視覚障害生活百科 -2ページ目

視覚障害生活百科

まったく見えない私が、どんな風に日常生活を工夫しているのかを紹介していきます。
毎日を過ごす上で視覚障害者の生活って一般に知られていないなと思うことが多々あります。
また、中途失明の方も増えています。
微力ながら、このブログが情報源になればと思っています。

どうもです。

前回の続きです。

●洗う
食器に限らずですが、私たち視覚障害者が何かを洗う時に大切なことは、順序を決めて満遍なく洗うということだと思います。
食器は比較的触ることで汚れ具合がわかりますが、やはり一目でという訳にはいきません。
触って汚れが分かりづらいものについては、とりあえず満遍なく洗うしかありません。
私が食器を洗う時は、内側の底→内壁→縁→外壁→外側の底の順に洗います。
特に、内側の底と内壁の間、そして縁の部分は、汚れが残りやすいので、スポンジ越しに指先をしっかり当てて洗います。
見えないならではの工夫と言う訳ではありませんが、食器は汚れの少ないものから洗い、洗い終わった食器は元の位置に戻すか、開いているスペー
スに順々に動かしていきます。
前回洗う前に食器を整理したことが、ここでも役立ちます。
私の場合、最初にコップ類を洗い、箸やスプーンを立てかけて動かない様に置ける場所を確保します。

●濯ぐ
左手で食器を持って、右手で水道水が食器に当たる部分に軽く触れます。
両手を動かして水の当たる位置を変えていきます。
指の間から食器に水を当てるイメージでしょうか。
洗う時と同じ様に濯ぐ順番を決めて満遍なく濯ぐと良いでしょう。
食器に触れている手で、洗剤や汚れの残り具合を確認します。
この時、手が洗剤で泡立っていると、食器に残った洗剤なのか、手に付いたそれなのかの判別が難しくなるので、濯ぐ直前に手の泡を先に洗い流し
ておきます。
これをしておくと、食器かご(水切りかご)に食器を移動する時に、他の食器に手が触れて泡が付くということも防ぐことができます。
私の場合、まずは箸やスプーンを濯ぎながら同時に自分の手の泡も落とすようにしています。
その後の順番は、食器かごに居れる順番や、位置がイメージできているとスムーズです。
食器かごから食器がはみ出していると、移動の際に体を引っ掛けて思わぬ事故につながることがあるので注意が必要です。

●収納
過去の記事でも書きましたが、置き場所を決めて元の場所に戻すのが基本です。
家族との共用だとなかなか協力してもらうのが大変なのですが…。

どうもです。

しばらくの間、視覚障害者が街を歩くというテーマで記事を書いてきましたが、今回からは視覚障害者の生活というところに話を戻していきたいと
思います。
今回からのテーマは食器洗いです。
私はあまり料理ができないので、毎日調理をしている方々の目線で書くことはおそらくできないかとは思いますが、基本的なところを書いていけれ
ばと思います。

●洗う前の準備
食器の破損や積まれた食器の崩落を防ぐために準備が必要です。
また、この準備は作業スペースの確保や、作業効率アップにつながります。
具体的には以下のことを行います。

①包丁は安全のために別にしておく。
過去の記事でも書きましたが、使用後すぐに洗って片付けておくのが一番の安全対策です。

②鍋や釜などは別にしておく。
作業スペース確保のために、また油汚れを他の食器や手に移さないために行います。
手に油汚れが付いていると、触って汚れを確かめるのに、食器の汚れなのか、ての油なのかがわからなくなります。

③箸やスプーンなどは1か所にまとめておく。
箸やスプーンはあちらこちらに散らばって迷子になりやすいものです。
コップに立てておく、特定の食器の陰に沿わせて置いておくなど、1か所に動かない様にまとめておくと良いでしょう。

<因みに>
箸は、見えないと片方がどこかに迷子になりやすいもの。
形や肌触りが異なるものを揃える、全て同じものにする、食器を下げる際に輪ゴムなどでまとめておくなどの対策が考えられます。

