先 立 お晩です。ナマハゲ来たす。
先立・主人 お目出度うございます。
主 人 寒びどご良ぐ来てけだすな。
先 立 山から来るに容易でねがったす。
ナマハゲ ウオー、(玄関で7回シコを踏む)泣ぐ子はいねが。怠け者はいねが。言うごど聞がね子どらいねが。親の面倒みない悪りい嫁いねが。ウオー(家中探しまわる)
主 人 ナマハゲさん、まんず座って酒っこ飲んでくなんしぇ。(ナマハゲ、お膳に着く前に5回シコを踏んで座る)
主人・ナマハゲ お目出度うございます。
主 人 なんと、深け雪の中、容易でねがったすべ。今年も来てけでえがったすな。
ナマハゲ 親父、今年の作なんとであった。
主 人 お陰でいい作であったすでば。
ナマハゲ んだが。まだいい作なるよう拝んでいくがらな。子どら皆まじめに勉強しているが。
主 人 おらい(私の家)の子どら、まじめで、親の言うごどよぐ聞ぐいい子だから。
ナマハゲ どらどら、本当だが。ナマハゲの台帳見てみるが。何々テレビばり見で何も勉強さねし、手伝いもさねて書いであるど。親父、子どら言うごど聞がねがったら、手っコ三つただげ。へばいづでも山がら降りて来るがらな。どれもうひとげり(一回)探してみるが。(ナマハゲお膳を離れる前に3回シコを踏む)。
ウオー、ウオー。(又家中まわる)
主 人 ナマハゲさん、まんず、この餅こで御免してくなんしぇ。
ナマハゲ 親父、子どらのしづけ(躾)がりっと(ちゃんと)して、え(家)の者皆まめ(健康)でれよ。来年まだくるがらな。
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秋田県の最西端、男鹿半島真山に伝わるナマハゲ行事、昭和53年、国の重要無形民俗文化財に指定されています。この問答はナマハゲ習俗を体験、理解する学習講座でのやり取りです。秋田に行けばどこの飲食店でもナマハゲを売りにしているので、もっとおどろおどろしいものと思っていました。しかしここ真山伝承館での実演は、顔に鬼面をつけ体に蓑をまとい、姿こそ恐ろし気ですが、家の主人との真面目なやり取りに思わず引き込まれていました。真山・本山に鎮座する神々の化身が、災禍を祓い豊漁・豊作・吉事をもたらす来訪神として丁重に迎えもてなす様子が、良くわかりました。また現場では半分か三分の一ぐらいしかわからなかった秋田弁、字にしてみればさすが日本語、全部分かってしまったのは驚きでした。
突然のナマハゲの紹介で失礼しましたが、「第81回京都家電旅行友の会」『新緑の秋田・青森、男鹿半島・白神山地・奥入瀬渓流』の第1日目の行事が大変興味深かったので、紹介してみました。この旅行の主催者、㈱杉本商事の社長は中学、高校の一年間先輩、家や事務所の電気関係を半世紀にも亘って、お世話になっていたのにこんな旅行があったのを全然知りませんでした。旅行中昔、シャープやナショナルが元気な時は、もっと豪華版やったでと聞きました。
2日目、最近有名なJR五能線から日本海を眺め、白神山地の十二湖へ、青池の透き通ったブルーが印象的でした。五所川原市へ入って立佞武多(たちねぷた)の館へ。紙と木だけでつくられた23メートルの高さの立佞武多が二基展示されていました。この夏の祭には現在制作中の一基とあわせ三基が練り歩くそうです。今年の2月にブラジルのサンパウロのカーニバルに参加した写真も展示されていました。
3日目、奥入瀬から十和田湖へ。奥入瀬渓流は3回目でしたが、相変わらず綺麗で俗化していないことに安心しました。十和田湖は震災の風評被害で観光客が激減し、土産物屋さんが無くなっているのに驚かされました。八甲田連山がずうっと望見できていました。三日間とも、非常に珍しい上天気でした。
今回の旅行は太平洋を見ながら仙台空港に着陸し、日本海に面した男鹿温泉へ。五所川原、青森市を通過してまたも太平洋側の古巻温泉。奥入瀬、十和田湖からは日本の背骨を走る東北自動車道を一路仙台まで1250キロのバス旅行でした。帰り際、添乗員にどうして秋田空港や青森空港を利用しないんですかと尋ねたところ、青森、秋田は小型機しか飛んでいないので60人以上の団体は利用しにくいんだそうです。