「太極その一」の一挙動目は下段払いです。

1挙動目の下段払いを「前蹴りを払う」と解釈します。

しかし実際に組手の中で、型通りに下段払いをしても、上手く払う事ができません。

組手ではバックステップや、前足を引く等を加える必要があります。

ではなぜ型では、組手で必要な要素が無いのでしょうか?

単に太極その一が初心者向けの型だからでしょうか?

 

・反応できない打撃

下段払いに限らず、約束事ではない忖度の無い攻撃に対応するのは困難です。

また実際にはどんな攻撃がくるのか解りません。

前蹴りを払おうと思っていても、突きがくるかも知れません。

 

何が来るかわからない戦いに慣れるには、約束組手だけでなく自由組手や試合を繰り返すしかありません。

しかしどれほど自由組手を繰り返しても、ノーモーションの打撃を対処する事は困難です。

とりわけ0.2秒以内に放たれる打撃は、理論上人間の反応速度の限界を超えているので、反応しようとしても当たってしまいます。

 

・誘い

いくらノーモーションの打撃でも、打撃が当たる間合いに入らなければ当たりません。

しかし、ノーモーションの打撃を対処する為に、ずっと間合いに入らないようにすると、自分の攻撃も当たりません。

よって組手では否が応でも、相手の間合いに入る局面があります。

この時、意識的に相手の間合いに入り、

 

「誘い」

 

を行います。

しかし誘いの意図が相手にバレてしまう事があります。

またバレても尚、ノーモーションの打撃は当たってしまう事があります。

 

・待つのではなく出させる

視点をノーモーションの打撃を放つ側に変えます。

自分がノーモーションの打撃を放てるとして、どんなタイミングで放つでしょうか?

 

1.届く間合い

2.当てたい箇所が空いている

3.カウンターのタイミング

 

これら三つの要素が揃った時、上級者ほど無意識的に打撃を放ちます。

実際、ほぼ確実に当たるタイミングだからです。

 

そこで、再度視点をノーモーションの打撃を受ける側に変えます。

先ほど述べた三つの要素の初動をつくります。

この時、相手がノーモーションの打撃を放ちます。

しかしあくまで三つの要素の「初動」な為、相手が予測した位置とは若干遠くなります。

 

結果として、紙一重で見切ったような形になります。

目視による反射神経で、0.2秒以内に放たれる打撃を「見切る」事は不可能です。

実際は高確率で打撃が放たれる隙を敢えてつくり、相手の打撃を戦略的に出させた結果によるものです。

 

・弱さを演出する

誘いによる戦略を成立させるには、相手に

「隙がある」

「当たる」

と思わせる必要があります。

つまり相手の深層心理に一瞬でも「弱い」と認識させるのです。

 

相手に一瞬でも弱いと認識させるには、一瞬本当に弱くなる必要があります。

本当に弱くなっている為、はじめは失敗するリスクもありますが、弱さを誘いとして演出できれば、より高度な戦術を使えるようになります。

 

このように型の1挙動目の初動を「誘い」と解釈すると、ノーモーションの打撃を対処する事ができます。

 

【太極その一の秘密】

1.十字を切る意味

2.左横移動から始まる意味

3.弱さと誘い

4.追い突きはどう使う?

5.運足と投げ

 

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