④食器の中の不純物を取り除く。
食器に残った魚の骨やソースなどは予め取り除いておきます。
これらで手がぎとぎとになってしまっては、しっかり洗えているかどうかがわかりません。

⑤食器を作業しやすいように整理する。
種類別や汚れ具合によって整理します。
毎日使う食器は大まかには決まってくるもの。
種類別に置くスペースを決めておくと作業がスムーズですし、他の食器にぶつけて食器が置けないなんてことも減らすことができます。
私の場合は、まず右手前コーナー(我が家では排水溝から最も離れている)にコップを集めます。
お椀類、小鉢類、深皿類、皿塁等と形別に重ねて行きます。
脂が気になるものは別に取り除いておくか、排水溝の近く(下流)に別に置きます。

⑥食器かご(水切りかご)を片付ける。
食器かごに入れる時、どうしても手で触って入れる位置を確認しなくてはいけません。
食器が山のように残っていると崩落の原因になります。

次回に続きます。


どうもです。

前回の続きです。
場面別の案内(エスコート)方法を紹介していきます。

●曲がる。
案内されている時でも、自分で歩いている位置を常に確認しておきたい、今後のために道順を知っておきたいという視覚障害者もいます。
そんな時、曲がる際に90度の角度ではっきり曲がるとわかりやすくなります。
「右に曲がります」など言葉をかけるとより丁寧でしょう。
見える方方は、歩いている時に直角に曲がるということはあまりせず、緩やかな弧を描いて方向を変えるということが多いですね。
実はそのような緩やかな方向転換は、一緒に歩いている視覚障害者にとっては、曲がっているという感覚として感じづらいのです。
視覚障害を持つあるお子さんが、大人に連れられて何度も学校と最寄り駅の間を歩いたにも拘わらず、その道のりを一本道だと思っていたという嘘
の様な実話もあるのです。
実際は何度も曲がるのですが、緩やかな方向転換をしていたのでしょうね。

●狭い処。
案内する人と視覚障害者が横に並んで歩けない狭い処を歩く場合です。
状況から、背中を押されたり、後ろから両肩をつかまれたりということも多いです。

①案内する人は、視覚障害者に狭い処を歩く旨を伝える。
慣れている視覚障害者だと、言葉にせずとも次の②の動きだけで伝わることもあります。

②案内する人は、視覚障害者につかまれている方の腕を背中に回す。
視覚障害者が右、案内する人が左の立ち位置なら、右腕を体感の横から背中の方に回します。
自分の肘を背中の後ろに隠す動きといえば伝わるでしょうか。

③視覚障害者は、案内する人の後ろに入ります。
案内する人の動かす肘に引かれるようにして、背中の後ろに入ります。
肘をつかんでいる方の腕は、通常時よりもお腹の正面の方に来ますね。

●階段。
①案内する人は、立ち止まって階段があること、上り下りの別などを伝えます。
「上り階段です」、「段が2段、下りです」などという様に伝えるとよいでしょう。
伝えるタイミングとして、5メートル、10メートルも手前から伝えてしまうと、視覚障害者はどこから始まるんだろうと逆に心配になってしまい
ます。
始まる1歩手前くらいで問題ありません。
また、過去の記事にも書きましたが、階段には真っ直ぐ(ステップに直角)に近づくことが大切です。

②視覚障害者は足の裏や白杖で階段の位置を確認します。
かかる時間は慣れているかどうかや、白杖を持っているかどうかで変わってきます。
白杖を持っている慣れた視覚障害者なら1秒とかからないでしょう。

③準備ができたら歩き出す。
案内する人の立ち位置は通常時と変わりません。

④階段の終わりに来たら、案内する人は立ち止まってそれを伝える。
立ち止まる時間は③と同じです。
白杖を持っている人は、きっと自分でも確認しているでしょうから、省略しても問題ないこともあります。
上り階段は、空想上の新たな階段に上がって1瞬の空中浮遊をすることになるのでお気を付けください。

