2024年世界10大リスク(ユーラシア・グループ) | 宇宙とブラックホールのQ&A

宇宙とブラックホールのQ&A

2019年6月6日にYahoo!ブログから引っ越してきました。よろしくお願いします。

 昨年から年頭にユーラシア・グループが発表する「10大リスク」を載せることにしました。

 「国際政治経済のリスク」という切り口です。

 今年は1月8日発表とのことで、NHKウェブサイトから引用します。

 ことし最大のリスクは「アメリカの分断」 米調査会社 | NHK | トランプ前大統領

 

 Wikiによると、ユーラシア・グループ(Eurasia Group)は世界最大の政治リスク専門コンサルティング会社。

 1998年に政治学者のイアン・ブレマーが設立。

 毎年1月にその年の世界の10大リスクを発表しています。

 

 以下、基本的にはNHKの引用ですが、各項目の元の英語名を付けておきます。

 Eurasia Group | The Top Risks of 2024

 

 >アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」が1月8日に発表した「ことしの10大リスク」は、以下のとおりです。

 

 1「アメリカの分断」(The United States vs. itself)

 11月の大統領選挙に向けてさらに政治的分断が深まり、地政学的な不安定さを世界にもたらす可能性がある。

 

 2「瀬戸際に立つ中東」(Middle east on the brink)

 イスラエルとハマスの戦闘を終わらせる明確な方法はなく、この戦闘をめぐる政治的分断が世界に影響を与える。

 イエメンの反政府勢力フーシ派による船舶への攻撃で物流網への影響なども懸念される。

 

 3「ウクライナの事実上の割譲」(Partitioned Ukraine)

 ロシアは現在、戦場での主導権を握っており、アメリカの支援などが滞る中、ウクライナの領土が事実上、ロシアに割譲される可能性がある。

 

 4「AIのガバナンス欠如」(Ungoverned AI)

 企業がほぼ制約を受けないままさらに強力なAIモデルなどが開発され、政府のコントロールを超えて普及する可能性がある。

 

 5「ならず者国家の枢軸」(Axis of rogues)

 ロシア、北朝鮮、イランというならず者国家が、ロシアによるウクライナへの侵攻以降、協力関係を深め、既存の制度や原則を弱体化させようとしている。

 

 6「回復しない中国」(No China recovery)

 すでに外国人投資家の撤退など不調の兆候があったが、中国政府が金融のぜい弱性や需要不足に対応できず、中国経済の回復は難しいだろう。

 

 7「重要鉱物をめぐる争奪戦」(The fight for critical minerals)

 重要鉱物はイノベーションから国家安全保障まで、事実上、すべての領域で大切だが、その生産地は一部地域に偏り、各国政府は価格変動を増大させるなど保護主義的な措置をとる可能性がある。

 

 8「インフレによる経済的逆風」(No room for error)

 しぶといインフレに起因する高金利が、世界中で成長を鈍化させるだろう。

 

 9「エルニーニョ現象の再来」(El Nino is back)

 異常気象によって、食糧難、水不足、物流の混乱、病気の流行、政情不安などをもたらすだろう。

 

 10「分断化が進むアメリカでビジネスを展開する企業のリスク」(Risky business)

 大統領選挙が近づくにつれて国内市場が分断され、全米に展開する企業は特定の州の市場からの撤退などを迫られる可能性がある。 <

 

 まとめると、

 アメリカの政治的分断、中東問題、ロシア・ウクライナ問題、AI、ならず者国家枢軸、中国経済、鉱物資源争奪、インフレと高金利、異常気象、アメリカでのビジネスリスク

 となります。

 リスク項目によって「可能性がある」となっているものと「~だろう」となっているものがあります。

 前者は実現した場合の問題が大きく、後者は実現しそうだというものです。

 昨年私がこの10大リスクで初めて見て、その後あっという間に実現したのがチャットGPTでした。悪い面ばかりではありませんでしたが。

 今年の予測も、残念ながらいくつかは実現すると思います。

 

 1のアメリカの分断化とその悪影響10が重視されていますが、これ以上の分断化は日本にとっても望ましいものではありません。
 

 6の中国経済については、私は昨年夏から日本のバブル崩壊と同様に中長期的に厳しい状況が続くと考えてきましたが、今回の予測もほぼ同様の見通しとなっていると思います。

 

 

 ★ 新年になってまた新しいアニメのシリーズが始まっています。また、昨年から続いているシリーズも、主題歌が変わっていたりします。覚えなければいけない歌が増えて大変です。誰から強制されているわけでもないけど(^^;

 

 ★★ 今日のロジバン 不思議の国のアリス143

   .i ku’i la .alis. tai se tcaci lo nu kanpe lo nu no na’e tolfadni cu fasnu

  でも、アリスはへんてこりんなことを期待するのに慣れすぎていました。

 tai : ~に似た形をした。法制詞BAI類 <- tamsmi 似ている

 tcaci : 習慣/慣習/風習/慣行/習性/性癖/慣わしだ,x1は x2の x3(条件)における。-cac- x3は「時代」など

 kanpe : 予期/期待する,x1は x2(事)を x3(確率)で。試験的gismu

 na’e : 段階否定「~以外の/ではなく」。段階詞NAhE類。-nal-

 tolfadni : 風変わりな/奇妙な<-tol+fadni, tol<- to’e対義語にする

 fadni : 平凡/通常/普通だ,x1は x2(性質)・x3(集合)において。-fad-

 fasnu : 事/出来事/事件/事象/現象だ,x1は;起こる/生じる/発生する,x1は

 

 主述語は { se tcaci } で、tcaci のx1が { lo nu kanpe } 以降の抽象節、x2が { la .alis } ですが、転換 se で逆にしています。

 抽象節の主述語は kanpe 「期待する」で、そのx2(事)が再度 { lo nu no na’e } 以降の抽象節となっています。

 第2の抽象節内の主述語は { cu fasnu } 「起こる」で、そのx1が三重否定 { no na’e tolfadni } であり、「風変りでないことは何一つ起こらない」となります。

 出典は、

 lo selfri be la .alis. bei bu'u la selmacygu'e (lojban.org)