《皆様お久しぶりにございます。ユンまんまです。
以前、アメンバー申請時に『上司と部下のオフィスlove的な危ないヤツなんかも読んで見たいです!』とメッセージと共にリクエストを頂いていました。
きっとご本人さんも忘れてしまっているような程以前なんですが・・・
いつ書けるか未定だったので、正式にお受けせず『しれっと書いていたら笑って見守ってください』とお返事いたしました。
今頃!?感は十分わかっています!そして止まっているモノがたくさん・・・たくさん!あるのに・・・・
ボチボチ復活?の前触れに始めてみようと思います。
そして、案の定先が見えない状態でのスタートです!
みなさま、お覚悟!!
ところで・・・・危ないヤツ!?・・・危ない人では・・ないですよね?こんな感じでいいのかな?》
†彼女についての報告書 1
世の中にゴマンとある会社。
最近はブラック企業なるものまで現れて、会社と一口に言ってもピンからキリまで。
その中でも、優良会社とのうわさ名高いK&J・コーポレーション。
社員への福利厚生は充実しており、資格取得のための研修なども多い。
世界に何社も支店を持っている超が付くほどの有名会社だ。
その正社員になるには、非常に高いハードルを潜り抜けてこないといけない。
そのため優秀な人間が集まるところとしても有名な会社だ。
しかし人間は勝手なもので長年経つと、考え方が変わってしまうもので・・・。
「はい・・・あの機密文章は私の手元に・・・・」
使われていない会議室。
薄暗い中、携帯の相手に声を潜める男が一人。
その手には小さなUSBが握られている。
(・・・顔・・・見えない・・・・)
その様子を一人の女性が小さな隙間から伺っていた。
(あ・・・社員ID見えそう・・・・・・ああ~~!!体反転させないでよ!)
コソコソと話していた男は、女性に見られていると知らずに話し終えたのかサクサクと会議室を出て行ってしまった。
(ああ~・・・・・また・・・・怒られる・・・・・・)
女性はグレーのさっぱりとしたリクルートスーツを纏った状態で、この世の終わりのようなため息を吐いた。
ゴソゴソと演説台の後ろから這い出て、入り口のドアに手をかけた。
その瞬間、ガチャっと勢いよく外側からドアを開けられてしまった。
「え!?」
その声はその女性のものではなく、先程の携帯の男の声だった。
何か忘れ物をしたらしい。
急いで戻ってきたのに、中に既に女性が立っていることに驚きの声を上げたのだ。
女性は声も無く、男を見上げた。
(あ・・・・システム課の・・・・)
そこまで考えた瞬間、驚いていた男の顔が醜く歪んだ。
「・・・いつからいた?」
「・・へ?」
「ここに・・・いつからいたんだ?」
低く地を這うような声。
「いつからでしょう?☆」なんてウィンク一つでもして、誤魔化せるような雰囲気ではなかった。
(私のキャラでは絶対しないけど・・・けど・・・・・これは・・・・・ヤバイっ・・・・よね?)
ガタンっ!!ガタタタっ!!ダンッ!!!
「さっきの話し聞いていたんだろ!?もしかして企業スパイか!!?」
叫びながら女性の髪を掴んで長机に押し付け、彼女のリクルートスーツのポケットを漁る男の顔に余裕など無い。
「いっ・・痛・・・・・そ、そんなに聞かれたくない事を話されていたんですか?」
「うるさい黙れ!!コレに俺は人生がかかっているんだ!ICレコーダ持ってるんだろ!?出せ!!!」
ガサガサと無骨な手が女性の体中を這い回る。
(っつ!・・・バカ力っ!)
髪を引っ張られながら机に押し付けられているためか、息が苦しくなってきて涙が薄っすら目尻にたまっていく。
それでも女性は何とかこの状況を打破しようと、男を誘導にかかった。
「そ・・んな・・・ポケットに入れるなんかっ・・・し・・ないっ」
「じゃあ出せ!!」
「うぐっ!」
ゴツ!っと鈍い音共に女性は後ろから小突かれるように机に押し付けられた。
「いっっ・・・・・ス・・スカート・・・裾の・・・裏・・・」
「裏?・・・こんな薄っぺらな体系の癖に、以外に色っぽいところに隠し持ってるな?」
先程までの追い詰められていたような蒼白の顔から一転、気色悪い笑みを浮かべ男は女性のスカートをゆっくりと持ち上げ始めた。
パシャ!
