エコツーリズムのリゾートホテル

西表島の旅 ① 八重山観光について」の続きです。

 

星野リゾート西表島ホテル」は、ユネスコ世界自然遺産に選ばれた西表島の魅力を発信するリゾートホテル。 青いサンゴ礁の海に囲まれ、90%以上を亜熱帯のジャングルに覆われたこの島で、エコツーリズムを提案しているホテルでした。

星野リゾート西表島ホテル  (西表島ホテルWEB案内より)

 ホテルはジャングルの中に建てられている。 右は浦内川の河口。 浦内川は沖縄本島を含む県内最長(18km)の河川で、上流約8kmまで海水が遡り、両岸はマングローブの樹林が続く。 今回は、まさに大自然を体感できた。

                             (地図はマピオン利用) 

 八重山列島への航空機による玄関口は石垣島の「南(ぱい)ぬ島石垣空港  」。 「ぱいぬ島」の意味は何となく解ります。 「ぱい・はい」とは八重山地方の方言で「南」、「ぬ」は助詞の「の」ですから「南の島空港」。 

石垣島より南西方向の各島々へは石垣港 からの船舶が交通手段となる。

八重山観光フェリー

 西表島の大原港 へは八重山観光フェリーで緑点線のように渡った。 約45分の所要。

天気が良く、航路の右手には武富島小浜島、左手には黒島新城島が良く見えた。

 

旅行出発前に奥さんが『西表は、どうして「にしおもて」じゃなくて、「いりおもて」って読むの』と尋ねた。 そう言われれば、そうだ・・・調べてみた。

八重山の言葉では、太陽が昇る東を「あがり」、そして沈む西を「いり」と言います。 八重山列島の中心(表)である石垣島から見て、西(いり)にあるので「いりおもて」・・・或いは、石垣島にある 於茂登岳 (おもとだけ=沖縄県最高峰の503m)の「おもと~おもて」の西(いり)にあるので「いりおもて」と言う説もあるようだ。

 

     西表島地図   (web情報誌 ”@西表島” からお借りしました)

 

西表島の大原港(印)から「星野リゾート西表島ホテル(印)」までは、海岸線に沿った道路(県道215号線)をバスで約1時間。 コミュニティを成している町としては大原印)と美原上原ぐらいで、途中は殆ど建物を見ない。 上原にも定期船が運行する上原港があるが、海が荒れると欠航が多いらしい。 旅行の行程を組むには大原港が無難かも・・・。

 

茶色線県道215号線だが、島の南西部は道路が途切れていて一周はしていない。 亜熱帯のジャングルに覆われ手付かずの自然が広がっているらしいが、ほとんどが国有林で動植物の特別保護地域に指定されている。

 

星野リゾート西表島ホテル印)」は沖縄県最長の浦内川河口に近いビーチと亜熱帯ジャングルの間に建っている。

 

 ホテルエントランス前で、「イリオモテヤマネコ」のイラストが描かれた看板がお出迎え。

 エントランス前のロータリーは熱帯植物でリゾートの雰囲気を盛り上げている。

 

 フロントロビーに入ると正面ソファーの後ろに「イリオモテヤマネコ」の置き物と、沢山のパイナップルが並んだ棚があった。

パイナップルは特に珍しいとは思わなかったけれど、良く見ると普通よりも小ぶりだ。 これは「幻のパイン」とも呼ばれる西表島産の「ピーチパイン」。 収穫期は5月~6月の2ヶ月間で、産地が限定されていることもあり、あまり市場に出回らない珍しいフルーツ。

 

 フロントロビーでは「ウェルカムドリンク」ならぬ「ウェルカムピーチパイン」が振る舞われていた。 普段たべているパイナップルのような繊維質感は無く、柔らかくてジューシー、ほんのり桃の香りがした。 珍しくて美味しい果物だ。

 

 鍵をもらって部屋へ向かう。 熱帯性南国のリゾートホテルと同様に、廊下は一年中オープンエアーだ。

 

