高橋紹運が魅せた武士の忠義と壮絶な最後

一般的に福岡県民であれば、県内の戦国武将として福岡藩の藩祖・黒田官兵衛、初代藩主・黒田長政・・・そして、柳川藩立花宗茂は知っている。 ただ、郷土歴史に興味ない方の中には、立花宗茂が柳川城の前に、福岡市東区の立花城の城督だったことを知らない人も多い。 よって、立花宗茂の実父である高橋紹運(じょううん)のことはもっと知られていない。

 

しかしながら、全国に戦国史・戦国武将のファンは多く、彼らのなかでは、大友家の家臣で宝満城の城督だった高橋紹運の人気は高い。 それは、岩屋城の戦い高橋紹運が最後まで大友家への忠義を守り抜いた武士としての心意気、そして、玉砕も覚悟に名乗りを挙げた763名もの家来衆との信頼関係と人間味がファンの心を掴んでいるのだと思う。 僕も好きな戦国武将として三人の名を挙げるとすれば、真田幸村の他に黒田官兵衛高橋紹運となるが・・・これは、どうしても地元愛の強さになるネ。滝汗 照れ

 

 嗚呼壮烈岩屋城  令和6年(2024年)飾り山笠

十七番天神1丁目 見送り  人形師:白水英章

 

標題の「嗚呼壮烈岩屋城」は、過去にも飾り山笠で選ばれている戦国期の有名な戦いであるが、全国区ではメジャーではない。 でも、福岡県民は、この戦いをメジャーにする宣伝活動がいま必要だと思う。 理由は最後に触れます。

 

過去のブログと重複しますが、簡単に「岩屋城の戦い」について触れておきます。

 

 戦国時代、筑前博多は豊後の大友宗麟の統治下にあって、大友家の二人の名将によって守られていた。 立花城の立花道雪(どうせつ)と宝満城の高橋紹運だった。 岩屋城は宝満城の支城で、大宰府政庁跡側の四王寺山中腹にあった。

二人の信頼関係は強く、嫡男がいなかった立花城の立花道雪は、二人の息子を持つ高橋紹運から長男の宗茂を養子に迎えた。 

 

その頃、九州制覇を狙った薩摩の島津軍が北上を開始。 立花道雪高橋紹運は筑後で島津軍を迎え撃つも、他の大友勢の裏切りもあり敗退。 立花道雪は戦死し、同時に宗茂が立花城の城督になった。 築後を制した島津軍の島津忠長(藩主・島津義久の従兄弟)と伊集院忠棟(島津家筆頭家老)は、3万の兵を従え筑前に近づいて来た。 島津に屈する豪族が多いなか、筑前を護るのは宝満城(岩屋城)の高橋紹運立花城立花宗茂の親子のみとなった。

 

大分の大友宗麟は大阪城の豊臣秀吉に援軍を頼み、合わせて高橋紹運立花宗茂には、秀吉の援軍が到着するまでは「何としても持ち堪えよ」と命じた。

高橋紹運は考えた。 次男(直次)を宝満城に籠もらせ、自分が支城の岩屋城で15日間島津軍を引き付けることが出来れば、最後は宗茂立花城が援軍の到着まで耐えてくれるかもしれない。 死を覚悟した家臣が我も我もと名乗りを挙げ、763人が岩屋城に移った。

 

3万の島津軍の攻撃は朝から晩まで幾日も続いた。 しかし、抵抗する岩屋城軍団の凄まじい気迫に島津軍の死傷者は増え続けた。 それでも、島津軍は味方の屍を乗り越え、三ノ丸・二ノ丸を破り本丸へ迫った。 戦いが始まって丁度15日目、岩屋城は本丸に満身創痍の紹運と数十名の家臣のみとなった。 紹運は『大友家に対して役目は果たした。もう十分だ』と呟くと、本丸最上階に上り割腹して果てた。 残った家臣達は紹運の最後を確認すると、掛け声とともに敵陣の中に切り込んで行った。 763人全員が玉砕。 「戦国史に残る激戦」として語り継がれている。

岩屋城址 本丸に建つ「嗚呼壮烈岩屋城」の石碑

 

紹運の思惑は見事に当たった。 島津軍はその後、立花城を包囲して総攻撃をかけた。 しかし、若き立花宗茂の機敏な指揮と道雪が育てた優秀な家臣団によって阻まれ、援軍の到着を許してしまった。 島津軍は薩摩まで退却したが、筆頭家老・伊集院忠棟の和解努力によって薩摩領は安堵された。

 

6年前の2018年(平成30年)にも、同じ構図の飾り山笠が中州流に立った。

 

 壮烈岩屋城之戦  平成30年(2018年)飾り山笠

中洲 見送り  人形師:溝口 堂央

 

 

 2018年(平成30年)には、高橋紹運の息子立花宗茂の「立花城の戦い」についても、飾り山笠が立った。 福岡県民にとって「岩屋城の戦い」と「立花城の戦い」は、浪漫を掻き立たせてくれる物語なのだ。

 

 武士心薫立花城  平成30年(2018年)飾り山笠

新天町 表  人形師:亀田 均

 香椎うっちゃんのブログ ➡ 「飾り山笠2018 岩屋城と立花城の父子

 

 2年前の2022年にも立花宗茂の「立花城の戦い」が飾り山笠に選ばれている。

 西国無双忠節誉  令和4年(2022年)飾り山笠

9番博多リバレイン 表  人形師:生野 四郎

 

 香椎うっちゃんのブログ ➡ 「飾り山笠2022  西国無双 立花宗茂

 

このブログ初めの「岩屋城と立花城の戦いについて、もっと宣伝活動が必要」とのコメントについてでが・・・数カ月前のネットアンケートで、次の様な記事が出ていた。

 

「大河ドラマの主人公になってほしい戦国武将  1,石田三成 2,服部半蔵 3,加藤清正4,本田忠勝 5,北条早雲 6,立花宗茂 7,浅井長政 8,藤堂高虎・・・」

 

何年も前から「立花宗茂を大河ドラマへ・・・」の招致活動は知っています。 何とか実現したいものですね・・・その為にも飾り山笠を初め、あらゆる場面での活動を続けるべきだと思っています。 皆で応援して行きましょう! 宗茂に決定すれば、父親の高橋紹運も「岩屋城の戦い」も脚本に現れるのは間違いない。 また、ストーリーの中に豊臣秀吉、徳川家康、黒田官兵衛、大友宗麟、小早川隆景、島津義久、石田三成、徳川秀忠、その他大勢の戦国武将を史実として登場させられるので面白いと思うのです。 その時は高橋紹運の役は中村獅童がベストだと思う。 中村獅童は僕が好きな俳優です。 何よりも、感動的な「岩屋城の玉砕」を全国の皆さんに知って欲しい。

 

高橋紹運立花宗茂の親子物語をブログで綴っています。 宜しければ覗いて下さい。

香椎うっちゃんのブログ ➡ 「立花宗茂と香椎宮 ①」~「立花宗茂と香椎宮 ⑤

              「嗚呼壮烈岩屋城

 

 

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