<因みに>
人によっては、あるいは場面によっては、手すりを使って、一人で、自分のペースで階段を上り下りした方が良いという方もいます。
その場合は、①の後、案内する人が視覚障害者の手を持って、手すりの位置を教えてください。

●エスカレーター
基本的には、階段の案内の仕方を応用します。
片側に寄らなければならない時は、狭い処での案内方法を応用します。
手すりを使って、一人で利用する場合は、過去の記事も合わせて読んでいただければと思います。

●椅子やテーブルに案内する。
案内する人は、視覚障害者の手をとって、机や椅子の位置を教えてください。
椅子の座り方については過去の記事でも紹介しています。

●視覚障害者と別れる、待機してもらう。
案内が終わって分かれる時、あるいは一時的に離れる時は、視覚障害者が自分の立ち位置や向いている方向をしっかり把握できるようにすることが
必要です。
そうでないと、別れた後に道を見失ってしまったりということにつながります。
視覚障害者は広い空間を歩く際にとても神経を使います。
不安を覚える方もいます。
視覚障害者と離れる際は、点字ブロック、柱、壁など、現在地がつかみやすい処で離れることが不安軽減につながります。

<因みに>
これは徒歩の時以外でも、車やタクシーから下車する際にも同じことがいえます。

●その他。
脚の悪い人やあまり歩きなれていない人は別ですが、点字ブロックに沿って歩くことは視覚障害者が自分の立ち位置や向いている方向を把握する材
料になります。
また、周囲に見える景色について話すことは、視覚障害者への大切な情報になる他、会話の種にもつながります。


どうもです。
今回は、わかりやすい案内(エスコート)の基本方法を書いていきます。
視覚障害者界隈では「手引き」と呼ばれています。

●街中で遭遇するわかりづらい、怖い案内の仕方。
①後ろから背中を押す。
前に危険なものがないかの不安感と、自分のペースで歩けない恐怖感があります。

②腕やリュックなどを引っ張る。
自分のペースで歩けない恐怖感と、行くべき方向が分かりずらいという不安感があります。

③白杖をつかむ、引っ張る。
よほどの信頼関係がない限り、最もやってはいけません。
過去の記事でも書きましたが、視覚障害者は杖先で周囲を確かめながら歩いています。
それは、誰かに案内をお願いしている時も例外ではありません。
言うなれば白杖は体の一部。
見える人がいきなり目隠しされて引っ張られるのと感覚は同じです。

④向かい合って両手をつかむ。
まあ、ただただ歩きづらいですね。

●正しい基本姿勢。
①案内する人は視覚障害者の横に立ちます。
一般的には視覚障害者は白杖を右手に持っているので左側に立つのが良いでしょう。
(以下、この形で説明していきます。)

②視覚障害者は案内する人の肘の少し上をつかみます。
視覚障害者の左手で、案内する人の右腕をつかみます。
案内する人と視覚障害者の間に身長差がある場合は、肩に手を置いても良いでしょう。
案内する人がお互いの手の甲を合わせるように視覚障害者に触れると、慣れている視覚障害者が腕を辿って肘をつかむことができます。

③準備ができたら歩き出します。
案内する人は視覚障碍者の1歩先を歩くようにします。
この時、案内する人の腕が、あまり体幹から離れない様にします。
これにより、視覚障害者は肘の腕の動きから、案内する人の向きや、階段の高さなどを知ることができます。

●視覚障害者の様子を観察する。
腕をつかんでいる視覚障害者の肘の角度を観察することで、歩くスピードが適切かを判断する材料になります。
肘が伸びている場合は、少し早いのかもしれません。
また、腕をつかむ手の力加減によっても、歩くスピードの具合や、視覚障害者の緊張度、不安度を知ることができるでしょう。

