君がいいんだ 67 | 嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんが大好き。
メンバー全員大好きですが、
特にも相葉くんに惹かれてやまない櫻葉erです。

ナイフで切りつけられた背中の傷より胸が痛い。


痛くて痛くて



「櫻井......」



櫻井、櫻井、助けて......



「おい、どうした!?」



えっ......



ノックもなく、いきなり開いたドア。


オレの傍に慌てるように駆け寄ってきたその人は



「さくら、い......?」


「大丈夫か?」


背中の傷が痛むのか?


「ちょっと待ってろ」


今、誰か呼んで......



ようやく来てくれたのに、またオレの前から居なくなろうとする櫻井のシャツを咄嗟に掴んだ。



「え?」


驚く櫻井。


「あ......」


慌てて手を離したオレ。



「ご、ごめん......なさい」


でも、ね


「平気......だから」


背中、痛くないから


「ホントに大丈夫なのか?」


無理してんじゃないだろうな?


「うん、大丈夫」


無理なんかしてないから。



「はぁぁぁ......」


大きく息を吐きながら、櫻井はベッドの側にあった椅子に座り込んだ。



「あの......櫻井......さん?」


「櫻井でいいよ」


「えっ!?」



どうして?


だって、呼び捨てにするなって

年上なんだから「さん付け」にしろって


まさか


それって、もしかして



「思い......出したの?」


オレのこと


オレ達のこと



僅かな期待を視線に乗せた。



「いや......」



櫻井は、悲しそうとも悔しそうとも取れるような顔で首を横に振った。



「そうか......」


そうだよね。


そう簡単にはいかないよね。



それくらい、オレだってわかっていたはずなのに


勝手に期待して

勝手にがっかりして


そんな自分がものすごく嫌だった。







つづく