させたタイミングで足を引っ掛けて絨毯を敷き詰められた床にすっ転ばせた。


「うわあ!?」


「・・・・・調子に乗って・・・人の髪引っ掻き回してくれて・・・・わかっているでしょうね?」


キョーコの体から仄暗い焔があがったような気がして、男は床の上に転がったまま顔を引きつらせた。


「な・・・なんなんだ!?お前らっスパイか!?」


ジリジリと異様な迫力で迫ってくる三人に、男は半狂乱でそう叫んだ。
すると女性たちはそれぞれの顔を見合わせてにんまりと笑った。


「スパイって・・・・コソコソ嗅ぎまわっている輩を言うのよね?」


「だったら、この機密文章をコソコソ持ち出そうとしているあなたの方がスパイなんじゃないんですか?」

乱れた髪を整えつつ、キョーコは細い指にフラッシュ・メモリーを挟んでクルクルと器用に回して見せた。



「さすがキョーコさん!さっき、体を漁られまくっている間に盗ったんですね?」


「・・・・・・・色々突っ込みたいけど・・・後にする、さて・・・・あなたの取引先は誰なのかしら?既にさっき私を襲っている写真で強制わいせつ罪の現行犯で逮捕できる状況だけど?」


「なっ!?」



「それとも・・・機密文章、窃盗の罪で逮捕されちゃいますか?」


にっこりと嗤ったキョーコと、上からただただ威圧的に見下ろしてくる他女性二人に勝ち目無しと感じたのか男は力なくうな垂れてしまった。




*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆




「っはあああああ~~・・・まさかシステム課の田宮係長代理だったとは・・・・・・」



しかめっ面をして、キョーコが差し出した書類に目を通していたのは椹主任と書かれたネームプレートの前に座っている50代前半の男性だった。



「なんでも、この『代理』がイヤだったみたいですよ?」



「・・そんなこといったって、会社の機密を他社に売ってその先に転職しようだなんてなあ・・・」



「スパイ行為をした者を受け入れる会社なんてあるわけないのに・・・・」



「まあ、それにしてもお手柄だった!琴南君も天宮君も、最上君をしっかりサポートしてくれて・・・・・って・・最上君は?」



椹が辺りを見回しても、その姿はどこにもなかった。



「また・・あの時間なんじゃないんですか?」



琴南がため息をつきつつ、コーヒーを啜って言うと天宮も時計を見て頷いた。



「あ、本当だ・・・相変わらず時間には正確ね~」



「?なんのことだ?」



椹だけが訳も分からずに二人に尋ねると、奏江が疲れたようにため息をこぼしながら説明を始めた。



「先週から、社内調査が始まっているのはご存知ですよね?」



「そりゃあ、ウチの仕事がばれないようにしてくれている・・・」



「課長、邪魔しているの間違いです!」



「アイツのせいで社内に蔓延る毒虫たちが、慌ててネタを処分したり隠したりして尻尾がつかめなくなっているんです!・・・なのに、あの子まで・・・」



真っ黒なストレートヘアーを乱しながら、唇を噛みしめる琴南の姿に椹は顔をひきつらせながら核心を聞きたがった。



「あの子・・・最上君がどうしたんだ?」




*******************



「・・・どこに行っていた?とっくに昼休みは終わっていただろう?」



「ゼエ・・・すっ・・ゼエ・・すみま・・せんっ・・・」



息を切らしているキョーコを、長身の男が鋭い眼光で見下ろしていた。



キョーコは、奏江たちがいる『総務7課』から『情報システム課』まで走ってきたのだ。

別棟地下2階の『総務7課』からは、普通に歩いても15分以上かかるのにキョーコは新棟15階の『情報システム課』まで3分で来たのだ。


そんなことも知らない男は、一抱えある書類をキョーコの腕にドサリと乗せた。



「今日中に打ち込んでおくように」



「・・・・・・・・・・・・・・・ハイ・・・」



キョーコは、目の前で揺れる男のネームプレートを睨み付けた。



(おのれ!敦賀 蓮めっ!!!)