●わかりやすい案内の方法を伝える。
街中を歩いていると、わかりづらい、怖い案内に遭遇することがあります。
私がまだ慣れていなかった頃は、そんな時、せっかくのご厚意だからと、こちらでできるところは対処しつつそのままにしていました。
しかし、それを繰り返していく内、視覚障害者を知ってもらうために、そして、お互いに気持ちよくその時間を共有するためには、伝えるべきこと
は伝えた方が良いと思うようになりました。
不安を顔に出してしまっては、お互いに良い気分ではいられません。
もしかしたら、図々しいと思われる方もいらっしゃるのかもしれません。
「肘につかまらせていただいても良いですか。」
他人にお願いすることが未だに得意でない私が、今、案内をお願いする時に、最低限伝えなければいけないなと思う一言です。

次回は、階段や狭いところなど、場面に応じた案内の方法を紹介したいと思います。

どうもです。

街の歩き方についてずっと書いてきましたが、やはり誰かに案内をお願いするということは多いものです。
私たち視覚障害者を見守ってくださる方、そして声をかけてくださる方、快く案内を引き受けてくださる方には本当に感謝しています。
慣れてないから、上手にできないからと心配される方に出会いますが、アクションを起こしてくださるだけでとてもありがたいのです。
確かに最初は、真意をつかめず戸惑うこともありますが、そんな時でも段々と感謝に変わっていきます。
私自身、毎日同じ場面で助けてもらうのに、その人の声を聞いたことがないなんてこともあるのです。
ただ、可能ならお互いに気持ちよく、そしてスムーズにその瞬間を迎えたいものです。
そこで今回からは、私たちがわかりやすい案内の仕方、声のかけ方について書いていきます。
もし、今後私たちと出会うことがある時は、少しでも参考になればうれしいです。
そして、私たち視覚障害者も、どうすればわかりやすく、お互い気持ちよくなるかを、知っていることが大切だと考えます。
勿論、完璧を求めるというものではありません。
もう一度書きますが、アクションを起こしていただけるだけで助かるのです。

●わかりやすい声のかけ方
過去の記事でも書いていますが、私たち視覚障害者は、声をかけられているのが自分であることに気付いてないことがあります。
声をかけられたのが自分でないのに返事をしてしまっていたたまれなくなるのは嫌なので、私は自分なのかな?と思ったら立ち止まり、声の方向に
顔を向けて様子を見ることにしています。
もしかすると、気が付かずに結果的に無視する形になってしまっていることもあるかもしれません。
それでは、どのような声のかけ方がわかりやすいのか書いていきます。

①正面、もしくは横から近づいて声をかける。
遠くからや後ろからの声かけだと、声は聞こえていますが、その声が誰に話しかけているのかの判断に迷います。

②「白い杖の方」、「視覚障害の方」などと声をかける。
いきなり本題を話始めるよりも、自分が声をかけられていることにいち早く気づけます。

③話しかけると同時にそっと腕に触れる、肩をたたく。
無言で行うと恐怖心を与えてしまうことがあるので注意が必要です。
また、強く掴んだり引っ張ったりは誤解に繋がります。
さすがに極端ではありますが、無言で急に後ろから襟首をつかまれて反撃してしまったという友人を知っています。
まあ、この場合、視覚障害の有無は関係ないですね。

④「こっち」や「そこ」などの指示語を使用しない。
過去の記事でも書きましたが、私たちはどこを指しているのかがわかりません。

●最後に
声をかけて断られたらどうしようと心配される方もいらっしゃる様ですが、例え断ったとしても多くの視覚障害者は気にかけていただいたことに感
謝しています。
断る理由には、普段から歩き慣れている場所でほとんどトラブルは起こらないとか、あまり人に頼るのが上手でないとかいろいろ要因はある様で
す。
断られた時は、「お気をつけて」と一言言って離れれば大丈夫です。
もし、それでも心配ならそっと見守ってください。
残念ながら、私たち視覚障害者の中には、気持ちの良い頼み方、断り方が得意でない方がいる様です。
急いでいたり、疲れていたりなど、いつも平常心ではいられませんし、いろいろ思うところもあるのでしょう。
しかし、勇気を出して声をかけていただいた方のために、そして他の支援を必要とする視覚障害者のために、感謝の気持ちを忘れないでいただきた
いと強く思います。






