アストロアーツ2月26日付記事、元は(株)アストロスケールです。
商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」打ち上げ - アストロアーツ (astroarts.co.jp)
概要>2月18日、商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」が打ち上げられた。ADRAS-Jは宇宙デブリに接近して調査を行うという世界初の技術実証に挑む。
>日本時間2月18日(日)23時52分、株式会社アストロスケールの商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」(Active Debris Removal by Astroscale-Japan)を搭載した米・ロケット・ラボ社のロケット「Electron」が、ニュージーランド・マヒア半島の発射施設から打ち上げられた。
株式会社アストロスケールは2013年創業。
アストロスケール, 宇宙の持続可能性の確保 (astroscale.com)
ホームページを見ると、「宇宙の持続可能性の確保」「サステナブルに未来の宇宙をつくる」といった言葉が並んでいます。
“Space Sweepers” とあるのは「宇宙の掃除屋さん」ですね。この意味はこの後の解説で分かってきます。
同社の創業者兼CEOの岡田光信さんは、1973年生まれなので今年51歳。
Wikiで岡田さんの項目を拝見すると、東大農学部卒→同修士課程修了→大蔵省主計局→MBA取得→マッキンゼー入社→・・・と華麗なるご経歴の持ち主です。
とりあえずは打ち上げ成功、おめでとうございます!
>ロケットは計画通り飛行し、高度約600kmでADRAS-Jを分離した。その後、ADRAS-Jと地上局との間で正常な通信が確立され、打ち上げは成功した。
>1957年に世界初の人工衛星が打ち上げられて以降、人工衛星の軌道付近にはロケットの残骸や小さなパーツなどが増え続けている。このような「スペースデブリ」と呼ばれる宇宙ごみは、他の人工衛星や国際宇宙ステーションでの有人活動に対する大きな脅威だ。JAXAでは深刻化するスペースデブリ問題の改善を目的として、日本由来の大型デブリの除去を民間企業と協力して実施するプログラム「商業デブリ除去実証(CRD2)」に取り組んでいる。
デブリは英語の debris ですが、元がフランス語なので末尾の s は発音しません。
「(事故・爆発などの)残骸、破片、がれき」という意味です。
近年よく聞く「燃料デブリ」は福島第一原発事故で炉心が溶融し溶けた燃料などが冷えて固まったもののことですね。
もちろん、ここでのスペースデブリは全く違いますが、どちらも困り物である点は共通です。
>CRD2は、デブリへの接近・撮影の技術実証を行う「フェーズ I」と、実際にデブリを捕獲して大気圏に再突入させる「フェーズ II」で構成される。ADRAS-Jは、そのフェーズ Iを行う技術実証衛星として選定・開発されたもので、デブリに安全に接近して調査を行う世界初の技術の実証を行う。
技術実証衛星なので、これ自体が宇宙ゴミをホイホイと集めて処理するというものではないようです。
その前の段階ですね。
>対象となるデブリは、2009年に打ち上げられたJAXAのH-IIAロケット15号機の上段(全長約11m、直径約4m、重量約3t)だ。この物体からは位置情報などは発信されていないため、ADRAS-Jは地上からの観測データや、ナビゲーションセンサーやランデブー機能といったADRAS-Jが持つ高度な技術を駆使してデブリに接近し、デブリの運動や損傷・劣化といった状態がわかる映像を取得する。その作業は、高速で移動する乗り物に乗りながら、特定の物体を望遠鏡や双眼鏡や虫眼鏡に切り替えて観察するようなものだという。
2009年打ち上げのH-IIAロケット15号機の上段という特定の宇宙ゴミに接近して、状態の分かる映像を取得するということです。
>ADRAS-Jは、デブリの定点観測と周回観測の後、最終接近実験を実施し、デブリから離脱して安全な軌道に移動しミッションを終了する。ADRAS-Jによる技術実証が成功すれば、実際にデブリを捕獲して大気圏に再突入させる「フェーズ II」実施の足がかりとなる。