心の中で叫びながらもカクカクと震える膝と、わなわなと重さに耐えかねている腕を無理やり方向転換させて数日前にあてがわれた自分の席へと戻るしかなかった。


数日前、社内調査の一環として『総務7課』からキョーコを貸して欲しいと急なお達しがあった。

椹を通すこともなく、キョーコはアナログ状態でとってあった社員の情報をパソコンに打ち込んでいく仕事を敦賀 蓮に与えられたのだ。


キョーコたちの本当の仕事は、社内外で不正を働こうとしている者たちの確保とその内容の調査だったのに表に出せないため、余計な仕事を追加されたキョーコは先ほどのようにヘロヘロになりながら蓮の言うとおりに働かなくてはいけなかった。


(ぐぬぬぬっ・・・こんなことしてる間に、またさっきの奴みたいなのが好き勝手してると思うとっ)



キョーコが奥歯をギシギシ言わせながら、ガタガタと打ち込んでいる姿を蓮は遠目にみつめた後ため息をつき椅子にドカリと腰を下ろした。



「なんだってこんなこと・・・」



きちんと整頓された机の上に無造作に開かれたファイルに書かれた文字に蓮は、深くため息をついた。



「おーい!蓮、会議始まるってさ」



「あ、はい!行きます」



蓮はバタンと、そのファイルを勢いよく閉じると資料を手に席を立った。

机に残されたファイル名には『調査書:総務7課 最上 キョーコ』と印字されていた。





2へ














 

あれ?3月がないよ?@▽@

・・・・と、いうわけで・・・本当に申し訳ないです!!お久しぶりです!!!


落ち着くまで、一時的にでも切っておけばよかったと(もちろん、お話は公開状態で)後悔しております。


2月の後半から3月の前半にアメンバー申請してくださっていた方、返信できないまま承認もできずに申請が取り消しになってしまって申し訳ありません!!!

もし、まだお心が変わっていなければ再度申請をあげてください。

次こそはちゃんと承認させていただきます!!!



こんなに3月に色々あるとは思わず・・・まだ引きずっていますが、少し落ち着いてきたので戻ってきたいと思っています。


お話まで手が届くかは・・・未定ですが、本当に気長にお待ちいただけると嬉しいです。


本誌もいい感じですし、書きたい衝動は凄いんですがねww



ひとまず、今承認できる方に返信させていただきます。

先に申請をあげていた方には大変申し訳ありません!!


ご理解いただけるとありがたいです。


それと、メッセージがない方の承認はさせてもらっていませんのでアメンバー申請についてのご注意をお読みになって質問の答えをメッセージにて送っていただいてから申請ボタンをポチリとしてくださいね。


よろしくお願いいたします。



ユンまんまでした




§ルートX   75






 「な、なに!?本当か!?」



蓮からもらった電話に、ローリィは思わず席を立ち大きな声を上げていた。


今、社で会議中のことも忘れて携帯を握りしめ直した。



「本~当に、本~~~当にっ来るんだな!?蓮!!」



『クス・・・本当です・・・明後日の夜に時間が空いたので、伺えます』



「そ・・・そうか・・・・・わかった・・奴にも伝えておく」



ローリィは通話が終わると少し放心状態で、ドカリと椅子に腰を下ろした。



「・・・社長?蓮がどうかしましたか?」



「ぬわっ!いたのか・・・・」



「いたのかって・・・まだ会議中だったんですが・・・」



そう言われてローリィは周りを見渡し、ようやく現在の状況に頭が追い付いた。



「・・・そうだった・・な・・・・いや、こっちのことだ気にするな」



ローリィがそう手を上げると、会議はまた何事もなかったかのように進み始めた。

ただ、しばらく考え込んでいたがにやつきが止まらなくなったローリィを見てその場にいた全員が蓮がまたおもちゃにされているだろうと想像して、勝手に同情の念を送ったのだった。




***********




「ふっぁ・・・ックシュ!」



「コーン・・風邪ひいた?」



事務所での仕事を終えた二人は、一緒に帰ってくることが出来た。

夜食を用意したキョーコは、蓮のおでこに手を当てた。



「んー・・熱はないみたいだけど・・」



しっとりとした細い手を額に感じて、蓮は目を閉じると両手を伸ばしその手の主を抱き寄せた。



「コーン?」



抱き寄せられても、いつものように広い胸に納められるのではなく自分のお腹に蓮の頭がすり寄せられる感覚にキョーコは首を傾げた。



「コーン・・何かあったの?」



キョーコは蓮の髪を梳きながら、まるであやす様に尋ねた。

すると、蓮の顔が当たっているお腹にクスリと笑った振動が伝わってきた。



「・・・キョーコちゃんは・・俺にとって灯台の光のようだ」



「・・・え?」



急にそんなことを言われるなど思っていなかったキョーコは、目を丸くしたが蓮は腕から少し力を抜くと顔を上げそんなキョーコを目を細めて見上げた。



「迷っているときは、導く光となり・・・帰り着けば迎えてくれる暖かな光となる」



「・・・・・・・・・・なにかの・・台詞?」



いつもの蓮らしくない口調に、キョーコがそう返すと蓮は目を少し丸くした後笑って見せた。



「・・・・・・・・うん。どうだった?」



重たい口調にならないように、軽くそう返すとキョーコは少し考えてから口を開いた。



「私は・・・ただ立って待っていたくないな・・」



「・・・え?」



予想外のキョーコの返しに、蓮は目を見開いた。



「ただ・・立って待っていたり、道を示していくよりも・・・同じ場所から一緒に未来を見たり、困難に立ち向かいたい・・・だから、私だったら『帆』になりたいな・・・・・あ、でもそれじゃあ舵を切る人の言いなりかな?・・・じゃあ・・風?でも私のような風だったら船をひっくり返しちゃうかな!?・・うう~ん」