 部屋の入り口が広い。 シティホテルと違って、土足で上がれないので専用の上履きが用意されている。 以前に営業していたホテルを引き継いでいるので、建物や部屋に古さを感じる所もあるが、ほぼ改装され清掃は行き届いていた。

 ツインベッドがくっついてダブルになっていた。 普段は別々の部屋で寝ている僕らにしてみれば、これではゆっくり寝れない。 勝手に奥のベッドをずらして、間に通路を設けて寝た。

スーペリアツイン」と呼ばれ、このホテルのスタンダードタイプです。

 

 窓際に、この様な小上がりのスペースがあります。 「デイベッド」と言うそうですから、昼寝用ですかね。 小さなお子様連れの家族旅行の場合は、子供用ベッドになるそうです。 子供二人は楽に寝れそう。

 

 バスルーム・洗面台はリノヴェーションされていて、とても綺麗で清潔でした。

 

 ベランダに出ると、目の前に熱帯樹林が広がっていて、その向こうから波の音が聞こえて来る。 この樹林は防風林として人工的に植栽されたのではないかと思います。 ベランダに幅の広いベンチが置かれていて、ぼんやり寝座っているだけで癒される。

 

夕食まで時間があるので、ホテル内や廻りを散策してみた。

 

 ホテル館内を含め敷地内は基本的に禁煙となっているが・・・エントランス手前左側の樹林の中に、一ヶ所だけ喫煙者のための灰皿が置かれたスペースがあった。 木々に遮られていて、このスペースは外からは見えない。 世界自然遺産の島ですから、喫煙者は煙草の火には注意が必要。 出来れば、島内ではタバコは吸わない方が良い。

 

 フロントロビーの正面ドアを開けるとプールサイドに出る。

 

 プールではフランス人親子が楽しんでいた。

 

 プールサイドからビーチに抜けるジャングル道があって・・・先に青い海と白いビーチが見え始めるとテンションが上がる。

 

 ジャングル道を抜けると、弓なりに広がる「月ヶ浜」に出る。 浜には「グンバイヒルガオ」が群生していた。 熱帯性気候の東南アジアから日本の南西諸島にかけて生育しているヒルガオ科の植物。 種が海流に乗って分布を広げるそうだ。 葉っぱが大相撲の軍配のような形をしているので、「グンバイヒルガオ」と呼ばれる。

グンバイヒルガオ

 月ヶ浜」の砂は白くて細かくサラサラしている。 砂と言うより珊瑚の粒だ。 夕暮れ時は宿泊者が夕陽を眺めに集まってくる。 天気が良い日は満天の空に無数の星が輝く。

 月ヶ浜」とホテルの間は、防風林として植えられた「モクマオウ=松に似ている」やマングローブの「メヒルギ」、「アダン」などが茂っていた。

 

 アダン」はパイナップルに似た実を付ける。 マングローブに棲む「ヤシガニ」の大好物らしい。 長い葉っぱは乾燥させて、「ゴザ」や「カゴ」などの材料に利用されるそうだ。

アダンの木

 ヤシの木」や熱帯植物がリゾート気分を盛り上げてくれる。

 

 18時にブッフェの夕食を楽しんで、その足で夕陽の浜辺に向かう。 プールサイドで簡易の折りたたみ椅子を借り、サービスされるワイングラスを持って月ヶ浜に出た。

 30人ほどが浜に出て、思い思いの場所に座り、ワインを飲みながら西に傾く夕陽を眺めている。 夕刻から雲が多くなって、真赤な夕焼けが空いっぱいに広がることはなかった・・・それだけは残念。 それでも、少しづつ水平線に落ちて行く夕陽と繰り返し聞こえる波の音は、都会に住む我々に贅沢な時間を提供してくれた。

 

 

西表島の旅 ③ 西表島の自然を楽しむ」に続く。

星野リゾートの食事を楽しみ、マングローブの川を遡り、牛車で由布島に渡って自然に浸る。

 

 

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