想定外の軌道を持つミニ海王星 | 宇宙とブラックホールのQ&A

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2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

 ・想定外の軌道を持つ「ミニ海王星」を発見

 アストロアーツ6月18日付記事、元はアストロバイオロジーセンターです。

 想定外の軌道を持つ「ミニ海王星」を発見 - アストロアーツ (astroarts.co.jp)

 

 概要>赤色矮星の周りを公転する系外惑星が新たに発見された。その大きさや質量から、海王星に似た「ミニネプチューン」とみられ、想定外の楕円軌道を持つものも含まれている。

 

 >アストロバイオロジーセンターの堀安範さんたちの研究チームは、NASAの系外惑星探査衛星「TESS」と地上望遠鏡による連携観測から、4個の赤色矮星を回る系外惑星を新たに見つけた。これらの惑星は「スーパーアース(地球よりやや大きな岩石惑星)」と海王星(地球半径の約4倍、地球質量の約17倍)の中間に当たる大きさで、「ミニネプチューン(サブネプチューン)」と呼ばれる規模の惑星だ。

 

 アストロバイオロジーセンターは自然科学研究機構の一部で、センター長は田村元秀さん。

 自然科学研究機構とは、国立大学法人法により設立された大学共同利用機関法人で、国立天文台、核融合科学研究所、分子科学研究所、基礎生物学研究所、生理学研究所などからなります。

 国立天文台以降の5研究所がメインの研究所で、それより一段下がるものとしてアストロバイオロジーセンターと生命創成探究センターがあるようです。

 次の組織図をご覧ください。

 自然科学研究機構(NINS)ホームページ

 なお、アストロバイオロジーセンターの研究者の方々は、全員が他の大学や研究機関との併任のようです。

 

 TESS は、NASAのエクスプローラー計画に基づき2018年4月に打ち上げられた宇宙望遠鏡。

 名称は、トランジット系外惑星探索衛星(Transiting Exoplanet Survey Satellite)の頭文字をとったもの。

 ケプラー宇宙望遠鏡の400倍の面積をトランジット法を用いて観測し系外惑星を探索することをミッションとします。

 近点高度が10.8km、遠点高度が37.5km、軌道周期は13.7日。

 

 次は、新たに発見・確認された4つの系外惑星の基本データです。

 . 惑星  TOI-782b TOI-1448 b TOI-2120 b TOI-2406 b 

 公転周期(日)  8.02    8.11    5.80   3.08

 半径(地球半径) 2.740   2.769   2.120   2.830

 質量(地球質量) <19.1   <19.5   <6.8   <15.6

 距離(光年)   170    240    105    180

 領域    からす座 ケフェウス座 カシオペヤ座 くじら座

 

 >堀さんたちはTESSが検出した系外惑星候補を、スペイン・テネリフェ島テイデ天文台の1.52m TCS望遠鏡やハワイ・ハレアカラ天文台の2m FTN望遠鏡などを使って追観測し、TOI-782 b、TOI-1448 b、TOI-2120 bの3個の系外惑星を新たに発見した。また、惑星であることがすでに判明していたTOI-2406 bについても、地上観測で重元素量などを新たに求めた。

 

 TCS望遠鏡は、カナリア天体物理研究所が所有する主鏡口径 1.52 m の望遠鏡。

 名称は、Telescopio Carlos Sánchez の頭文字をとったものです。

 場所は、スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島の標高 2387 m に位置するテイデ天文台内にあります。

 

 FTN は Falcon 望遠鏡ネットワークの略で、米国空気力学会の物理学部門における宇宙空間認識研究センターにより開発された小型開口望遠鏡のグローバルネットワーク。

 米国内外にいくつもの望遠鏡をもっています。

 ハワイ・マウイ島のハレアカラ火山は標高 3055 m 。

 ただ、ハレアカラ天文台については情報が得られませんでした。

 

 >今回見つかったミニネプチューンの半径は地球の2~3倍とみられる。また、惑星の重力によって主星が動く速度をすばる望遠鏡の近赤外分光装置「IRD」で観測した結果から、惑星の質量はいずれも地球の20倍以下と見積もられた。

 

 >4個の惑星の質量と半径の関係は、岩石惑星よりは海王星のような惑星に似ている。そのため、これらの惑星は水の氷や水蒸気のような揮発性物質を固体の核や大気として含んでいる可能性が高いようだ。