その瞬間、男の視界を奪うような閃光が薄暗い会議室内に瞬いた。
「!!?」
「決定的瞬間って所かしら?」
「キョーコさん、大丈夫ですか?」
「・・・・遅い・・・・」
男にふんじばられているのに、余裕のため息を漏らしているキョーコと呼ばれた女性は驚いて手が緩んだ男に体を反転させたタイミングで足を引っ掛けて絨毯を敷き詰められた床にすっ転ばせた。
「うわあ!?」
「・・・・・調子に乗って・・・人の髪引っ掻き回してくれて・・・・わかっているでしょうね?」
キョーコの体から仄暗い焔があがったような気がして、男は床の上に転がったまま顔を引きつらせた。
「な・・・なんなんだ!?お前らっスパイか!?」
ジリジリと異様な迫力で迫ってくる三人に、男は半狂乱でそう叫んだ。
すると女性たちはそれぞれの顔を見合わせてにんまりと笑った。
「スパイって・・・・コソコソ嗅ぎまわっている輩を言うのよね?」
「だったら、この機密文章をコソコソ持ち出そうとしているあなたの方がスパイなんじゃないんですか?」
乱れた髪を整えつつ、キョーコは細い指にフラッシュ・メモリーを挟んでクルクルと器用に回して見せた。
「さすがキョーコさん!さっき、体を漁られまくっている間に盗ったんですね?」
「・・・・・・・色々突っ込みたいけど・・・後にする、さて・・・・あなたの取引先は誰なのかしら?既にさっき私を襲っている写真で強制わいせつ罪の現行犯で逮捕できる状況だけど?」
「なっ!?」
「それとも・・・機密文章、窃盗の罪で逮捕されちゃいますか?」
にっこりと嗤ったキョーコと、上からただただ威圧的に見下ろしてくる他女性二人に勝ち目無しと感じたのか男は力なくうな垂れてしまった。
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「っはあああああ~~・・・まさかシステム課の田宮係長代理だったとは・・・・・・」
しかめっ面をして、キョーコが差し出した書類に目を通していたのは椹主任と書かれたネームプレートの前に座っている50代前半の男性だった。
「なんでも、この『代理』がイヤだったみたいですよ?」
「・・そんなこといったって、会社の機密を他社に売ってその先に転職しようだなんてなあ・・・」
「スパイ行為をした者を受け入れる会社なんてあるわけないのに・・・・」
「まあ、それにしてもお手柄だった!琴南君も天宮君も、最上君をしっかりサポートしてくれて・・・・・って・・最上君は?」
椹が辺りを見回しても、その姿はどこにもなかった。
「また・・あの時間なんじゃないんですか?」
琴南がため息をつきつつ、コーヒーを啜って言うと天宮も時計を見て頷いた。
「あ、本当だ・・・相変わらず時間には正確ね~」
「?なんのことだ?」
椹だけが訳も分からずに二人に尋ねると、奏江が疲れたようにため息をこぼしながら説明を始めた。
「先週から、社内調査が始まっているのはご存知ですよね?」
「そりゃあ、ウチの仕事がばれないようにしてくれている・・・」
「課長、邪魔しているの間違いです!」
「アイツのせいで社内に蔓延る毒虫たちが、慌ててネタを処分したり隠したりして尻尾がつかめなくなっているんです!・・・なのに、あの子まで・・・」
真っ黒なストレートヘアーを乱しながら、唇を噛みしめる琴南の姿に椹は顔をひきつらせながら核心を聞きたがった。
「あの子・・・最上君がどうしたんだ?」
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「・・・どこに行っていた?とっくに昼休みは終わっていただろう?」
「ゼエ・・・すっ・・ゼエ・・すみま・・せんっ・・・」
息を切らしているキョーコを、長身の男が鋭い眼光で見下ろしていた。
キョーコは、奏江たちがいる『総務7課』から『情報システム課』まで走ってきたのだ。
別棟地下2階の『総務7課』からは、普通に歩いても15分以上かかるのにキョーコは新棟15階の『情報システム課』まで3分で来たのだ。
そんなことも知らない男は、一抱えある書類をキョーコの腕にドサリと乗せた。
「今日中に打ち込んでおくように」
「・・・・・・・・・・・・・・・ハイ・・・」
キョーコは、目の前で揺れる男のネームプレートを睨み付けた。
(おのれ!敦賀 蓮めっ!!!)
心の中で叫びながらもカクカクと震える膝と、わなわなと重さに耐えかねている腕を無理やり方向転換させて数日前にあてがわれた自分の席へと戻るしかなかった。
数日前、社内調査の一環として『総務7課』からキョーコを貸して欲しいと急なお達しがあった。
椹を通すこともなく、キョーコはアナログ状態でとってあった社員の情報をパソコンに打ち込んでいく仕事を敦賀 蓮に与えられたのだ。
キョーコたちの本当の仕事は、社内外で不正を働こうとしている者たちの確保とその内容の調査だったのに表に出せないため、余計な仕事を追加されたキョーコは先ほどのようにヘロヘロになりながら蓮の言うとおりに働かなくてはいけなかった。
(ぐぬぬぬっ・・・こんなことしてる間に、またさっきの奴みたいなのが好き勝手してると思うとっ)
キョーコが奥歯をギシギシ言わせながら、ガタガタと打ち込んでいる姿を蓮は遠目にみつめた後ため息をつき椅子にドカリと腰を下ろした。
「なんだってこんなこと・・・」
きちんと整頓された机の上に無造作に開かれたファイルに書かれた文字に蓮は、深くため息をついた。
「おーい!蓮、会議始まるってさ」
「あ、はい!行きます」
蓮はバタンと、そのファイルを勢いよく閉じると資料を手に席を立った。
机に残されたファイル名には『調査書:総務7課 最上 キョーコ』と印字されていた。
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