どうもです。
駅を利用するのに必要な情報の2回目です。

●事前に調べる
地図を見ることのできない私たちにとって、全ての情報を独力で調べるのはなかなか難しいでしょう。
インターネットで調べる場合、地図やYouTube動画などで説明しているものはたくさんありますが、私たちがアクセスできる言葉で説明しているも
のはなかなかありません。
運賃、時刻表、乗り換え経路、南蛮船から発射かなどは各乗り換え検索サイトで調べることができるでしょう。
ジョルダンでは、駅は限られますが、本当に簡単に言葉で乗り換え経路が記載されていることがあります。
ホームの形や駅の簡単な構造を知るには、Wikipediaで○○駅と検索すると便利です。(当たり外れはありますが)
視覚障害者向けに、公共機関や駅内の言葉での道案内を作っている「ことばの道案内 ことナビ」では、東京メトロの駅の階層構造など、駅の簡単
な基本構造を知ることができます。
あとは、質問投稿サイトや個人サイトで良い情報が見つかることを願うしかありません。

●現地で得られる情報
(1)点字による情報

①階段手すりの表示
階段の手すりの端には、その階段の先には何があるのかが書かれています。
コンコース側には、右が1番線○○方面、左が2番線○○方面という表示があります。
ホーム側には、どこのコンコース、改札に通じているのかが書かれています。
階段が終わったら、どちらの方向に行けばよいかが書かれていることもあります。

②車両番号の表示
車両のドア(取っ手の上方)には点字で車両番号とドア番号が書かれていることがあります。
ホームドアの脇にも、車両番号やドア番号の表示があり、その他に進行方向や、先頭車両の番号が若い番号なのか、大きい番号なのかが書かれてい
ることもあります。

3.その他
なかなか見つけにくいのですが、点字の運賃表や構内図があることがあります。

(2)音声

①階段や改札付近の音声チャイム
階段や改札付近には、その位置を知らせるために音声チャイムが設置されています。
「ぴんぽーん」や「ぴよぴよ」といった音を聞いたことがある方もいるでしょう。
ただ、ホームの端などで階段から離れていたり、周囲が騒がしかったりすると聞こえないことも多々あります。
また、スピーカーの設置位置によっては、その位置が分かりづらいこともあり、階段の裏側に行ってしまったりということもあります。

②駅構内、車内の案内放送
ホームでの放送は、車両の長さや電車の行先、現在の電車の状態などを知るための大切な情報です。
線路毎に、男女の差などの声質の違いをつけたり、発射ベルの音を変えたりなどの工夫がされていることもあります。
車内での放送では、現在地や、乗り換えるホームの番号などを知ることができます。

③エスカレーター、トイレ等での音声ガイド
エスカレーターでは、上り下りの違いや行先を、トイレでは男女の違いや入口の方向を案内する音声ガイドが流れていることがあります。

④自動改札機の音
初めて来た駅などでは、改札の方向を知るための手掛かりとなります。


どうもです。

今回からの2回は、鉄道駅を利用するのに必要な情報についてまとめてみたいと思います。
既に、過去の記事で電車の乗り降りの工夫や、ホームの安全な歩き方について紹介していますので、そちらも是非読んでいただければ幸いです。

●駅員さんによる介助
さて、本題に入るために、前々回の記事で書いた駅員さんによる解除について補足しておきましょう。
駅を単独で歩くことが大変な方は、同行援護等の福祉サービスや、駅員さんによる介助がお願いできることは既に書きました。
駅員さんに解除をお願いする時は、時間に余裕を持った日程を組むことをお勧めします。
駅員さんによる解除はリレー方式で行われています。
A駅では改札から乗車まで、B駅では下車してから乗り換える電車の乗車まで、C駅では下車してから改札までという感じです。
駅員さんも責任がありますから、乗換駅や下車駅、電車の乗務員さん等に事前連絡をする必要があり、1分後に発射する電車にすぐに乗るという訳
にはいきません。
また、介助をお願いする時には、他に介助を必要としてる利用者もいますし、専属の業務ではないので他の対応をしていたり、広い駅では到着まで
時間がかかったりと、待ち時間が多く発生します。
私の経験では、ある程度の余裕を持った移動計画を提示して、何時までに到着したい、何時の電車に乗りたい等と相談すると比較的スムーズです。
駅の広さや忙しさ、担当する駅員さんによって大きく左右されるので、実際にはなかなか時間が読みづらいのですが。