これが成功したら、次は実際にデブリを捕獲して大気圏に再突入させる「フェーズ II」実施というわけです。
簡単にはいきませんね。
>「衛星打ち上げという大きなマイルストーンの一つを達成することができました。本ミッションで実証する技術は、デブリ除去を含む軌道上サービスの中核となるものです。本物のデブリを対象としてこれを実証することは、当社だけでなく、世界の宇宙産業界にとっても大きな一歩と言えるでしょう。まさに、宇宙のロードサービス時代の幕開けです。ご支援いただいた皆様にお礼と感謝を申し上げるとともに、本ミッションの実現に取り組んできたアストロスケールのチームを誇りに思います」(アストロスケール 加藤英毅さん)。
近年は宇宙開発においてアメリカをはじめ民間企業の活躍が目立ち、日本でもロケット打ち上げなどで頑張っている会社があります。
宇宙のお掃除(デブリ除去)という他国も行っていない分野で日本の民間企業が活躍する日が早くやって来ることを期待します。
★ 今日は地元の桜の名所まで散歩の足を伸ばしました。この時期だけ売っている桜もちソフトクリームを舐めながら、曇り空の下、桜を観賞して歩きました。
ようやく花見ができるくらいには開花しましたが、満開はまだです。近年は地域の桜祭りを散った後に行っていましたが、今年はほとんど花が咲いていなかったこの前の日曜に祭りを行ったはずです。気象という自然現象に依存するとはいえ、うまくいかないものですね。
散歩コース途中にある小さな動物園が併設された公園には、小さい子どもたちとその親がたくさんいました。小学校は今週末まで春休みのようです。
★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス185
.i se ki’u bo .abu ca lo nu la ractu cu jibni cu co’a cusku se pi’o lo lauble je toldarsi voksa
そこでウサギが近くに来たときに、小さなおどおどした声でこう切り出しました。
seki’u : ~を(理由によって)起こして。法制詞BAI*類 <- krinu,x2
jibni : 近い/近似している,x1は x2に x3(性質)に関して。-jbi- [空間・相対位置]
cusku : 表す/言う/表現する,x1(者)は x2(内容)を x3(聴衆)に x4(媒体)で。-cus-, -sku- [言語・メッセージ] 口言葉に限らない。
sepi’o : ~を使って。法制詞BAI*類 <- pilno 使う x2
lauble : (声/音が)静かだ,r1=c1は 観測点c2で c3=t3を基準として <- lau+ble, lau<- cladu, ble<- ruble
cladu : うるさい/やかましい,x1は x2(観察基点)・x3(照合枠)において。-lau- [生命・知覚・聴覚]
ruble : 弱い/ひ弱/虚弱/微弱/華奢だ,x1は x2(性質)・x3(基準)において。-rub-, -ble- [物理世界・物性]
je : ~と~。論理積(AND)。接続詞(論理・後置・tanru)JA類 -jev-, -jve-
toldarsi : 臆病だ/恥ずかしげだ/どぎまぎした/気乗りしない <- tol+darsi, tol<- to’e
darsi : 大胆に振舞う/図太さを見せる/厚かましい,x1(者)は x2(事/行為)に関して;x1は あえて/思い切ってx2を する。[生命・評価]
voksa : 声だ,x1は x2(本体)の。-vok-, -vo’a- [生命・知覚・聴覚]
最初の { se ki’u bo } で、前の文で述べたことの結果として起こったことを意味しています。
主述語は { cu co'a cusku } 「話し始める」で、そのx1がアリスの代項詞 .abu です。
主述語とx1の間に、間制節 { ca lo nu la ractu cu jibni } 「ウサギが近くに来たとき」が挟まっています。
また、後ろから { se pi’o } が導く法制句が掛かっています。
法制句内の項 { lo lauble je toldarsi voksa } 「小さくておどおどした声」は、論理積 je 抜きのtanru { lauble toldarsi voksa } でも意味はほぼ同じです。
出典は、