「ちょっと、今日は朝から大事な会議が
あるんじゃなかったの?
……ったく、いつまでベッドと仲良くしてんだよ。
だいたい、そんなんだから翔くんは……おっと!!」
部屋に入って来るなり機関銃の如く喋りだした潤目掛けて、脱いだばかりのパジャマを投げつけた。
「朝からうるせぇよ」
「そりゃあ、うるさくもなるでしょ。
全然起きてこないんだから」
「だから今起きただろう」
「せめて雅紀が呼びに来た時に起きて欲しいね」
「雅紀が?」
俺を起こしに来たのか?
全然気づかなか……
「やっぱ、気づいてないんだ?」
はぁぁ……
潤の盛大とも言えるため息。
「な、なんだよ」
「別にぃ」
「言いたいことがあるならハッキリ言えよ」
昔はもっと可愛げがあったのに、今じゃどっちが上かわからない。
「そう言えばさ、もうすぐだね」
「何がだよ」
話しをはぐらかしたな。
「有紀さんの命日」
「…………!!」
勿論、忘れていたわけじゃない。
でも、あまりにも不意打ち過ぎて言葉に詰まった。
「とにかく、さっさと着替えて下りてきてよ。
メシ、冷めちゃうからさ」
言いたいことだけ言って潤は部屋を出て行き、残された俺は、それからまた暫く動けなかった。
つづく