●駅利用前に知っておきたい情報
さて、本題に入りましょう。
私は、駅を利用するには以下の情報が必要だと考えています。

(1)最低限必要な情報

①何線のどこ行に乗るのか。(各駅・快速の別、乗り換え経路など)

②どこの改札、出口に行きたいのか。(○○改札、○○口など)

当たり前の部分ですが、駅員さんに案内をお願いするにしても、最低限これくらいの情報は必要でしょう。

(2)単独で歩くことを考えるなら

③発射時刻と運賃。

④何番線から発射するのか。

⑤ホームの形。
ホームの両側に線路がある(島式ホームなど)、片側だけに線路がある(相対式ホームなど)。

構造が単純な駅ならこれくらいの情報でどうにかなります。
⑤はホームを安全に歩くためにも事前に知っておきたい情報です。

(3)脳内マップを作ってスムーズに歩くために

⑥線路の並び。
平行に並んでいる、立体交差している)、
欠番がある、
線路の走る方向(東西、南北など)。

⑦コンコース(連絡通路)の数と位置。
通路の名前(○○通路など)、
ホームのどこにあるか(端にある、中央にあるなど)、
ホームとの高さの違い(ホームから階段を上がる、階段を下るなど)、
改札口、出口、ホームへの階段との関係(特に2つ以上コンコースがある場合)。

⑧停車する電車の様子。
何両編成か、
車両番号(先頭は若い番号か大きい番号か、増結車両があるか、階段の位置の車両番号など)。

特に複雑な構造の駅では、これくらいの情報は必要でしょう。

次回は、これらの情報の集め方について書いていきます。


どうもです。

道の覚え方について前回の続きです。

●道順の情報を得る
点字の地図なんてものはそうそうありませんから、言葉で説明されているものにしかアクセスできません。
電話で道順を伝える感じといえばわかりやすいでしょうか。
ただ、最近はインターネットで手軽にマップを見ることができるので、道順をたずねようと店に電話してもホームページを見てくださいと言われ、
なかなか説明してくれないことも多いようです。
インターネットで言葉による説明に出会えるのもなかなかレアです。
基本的には、「何番目の信号を右に」とか、「どこの角を左に」とかという説明になるでしょうか。
ただ、単独で歩くにはこれらの情報だけでは、元々よく知っている町でない限り、なかなかの挑戦になるでしょう。
けれど、いろいろな助けを借りるための材料には十分なりえます。
・スマホのアプリを補助に使う。
・タクシーの運転手さんに道を説明する。
・場所を目印毎に小出しにして道行く人に道案内をお願いする。
視覚障害者の中には、こうやって挑戦を繰り返していろいろな街およく知っている方もいらっしゃるようです。

●確実に道を覚えるために
通勤路や自宅種変など、よく使う道についてはもっとしっかり道を覚える必要があるでしょう。
過去の記事で、私たちが白杖を使って歩く時、何を目印に自分の位置を確かめるのかを書きました。
私は、点字ブロックか、道の端のいろいろな障害物を頼りに、自分の現在地、交差点の位置などを確認します。
・2つ目の路地を超えて、ブロック塀が切れた2メートル先くらいにバス停がある。
・網の蓋(グレーチング)がある側溝が終わって3つめの電柱をこえた処で反対側に道を渡るとポストがある。
・カーブミラーがある路地を曲がって、パチンコ屋の音がする場所を過ぎ、坂を下りた処の路地の角に目的の店がある。
といった感じでしょうか。
「そのまま行くと電柱にぶつかるよ。」
などと、道を歩いていると言われることもあるのですが、今日もいつものポイントに白杖が当たったというのは、私たちにとっては、大切な安心材
料なんですね。

