目次
1.王将戦
2.今後のタイトル戦
3.女流棋界
4.ミス日本「海の日」は引き角女子
5.藤井八冠、NHK杯の解説に
1.王将戦
昨日と本日、1月27・28日(土日)、菅井竜也八段が藤井聡太王将に挑戦する第73期ALSOK杯王将戦七番勝負第3局が島根県太田市「国民宿舎さんべ莊」で行われました。
振り飛車党の先手菅井八段の作戦で戦型は向かい飛車となりましたが、藤井王将が1日目から有利となり徐々に差が開いて、2日目の夕方に94手で菅井挑戦者の投了となりました。
第1局、第2局が三間飛車だったのに対し、本局は向かい飛車と趣向を変えてきたのですが、終わってみれば本局も挑戦者のメンタルが心配になるほどの完封勝ちでした。
次回東京立川での4局目は藤井王将の先手番なので、このまま行くと昨年秋の竜王戦と同様にストレートで防衛となりそうです。
某レーティングサイトでみると、トップの藤井八冠のレートが2100台なのに対し、2位の伊藤匠七段が1892なので、200以上の空白ができています。
もはや2日制のタイトル戦では、藤井八冠から1勝をもぎ取るのも大変というほど実力に差がついていると感じます。
第73期ALSOK杯王将戦七番勝負(2024年1~3月)
王将 藤井聡太八冠 vs. 挑戦者 菅井竜也八段
2日制・持時間8時間・ストップウォッチ
主催 毎日新聞、スポニチ 特別協賛 ALSOK
通算 王将戦 日にち 先後 戦型 手数 勝敗
421 第1局 24/1/7,8(日,月祝) 後手 三間飛車 116 ○
424 第2局 24/1/20,21(土,日) 先手 三間飛車 113 ○
426 第3局 24/1/27,28(土,日) 後手 向飛車 94 ○
第4局 24/2/7,8(水,木) 先手
第5局 24/2/17,18(土,日) 後手
(注) 通算は藤井王将の通算対局数。先後と勝敗は藤井王将から見て。
王将戦 場 所
第1局 栃木県大田原市「ホテル花月」
第2局 佐賀県上峰町「大幸園」
第3局 島根県大田市「国民宿舎さんべ莊」
第4局 東京都立川市「オーベルジュ ときと」
第5局 大阪府高槻市「摂津峡花の里温泉 山水館」
2.今後のタイトル戦
新年松の内から王将戦七番勝負が始まりましたが、2月にはそれと並行して棋王戦五番勝負も始まります。
挑戦者は藤井八冠と同学年の伊藤匠七段。
昨年、竜王戦でランキング戦5組優勝から決勝トーナメントも勝ち上がり、藤井八冠に挑戦するところまで行きましたが、残念ながらストレートで敗退しました。
この結果、竜王戦は1組所属となりましたが、これも「竜王戦ドリーム」を半分くらい実現したと言えるんじゃないかな。
棋王戦五番勝負の日にちと場所は次の通り。
第48期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(2024年2~3月)
棋王 藤井聡太八冠 vs. 挑戦者 伊藤匠七段
1日制・4時間・ストップウォッチ
主催 共同通信社 特別協賛 KONAMI
棋王戦 日にち 場 所
第1局 24/2/4(日) 富山県富津市「新川文化ホール」
第2局 24/2/24(土) 石川県金沢市「北國新聞会館」
第3局 24/3/3(日) 新潟県新潟市「新潟グランドホテル」
第4局 24/3/17(日) 栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」
対局場所を見ると、富山、石川、新潟と北陸が続いており、棋王戦は「北陸シリーズ」と呼びたくなりますね。
能登半島地震の被災者の方々がお二人の対局から少しでも元気を得られますように。
合わせて、タイトル戦の年間スケジュールも載せておきます。
年間のタイトル戦スケジュール
棋戦 時期 序列 番勝負 持時間等 主催
1 名人戦 4~7月 2位 七番勝負2日制9時間 朝日新聞・毎日新聞
2 叡王戦 4~6月 4位 五番勝負1日制4時間 不二家
3 棋聖戦 6~8月 8位 五番勝負1日制4時間 産経新聞
4 王位戦 7~9月 3位 七番勝負2日制8時間 新聞三社連合
5 王座戦 9~10月 5位 五番勝負1日制5時間 日本経済新聞
6 竜王戦 10~12月 1位 七番勝負2日制8時間 読売新聞
7 王将戦 1~3月 7位 七番勝負2日制8時間 スポニチ・毎日新聞
8 棋王戦 2~3月 6位 五番勝負1日制4時間 共同通信社
(注) 主催は日本将棋連盟以外の主催者。
本来ならば現在のタイトル保持者名も記載するところ、すべて藤井聡太八冠になるので、省略します(^^;