悩み始めたキョーコを目の前に、蓮は唖然としていたが口元がふよ・・・っと弛むと同時に大きな笑い声を上げた。



「あっはははははは!!」



「!!?コ・・・コーン!?・・・」



突然笑い出した蓮に、キョーコが動揺していると蓮は涙を溜めた目尻を拭いながら笑いのため引き絞られた腹を抑えた。



「ははっ・・いたた・・腹いた・・ぶっ!・・・はははっ!!」



「ええ!?なんでそんなっ・・きゃあ!?」



蓮は今度こそいつも通り、キョーコを自分の胸の中に閉じ込めた。



「うん・・・君らしいよ・・・」



強く抱きしめられてキョーコは、そう囁く蓮がどんな顔をしているのかわからなかった。



「そうだな・・・・じゃあ、キョーコちゃんは母なる海になってもらおうかな?」


しばらく抱きすくめられたままにしていると、蓮が名案とばかりにそう言って腕を弛めてキョーコの顔を覗き込んだ。

そんな蓮に、キョーコはキョトンとしたまま言葉を返すしかなかった。


「母なる・・海?」



「そう・・・俺を導き、時に厳しく時に凪いでいつまでも一緒にいられる・・・いいよね・・俺は船で君は海」



「・・・・・うん・・そうだね・・」


蓮は結局、真相は語ることなかったがキョーコが頷くと子供のように微笑んだその顔にただ笑顔を返すしかできないのであった。




**************



「なんだったのかな・・・・」



次の日、キョーコは事務所で昨夜のことを思い出していた。


蓮の言葉も行動も、キョーコには理解が出来なかった。

でも、蓮がなにかを心に抱えている事だけはわかった。



「話して・・・もらえないのかな・・・・・」



側に居るのに、とてつもない孤独感にキョーコは思わず長いため息をついた。

すると、丁度のタイミングで奏江が部室に入ってきた。



「・・・・なに・・その不幸満載のため息・・・そんなのここで吐かないでよ」



「・・・モー子さん・・・相変わらずの手厳しさ・・・」



奏江のキレのいい挨拶代りの言葉に、キョーコは苦笑いを返すしかできなくまたため息をついた。



「なによ・・・アンタにしては随分辛気臭いわね?いつもの無駄な前向き姿勢はどこ行ったのよ?」



「アハ・・・ハハ・・・無駄って・・・」



「あんなことがあったとしても落ち込んでいられないでしょう?」



「まあ・・・・・・・・うん?『あんなこと』?」



今来たばかりの奏江には、まだ何で悩んでいるかなど話してもいなかったのにまるで核心を知っているかのように慰める奏江の態度にキョーコは違和感を覚え聞き返した。



「何とぼけて・・・だって、不破が・・・」



「・・・・・ショータローが・・なに?」



いよいよ話が完全に噛み合わなくなって、奏江は呆然とした後急に口をつぐみだした。



「・・・なんでもない・・・気にしないで」



「え!?何それ!?気になるんですけど~!!」



「そ、それより!今日、オファーがあったドラマの面接じゃなかったの!?」



食い下がろうとしたキョーコを、鬼のような表情で振り払い話を変える奏江にキョーコは気圧されて結局真相は知らされないまま蓮のこと以外で頭を悩ませている事を口に出すことにした。



「・・・面接・・・あったよ・・・あったけど・・・・・」



そう言った途端に、また重く吐き出されるため息に奏江が青筋をたてた。



「だから!その辛気臭いのやめて!」



「だって・・・・・全部同じなんだもん・・・」



「・・・・・は?」



「全部・・・どの役もみんな・・・『美緒』みたいにって・・・」



キョーコから聞いた言葉に、奏江も真顔に戻ってため息をついた。



「・・・なるほどね・・・・・まっ、受けるか受けないかはアンタの自由だけど・・・立ち止まっている暇・・・ないと思うよ?」



奏江はそれだけ言うと、椹から頼まれたのであろう部室に置いてあった書類を手に持ち出て行った。

キョーコは、奏江を黙って見送り閉まる扉の音と重ねるようにまたため息を吐いたのだった。




76へ