超準解析入門の入門1:https://ameblo.jp/karaokegurui/entry-12538313977.html
超準解析入門の入門2:https://ameblo.jp/karaokegurui/entry-12538320696.html
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2 さまざまな無限大自然数とその大小
超準自然数の中に無限大が“どのくらい”存在するのか調べてみましょう。
まず、(1)の各項に1を加えた数列から得られる無限大、同じく2を加えた数列から得られる無限大、一般にmを加えた数列から得られる無限大が思い浮かびます。
(以下「から得られる無限大」が煩わしいので、適当に省略します。)
また、各項を2倍、3倍、一般にはm倍した数列もそうです。
そして、各項を2乗、3乗、一般にはm乗した数列もそうです。
さらに、べき乗関数より指数関数の方が“ずっと速く”大きくなることが知られています。
それらの数列の第n項どうしの大小比較を行うと、有限個の項を除き、すべて後のものほど大きいことが分かります。
そこで、それらの間には次の順序関係が存在すると考えることができます。
[(1, 2, 3, ・・・, n, ・・・)] < [(2, 3, 4, ・・・, n+1, ・・・)] <・・・
< [(1+m, 2+m, 3+m, ・・・, n+m, ・・・)] <・・・
< [(2・1, 2・2, 2・3, ・・・, 2n, ・・・)] < [(3・1, 3・2, 3・3, ・・・, 3n, ・・・)]
<・・・< [(m, 2m, 3m, ・・・, mn, ・・・)] <・・・
< [(12, 22, 32, ・・・, n2, ・・・)] < [(13, 23, 33, ・・・, n3, ・・・)] <・・・
< [(1m, 2m, 3m, ・・・, nm, ・・・)] <・・・
< [(21, 22, 23, ・・・, 2n, ・・・)] < [(31, 32, 33, ・・・, 3n, ・・・)] <・・・
< [(m1, m2, m3, ・・・, mn, ・・・)] <・・・
ただし、mは正の整数。
以上から、さまざまなタイプの無限大が存在し、“より大きい無限大がいくらでも作れる”、つまり「最大の無限大は存在しない」ことが分かります。
それでは、無限大の最小元は存在するのでしょうか。
最初に出てきた(1, 2, 3, ・・・, n, ・・・)より小さい無限大は存在するかどうかを考えてみます。
まず(0, 1, 2, ・・・, n-1, ・・・)はより小さいことが分かります。
そして、(0, 0, 1, 2, ・・・, n-2,・・・)はさらに小さいことも分かります。
そうすると、与えられた無限大よりいくらでも小さい無限大を作ることができるので、「最小の無限大は存在しない」ことが分かりました。
より小さい無限大を作る方法としては、最初に0の項を挿入する以外にも、 (1, 1, 2, 2, 3, 3,・・・)のように1つの自然数を2回(一般にはm回)繰り返す方法などもあります。
さらに、(1, 2, 2, 3, 3, 3, 4, 4, 4, 4,・・・)のように自然数nの項をn回繰り返すというやり方は、先に行くほど増え方が小さくなります。
それらの大小関係は次のようになっています。
[(1, 2, 2, 3, 3, 3, 4, 4, 4, 4,・・・)] <・・・
< [(1, 1, 1, 2, 2, 2, 3, 3, 3,・・・)] < [(1, 1, 2, 2, 3, 3,・・・)]
<・・・< [(0, 0, 1, 2, ・・・, n-2,・・・)]
< [(0, 1, 2, ・・・, n-1, ・・・)] < [(1, 2, 3, ・・・, n, ・・・)]
------------ 続 く -----------
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