このすべてに藤井八冠が登場するわけで、藤井八冠は一年を通してそのとき最強の相手とタイトル戦を戦っているわけです。
ただ藤井八冠が防衛するのはすでに当たり前のようになっているので、今後の興味は
・最初に八冠を崩すのは誰なのか、それはいつになるのか
・名誉称号の獲得
というところでしょうかね。
まあ私としてはいつまでも藤井八冠でいてほしいと願っています。
3.女流棋界
女流四冠の里見香奈さんのご結婚が1月1日に発表されました。
里見香奈女流四冠に関するご報告|将棋ニュース|日本将棋連盟 (shogi.or.jp)
> 日頃より、将棋界に多大なるご理解ご協力をいただきまして、誠にありがとうございます。
里見香奈女流四冠(31歳)が昨年結婚し、本年より「福間(ふくま)香奈」として活動することとなりましたことをご報告させていただきます。
<本人のコメント>
日頃よりご尽力をいただいております皆様には心より感謝申し上げます。私事ですが、昨年結婚いたしました。姓は変わりますが、今後ともよろしくお願いいたします。 <
福間女流の愛称は「出雲のイナズマ」なので、ネットでは「出雲のニイズマ」という表現も見られました。
お相手は、奨励会三段まで行った福間健太アマ。
現在はネット将棋教室を開いている方です。
講師紹介 - 福間健太ネット将棋教室 (fukuma-netshogischool.com)
女流棋界には現在8つのタイトルがありますが、福間女流と西山朋佳女流が4冠ずつ分け合っています。
両雄相譲らず、といったところでしょうか。
名前 番号 生年月日(年齢) タイトル
福間香奈 33 1992/3/2 (31) 清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花
西山朋佳 73 1995/6/27(28) 白玲、女王、女流名人、女流王将
(注) 番号は女流棋士番号。
白玲、清麗、倉敷藤花といったタイトル名は、男性棋戦ではあり得ず、女流らしく好ましいと思います。
福間女流、西山女流のお二人とも奨励会三段まで行っています。
また、福間女流は2022年、女性初のプロ編入試験を受験していますが、3勝で合格のところ、残念ながら3連敗で不合格となりました。
現在、奨励会には中七海(なか・ななみ)三段が在籍しています。
女性の奨励会員であっても参加できる女流棋戦もあるのですが、中三段は女流棋戦には一切参加せず、奨励会一筋です。
成績の良い年もあるものの突破はなかなか叶わず、すでに25歳に達しており、万一年齢制限で退会後は先輩二人と同様に女流棋士になるものと予想されます。
ただ、中三段より下には有望な女性奨励会員が存在しないため、そうなると「女性棋士」の誕生は当分先になりそうです。
もう一つ、半年ほど前の出来事ですが、この機会に甲斐智美(ともみ)女流五段の引退についても触れておきます。
甲斐女流は、昨年2023年1月に連盟に引退届を提出。
7月3日に公式戦最後の対局を終えています。
名前 番号 生年月日(年齢) 引退時の段位 女流通算成績 タイトル獲得
甲斐智美 21 1983/5/30(40) 女流五段 360勝222敗 計7期
甲斐さんは2010年から2015年まで女流タイトルを通算7期獲得しましたが、近年はあまり名前をお見掛けすることがありませんでした。
これも時代の流れですが、それなりの活躍をした女流だけに、「ひっそりと引退」したような感があります。
引退後もそれなりに充実した生活を送られることをお祈りします。
4.ミス日本「海の日」は引き角女子
ミス日本については、両親がウクライナ人の椎野カロリーナさんがグランプリになったということで、いろいろ議論があるようです。
私の個人的意見では、
・国籍が日本
・日本語が普通に話せる
・日本文化をおおむね尊重する
という条件さえ満たしていれば、両親の出自を問う必要はないと思います。
で、将棋記事としてはそれが本題ではなく、グランプリを含め5人いる中のミス日本「海の日」に選ばれた有馬佳奈さんの方です。
ミス日本「海の日」 有馬佳奈(ありま・かな)
出身:鹿児島県
年齢:22
身長:157 cm
職業:大学生
趣味:将棋、ピアノ、クラリネット
特技:ドローンの電装技術
将来の希望:航空機技術の発展に貢献し、遠い世界や宇宙を身近に感じたい。
コメント:私はドローンを作ることができます。9月にアメリカで開催された模擬人工衛星の世界大会にドローンの部門で出場しました。そんな私の原点は高校一年生の時に初めて飛行機に乗り、なぜこんな重いものが飛ぶのか不思議に思ったことでした。そこで飛行機に興味を持ち、さらに航空機が空気抵抗を減らし飛ぶことができる構造、リブレット構造を知りました。これからは、航空宇宙工学の研究者になるべく、日々研究に打ち込みます。
