能登半島の被災地に行ってきた現状：1ヶ月後の様子

2/2に金沢からレンタカーを借りて
日帰りで輪島、珠洲、能登町に行ってきました。
私が1日日帰りした程度の情報ですが
私が直接体験した情報を主に列挙します。
何かの参考になれば。

・道路はだいぶいい

一番心配なのは道路。
でも思ったよりははるかに状況はよかったです。
もちろん通常通りではないですし
私が行ったのはいずれも町の中心部ばかりなので
一本入るとそこはまだまだ
悲惨な道路状況のところもありましたが
普通のレンタカーで日帰りできる程度に
道はよくなってました。

もちろんあちこちデコボコしていたり
隆起した場所にカラーコーンが
立てられていたり
いつ倒壊してもおかしくはない
傾いたままの建物が多数あったり
片側通行しかできないところもありましたが
1ヶ月が過ぎてかなり良くなっていて
注意をすれば普通に行けるぐらいの
道路状況になっているのではと思います。

・渋滞と所要時間
渋滞があるとこわいので
朝5時に金沢を出ました。
6時半には穴水に到着。
7時半には能登町のイカキングに到着。
8時半には珠洲市役所に到着できました。

その後9時過ぎに珠洲市役所を出て
見附島に立ち寄った後
能登空港には10時過ぎに。
輪島の三井町には10時半に到着。

帰りは15時に輪島朝市付近を出て
金沢駅には18時に到着しました。

ところどころで渋滞は発生してます。
これは私の推測ですが
被災地は断水していて
店もやっておらず
宿もないので
拠点を金沢にする他なく
支援関係など
金沢日帰りする人が多く
道も限られているので
渋滞するのかなと思います。

渋滞原因は限られた道路に対して
車が多いということだけでなく
やむなくかなりノロノロ運転しかできない
大型トラックなどがあり
そこで渋滞が発生。
二車線になったり
その車がいなくなると急に流れ出し、
しばらくすると
ノロノロ運転している車のために
渋滞が発生するというのを
何度か見ました。

被災地に必要性のない人が
多く車で行けばもちろん
渋滞はひどくなると思いますが
現状わざわざ何もない奥能登まで
行く人はほとんどいないのではと思います。

ただ今の時期は雪や寒波になると
状況は一変し、危険にはなるので
そこはネックかなと思います。

今回の能登行きは天気予報を
直前まで見て
大雪や寒波なら中止しようと思ってましたが
幸いそうならなかったので
行くことができました。

・とにかく困るのが断水！トイレが仮設のみ
断水しているのでトイレが使えません。
要所要所に仮設トイレがあるのみ。
主にある仮設トイレは
イベントとかで臨時に使うような
狭くて暗くてすぐ臭くなり
和式のトイレが多かったです。
（私が行った限り）
なので行くとトイレは非常に困ると思います。

コンビニが再開していないところが多く
輪島の中心部はファミリーマートが
やってましたが
トイレは使えず
断水の影響か
コーヒーマシンも使えず
品数も限られて営業している感じでした。

きれいで水が出て使えるトイレは
再開した能登空港が一番便利が良さそう。

しかも毎日運行しておらず
能登空港施設もっと活用すれば
よいのにとも。

・ボランティアはほとんど目にしない
避難所などには行ってないので
ということもありますが
一般ボランティアらしき人を
屋外では見かけませんでした。

そもそもが表向きの
ボランティア受け入れを
していないところが多く
1万人登録して80人程度が
やっと派遣された程度なので
自ら動いている災害ボランティア以外
見かけないのはあたりまえといえば
あたりまえなのですが
東日本大震災の時と比べると
そのあまりのいなさに驚きました。

東日本大震災の時には
岩手でも宮城でも福島でも
あちこちで一般ボランティアが
屋外で作業しているのを見かけていたので。

断水していて
現地で拠点が作れず
金沢から日帰りという
選択肢しかないと
一般ボランティアの
受け入れが難しいのは
やむを得ないとは思いますが
被災者は相当苦しいだろうなと思います。