 

 半径が地球の2~3倍という規模だけでミニネプチューンになるわけではなく、密度やその背後にある惑星の物質構成も判断材料に含まれるのですね。

 

 ここで、アストロアーツ掲載の下の画像をご覧ください。

 発見された4つのミニネプチューンのイメージ図です。

 中心星に近い惑星は時間とともに円軌道へと変化しやすいが、今回発見された系外惑星のうち3個は、10億年以上の年齢を持つにもかかわらず楕円軌道を保っているとみられる、としています。

 

 >4個の惑星は全て、年齢が10億歳以上の赤色矮星の周りをおよそ8日以下の短い周期で公転している。そのうち少なくとも3個(TOI-782 b, TOI-2120 b, TOI-2406 b)は、離心率が0.2~0.3の楕円軌道を持つらしいこともわかった。一般に、赤色矮星のごく近くを回る惑星は、主星からの潮汐力を受けて変形する「潮汐摩擦」によってエネルギーを失い、公転軌道が楕円から円に近づいていくことが知られている。だが、これら3個の惑星は誕生から長期間が経っていると考えられるにもかかわらず、楕円軌道を保っている。これは、惑星の内部構造が潮汐力の影響を受けにくいものである可能性を示唆するもので、やはり岩石惑星よりは海王星のような惑星に似ていることを示すデータだ。

 

 赤色矮星の周りを10億年以上公転し続けた惑星たちということですが、生命の存在は期待できないのでしょうかね?

 

 潮汐摩擦で公転軌道が楕円から円に近づくという点については、残念ながら公転軌道を変化させるメカニズムが理解できませんでした。

 惑星が加熱するのは分かるのですが。

 したがって、「岩石惑星よりは海王星のような惑星に似ていることを示す」という理由も分かりません。

 

 >今回見つかったような公転周期の短いミニネプチューンは、NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による大気観測の目標天体としても重要だ。さらに詳しい追観測が行われれば、短周期ミニネプチューンの内部組成や大気の性質をより深く理解できるかもしれない。

 

 系外惑星では、木星型惑星が主星の近くを公転するホット・ジュピターとか軌道離心率が極端に大きいエクセントリック・プラネットとかいう分類は知っていましたが、短周期ミニネプチューンという分類もあるのですね。

 こうした観測を通じて惑星のあり方に関する一般的な理論が徐々に構築されていくのでしょう。

 

 

 ★ 水道の水がぬるま湯になっています。マンションだと屋上に給水槽を設けるので、夏は熱せられるため、水が腐らないよう塩素を大量投入しなければなりません。暑い時期が長く続くのは、いろいろな面で不都合があります。

 

 ★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス209

 しばらく掲載を中断していましたが、再開します。「えらい小さなワニさん」の歌とその後の感想の部分でつまずいたので、その箇所を飛ばします。

   ni’o .abu ca lo nu cusku di’u cu fa’a ni’a catlu lo xance gi’e se spaji lo nu viska lo nu .abu pu ca’o dasni pa lo cmalu ke blabi ke kanba gluta pe la ractu ze’a lo nu tavla

  [新段落] こう言いながら手を見下ろしてみると、・・・

 di’u : いま言ったこと。代項詞KOhA2類

 fa'a : ~へ/に/を方向として。間制詞(空間・方向)FAhA4類 <- farna

 ni’a : ~の下方に/下側で。間制詞(空間・方向)FAhA2類 <- cnita

 catlu : 見る/見つめる/見入る,x1は x2を。-cta- 「見極める」も [生命・知覚・視覚]

 xance : 手だ,x1は x2(本体)の。-xan-, -xa’e- [生命・動物・身体部分]

 

 gi’e でつながった複述構文で、今回は gi’e の前までを取り上げます。

 主述語は { cu fa’a ni’a catlu } 「見下ろす」で、そのx1が .abu 、x2が { lo xance } 「手」です。

 x1と主述語の間に、間制節 { ca lo nu cusku di’u } 「こう言いながら」が挟まっています。

 ni’a は「下方で(場所)」ですが、 fa’a を前に付けると「下方に(運動の方向)」になります。

 出典は、

 lo selfri be la .alis. bei bu'u la selmacygu'e (lojban.org)