インスタグラムでのご発言では
>私は小中学校を日本三大砂丘の一つ吹上浜のある南さつま市で過ごしました。その間、吹上浜のクリーン作戦のボランティア活動に参加したり、ウミガメの産卵観察、潮干狩りをするなど、海は身近な存在でした <
とのことで、ミス日本「海の日」にふさわしい方です。
東京大学教養学部在学中。
お名前は、『推しの子』の登場人物の一人と同名。その愛称は「重曹ちゃん」。
ネット上では
>ミス日本海の日、東京大学で航空宇宙工学、ドローン電装、重曹ちゃん、引き角女子
設定もりすぎ <
という声も見られました。
で、問題の趣味将棋ですが、
ツイッター改めXで、
>高校生で将棋の全国大会に出場したことから得意な戦術をコメントしたところ、思いもせず、トレンド入りした引き角女子です <
その引き角というのは、将棋界に凄八として知られる飯島栄治八段の『飯島流引き角戦法』を飯島八段の著書で勉強されたというのですね。
将棋は飛車と角という大駒を活躍させて勝つゲームなので、「角道を開ける」のと「(飛車を振らなければ)飛車先を突く」のが必須のはずですが、あえて角道を開けずに銀を上げそこに角を引いて活用するのが引き角戦法のようです。
その後、飯島八段と有馬さんの対面も実現したようで、有馬さん以上に飯島先生が喜んでいるようです。
お気持はよく分かります(^^
刀を振り上げている写真が凛々しいミス日本のもう一人、ミス日本「水の天使」の安井南さん(19歳, 170cm)は、特技が「古武術、空手、剣道」で、趣味が「木刀素振り」。武士道精神を伝えるのが夢とのこと。
結婚されたら、相手の男性は浮気も夫婦喧嘩も絶対にできないでしょうね(^^;
5.藤井八冠、NHK杯の解説に
最初に書いた通り、本日1月28日は王将戦第3局の2日目でしたが、午前中10時半からの第73回NHK杯3回戦第8局佐々木勇気八段対古森悠太五段の対局で、藤井聡太NHK杯が解説を行いました。
分身の術、ではなくて(^^;、王将戦はリアルタイム、NHK杯は録画です。
聞き手は中村桃子女流。
どのような局面でも的確な解説内容、ニコニコの表情、優しいけどハッキリした話し方など期待通りの素晴らしい解説でした。
これまでも感想戦や行事での挨拶などはいくらでもありましたが、自分の対局ではないのに1時間半も将棋の解説をしてくれるのは嬉しいですね。
先週1月21日(日)は藤井NHK杯と久保利明九段の対局(3回戦)、今日1月28日(日)は藤井NHK杯の解説、来週2月4日(日)は藤井NHK杯と伊藤匠七段の対局(準々決勝)と、NHK杯では毎週藤井NHK杯を見られます(^_^
スイマセン、番組名と肩書が同じNHK杯で分かりづらいですね・・・
★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス157
.i .ua .ai mi dunda ca ro xisyjbenunsla lo cnino cutci re mei li'u»
そうねえ。クリスマスごとに、新しいブーツをあげようっと」
.ua : 発見。新しく知った/見つけた/気づいた気持。心態詞(純粋感情UI1類
.ai : 志向。行為する/働きかける/つもりがある気持。心態詞(命題態度)UI1類
xisyjbenunsla : クリスマスだ,n1は s1により祝わわれる s3という活動で <-xis+jbe+nun+sla, xis<- xriso キリスト教系, jbe<- jbena 生まれた, xun<- nu 事象抽象, sla<- salci 祝う
cnino : 新しい,x1は x2(者)にとって x3(性質)・x4(基準)に関して。-nin-, -ni’o-
cutci : 靴だ,x1は x2(足/ひづめ)を覆う/守るための x3(素材)の 。-cuc- ブーツtupcutci、サンダル、下駄、草履も
主述語は dunda 「与える」で、そのx1が mi 、x2が { lo cnino cutci re mei } 「英a new pair of boots」です。
対を表すときは後ろに { re mei } を付ければよいのかな?
最初に心態詞が純粋感情と命題態度の2つあり、また途中に { ca ro xisyjbenunsla } 「クリスマスごとに」が挿入されています。
出典は、