全部片付けを自分でやらなければいけない。
かなり大変な作業だと思います。

これは個人的な考えですが
能登空港が再開されたのだから
能登空港を拠点に
各被災地に一般ボランティアを
日帰り派遣すればいいのにと。

金沢拠点だと片道3時間以上もかかり
渋滞に巻き込まれるリスクもある。
首都圏とかでボランティアしたい人なら
新幹線で金沢まで2時間半かけた挙句
バスで3時間かけていくより
羽田から能登空港まで1時間で行けて
能登空港からなら
輪島、珠洲、能登町はほぼ
1時間以内では行けるので
能登空港に朝一便と夜帰る便があれば
はるかに効率よいのになと。

ただボランティア受け入れられないのは
ボランティアを調整できないからなので
ボランティアを調整する人も
すでに入っている災害ボランティアに
任せればいいのになと。

輪島で自宅全壊した被災者でありながら
被災地支援も行なっている野水克也さんに
話を聞いたところ
水もトイレも宿もなくても
自立できるボランティアなら
ボランティア先を紹介できると
話していたので。
断水で拠点がないことと
金沢から来ると時間がかかることは
能登空港拠点で日帰りにすれば
随分解消できるのになと。

まあこれは私の個人的意見なので
いろいろエライ人たちが
考えてはいるんでしょうけど
いくらでも人手があった方が
いいのになと思います。

野水さんもいってましたが
話し相手になってくれる
ボランティアだけでも
めちゃ役に立つはずなので。

日帰りなら一般ボランティアも
持参する食料も
多くなくてもよいわけだし。

・金沢は東京と変わりない日常
金沢市内は日常。
スタバもやっていれば居酒屋もやっていて
なんの不自由もない東京と変わりない日常。

たかが数時間しか被災地にいない私でも
被災地移動している度に
どこにトイレあるのか？
コンビニあったけどやってない！
みたいな不便さが
車で3時間も行けば金沢があり
何不自由ない日常が広がっているのは
すごいギャップだなと感じます。

正直金沢観光って私個人的には
あんまりないよなと思いますが
金沢に旅行する分にはなんの問題も
ないと思います。

ただ！
たまたまだったのか
私が2泊した2/1、2/2は
金沢駅前のビジネスホテルは
ほとんどうまっていて
繁華街の方の片町周辺にある
聞いたことのない
チェーン店でもないホテルぐらいしか
なかったです。
でも2/3とかをみたら
駅前のチェーンホテルは
わんさか予約可能になってました。

・奥能登じゃなくても液状化がひどい場所が深刻
金沢から車で20分〜30分ぐらいの
内灘町やかほく市の大崎町の
液状化被害はやばいです。
ある意味では奥能登より深刻かもしれないぐらい。

もちろんすぐに金沢に行ける
距離の近さの安心感はあるものの
家も電柱も地面も道路も斜めってしまい
もはやここに住めるのかどうかも
わからないほどの被害。
富山の氷見も一部そんな状況。

どうしても奥能登だけに
思われがちな被害ですが
金沢や富山に近い場所でも
液状化で深刻な被災地もあることも
覚えておいてほしいなと。

・1ヶ月が過ぎて北陸以外の人は
かなり関心度は低いかも

これはいく前に書いた記事ではありますが
現地に行ってまた帰ってきて思うのは
石川能登地震に対する関心は
北陸以外の人はかなり
薄くなってるんじゃないかなと思います。

これからやっと表向きの
ボランティアも徐々に募集がはじまり
これからがいろいろと支援も必要になるものの
地震当初の「何かできることしなきゃ！」
という熱量は薄れていると
気にはかけていても
行動には結びつかないかなと。

まだまだメディアは随時能登地震情報を
報道しているものの
メディアの報道も減ると支援も減り
かなり被災地・被災者の復興復旧は
遅れることになるのではと思います。

野水さんが話していたように
１：金沢や加賀には観光に行く
２：水やトイレや宿がなくても
ボランティアしたいなら連絡を
３：被災地支援にお金を
の３つはできる方は
するとよいのではと思います。

以上、私が日帰りでわずかな時間
現地に行ってきた体験と感じたことです。
何度も被災地に行っている人や
現地にいる人とは感覚が違うとは思いますが
あくまで１つの何かの参考になればと思います。