ストーカーって何だよ。
なんで雅紀さんが……
気づいた時には、俺は教室を飛び出して3年教室に向かっていた。
「あれ、潤くん」
ちょうど廊下に出ていた雅紀さんが、俺に気づいて笑顔を見せてくれる。
こんなに綺麗に笑う人を追い回すなんて、いったい何考えてんだよ。
「雅紀さん、
ストーカーに遭ったってホント?」
「潤くん……」
「大丈夫なの?
ソイツに何もされなかった?
なんなら俺が……」
「潤!!」
雅紀さんに詰め寄る俺を制するように発せられた声。
振り向いた先にいたのは
「兄貴……」
冷たい眼差しに思わず怯んでしまった俺。
「1年生のお前が部活にも行かずに
こんな所で何してるんだ」
「お……俺は……雅紀さんのことが心配で……」
居ても立ってもいられなかっただけ。
「お前が言ったことはとっくに解決してる。
今更騒ぎ立てることも心配する必要もない。
分かったら、さっさと部活に行け」
「翔ちゃん……」
一方的に話しを終了させられ、それ以上何も聞けなかった俺は
その場から離れるしかなかった。
つづく