5/9(木) 赤毛のアン | かるたら日記   since December 29, 2005

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taraと柴犬の軽井沢日記です。
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そんな感じでやってます。

2024年05月09日(木)

 

「赤毛のアンと軽井沢展 @タリアセン睡鳩荘」を見たので、U-NEXT で赤毛のアン3部作を見ました。

 

 

赤毛のアン(2015年): プリンスエドワード島のマシュウ、マリラ兄妹の元に11歳のアン・シャーリーが孤児院からやって来た。農場の手伝いができる男子を希望していた二人だったが、好奇心旺盛で感受性豊かで空想好きで、容姿にコンプレックスを持つアンに情を感じるようになる。

 

赤毛のアン 初恋(2017年):赤毛をからかわれ、級友のギルバートを石板でなぐったアンだったが二人は少しずつ仲良くなっていく。「アストラットのエレイン」を演じたアンが増水した川に流されたところを救ったギルバートだったが、分別とロマンスの間で揺れ動く”悩める13歳”だったアンはギルバートに親友にはなれないと告げる。

 

赤毛のアン 卒業(2017年):アンとギルバート達は教員を目指してクイーン学院に進学。アンに拒絶されたギルバートはアンに冷たくあたる。成績トップで奨学金を獲得し、大学進学を決めていたアンだったが、マシューが突然亡くなったことで進学を取りやめ、教員になることにする。地元の学校の仕事をギルバートが譲ってくれたことを知り、二人は和解。5年振りに話をする。

 

小学生の頃、児童書で読んだことがあったけど、映像でプリンスエドワードの風景や、風俗を見られて楽しかった。

アンが住んだグリーン・ゲイブルズ・ハウスはテラスが広くて、今でもこんな別荘を建ててみたいと思うくらい素敵。

 

プリンスエドワード島で生まれ育ったマシュウ、マリラ兄妹は、「なぜ、この島の道は赤いの?」「プリンス・エドワードという人物はいるの?」「カモメはいつも空から海や草原を見られて素敵ね。」と、二人が見慣れた風景に新鮮な感動や疑問を投げかけてくるアンの感性に少しずつ惹かれていく。

特にマシュウとアンは会ったその時からお互いに「心の同類」だと感じていたのね。

そしてマシュウはアンが何を”やらかしても”、クスっと笑ったり、暖かいまなざしで見ていた。

アンが欲しがる物をプレゼントして、アンが喜ぶさまを見るのが何よりも嬉しかった。

だから、「卒業」でマシュウがこの世を去った時は、マリラとアンと同じように悲しくて、喪失感を感じたわ。

映画を見て、こんな感情に浸るって、何十年振りかしら。

マシュウ役のMartin Sheen(1940年~)の演技が染みたわ~。

 

アンの引き取り先が見つかって、駅に送っていったマシュウは、アンが初めてプリンス・エドワード島に来たときの尋ねた赤い土の理由について、農協の人に聞いて「鉄分のせいだ」と答えた。

 

陸上のトラックのように赤い色は、「ヘマタイト」と呼ばれる鉄酸化物(鉄さび)によるもので熱帯地域に多い。

4億年前、プリンスエドワード島は南半球の赤道近くに位置していて、熱帯環境を経験し赤い鉄酸化物を多く含む熱帯土壌が生成され、赤い砂岩としてプリンスエドワード島に堆積した。
その後、赤道を渡り、2億年ほどかけて現在の位置(カナダ)まで移動したのだ。

 

ひぇ~、約5000万年前にインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突したとか、約60万年前に伊豆半島が本州と衝突したとか言うのは聞いたことがあったけど、赤道付近の島が、カナダまで北上していたとは吃驚~。

 

映画で赤い道が見られたのは感動だったわ~。

 

「心の同類」と思える人に巡り合えたのは幸せね。

夫とは価値観は共有できるけど、心は同類じゃないかも~。

 

女子が集まってお芝居をしようと選んだ演目は、アーサー王物語の「アストラットのエレイン」。

 

アーサー王の話はてんで知らないけど、それは西洋の人々が浦島太郎やカチカチ山を知らないのと同じね。

「アストラットのエレイン」はそのアーサー王物語の一節で、ランスロット卿との悲恋で死んだ乙女の話。

 

(あらすじ)

『エレインは身分を隠すため、変装して槍試合に参加しようとしていたランスロット卿に出会い、恋に落ちる。

ランスロット卿に兄の武具を貸す際に、愛の印として赤いスカーフを身に着けて欲しいと頼んだ。

ランスロット卿はこれまで、そういったことはした事はなかったが、身分を隠す為に丁度良いとスカーフを身に着けて試合に出る。

試合後、瀕死の重傷を負ったランスロットを献身的に看護したエレインだったが、完治したランスロッドはエレインの愛を受け取らず宮廷に帰ってしまう。

悲嘆にくれるエレインは食事も睡眠も取らず、恋煩いで死んでしまう。

その後、エレインの遺言に従い、ランスロット卿への悲恋を書いた手紙を握り締めたエレインの遺骸は小舟に乗せてキャメロット(=アーサー王の王国、ログレスの都)へ流される。

ころを発見したアーサー王や円卓の騎士たちはエレインの悲恋に涙するのだった。』

 

アンが「赤毛がエレインを?」と驚いて配役を辞退しようとしたのは、エレインは絶世の美女という設定だから。

 

アンが扮した「エレイン」が川を流されていく…。

 

私、これを見てジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」を思い浮かべて、アン達の出し物ははシェイクスピアの「ハムレット」だと思ったけど、アーサー王物語だったのよね~。

アーサー王物語をまったく知らなかったのだから、当然、分らないわよね。

 

ジョン・エヴァレット・ミレー 「オフィーリア」

 

【「エレイン」と「オフィーリア」の区別の仕方】

溺死したオフィーリアは、水に体が沈みかけた悶絶の表情だけど、死して川に流されたエレインは小舟に乗っている

 

って、話がまったく逸れてしまったけど、「赤毛のアン」三部作は想像以上に感動しました。