●道を覚えるために考慮すべき点。
(1)迷いづらい、歩きやすい道を選択する。
過去の記事でも書きましたが、私たちが迷いやすいポイントというのがあります。
例えば、
・角が丸く切り取られた曲がり角。
・道との境界線がはっきりしない駐車場。
などです。
可能なら回避する方がよいでしょう。
道を変えるとか、道の右(左)側から反対側に移動するなどの方法があります。

(2)道を外れた時のリカバリー策を考える。
何度も同じ歩いていても、自転車を避けようとしたとか、何かにきを取られているうちに、いつもの道を外れてしまうということがよくあります。
大きな交差点を横断するとか、上記に挙げた迷いやすいポイントを歩かなければならないということもあるでしょう。
以前にも書きましたが、体の向きが10度変われば、それに気づくまでに大きな誤差になってしまいます。
自分の癖を考慮しつつ、白杖がいつもの電柱に当たらず、草むらに当たったから右に外れたなという風に、道を外れた時の判断基準を持っておくと
安心です。


どうもです。
いつもながら、不定期更新で申し訳ありません。
現在ちょっとネタ不足です。
視覚障害者は見よう見まねができません。
そんな中で迷うのです。
今、私がやっていることは、一般的にみんながやっていることなのか。
それとも、視覚障害者ならでは、自分ならではのものなのか。
このブログのネタを考えていても、そんな迷いばかりです。

とまあ、話が脱線してしまいましたが、今回からは道の覚え方についてです。

●下調べの必要性
視覚障害者にとって、外出前の下調べはとても重要なことです。
視覚障害者は、周囲の様子を一度に確認できません。
そのため、脳内にマップや空間を思い浮かべながら歩きます。
音や触角の手掛かりを頼りに、自分がそのマップや空間のどこにいるかを確認しながら歩いています。
下調べした情報やそれまでの経験は、脳内マップを作るための材料となるのです。
また、ある程度の情報を持っていないと、迷った時などに案内をお願いしたり、道を聞いたりするのに、自分がどこに行きたいのかを説明できませ
ん。
最近では、アイフォンを使う視覚障害者も増えて、またGPSの誤差も少なくなる方向にああります。
音声ナビアプリや、目的地までの距離と方向を知らせるアプリなどを上手に使いこなしている方もいるようです。
スマホにマップの表示ができれば、道案内を依頼することもスムーズかもしれませんね。
どうしても、単独で歩くのは難しいという方は、同行援護等の福祉サービスを利用したり、鉄道会社で行ってる乗車駅改札から下車駅改札までの駅
員による案内等を利用したりするのも方法です。

●脳内マップの作り方
一般的に道を覚える方法は2つあると言われています。
(1)歩いている人目線で、右、左という風に覚える方法(ルートマップ)
(2)上から見た目線(地図目線)で、東、西、南、北という風に覚える方法。(サーベイマップ)
見える見えないに関係なく、(1)か(2)の得意な方を、あるいは両方を使いこなしているのではないかと思います。
私は、主に(2)で道を覚えて、実際に歩く時にそれを(1)に変換して使用します。
その理由は3つあります。
①場面毎に右、左と覚えるよりも、1枚地図を脳内にイメージした方が覚えやすい。
子供の頃から、地図を見るのが大好きでした。
②行と帰りの両方を覚えなくて良い。
道全体を一望できない視覚障害者にとって、同じ道でも、その右側を歩くのか、左側を歩くのかでは、まったく別のものになります。
往路と復路では別物と言っている方もいらっしゃいます。
ただでさえ、覚えることが多いのです。
③駅の東口、西愚痴など、ポイントと方向から脳内イメージが作りやすい。

さて、今回は抽象的な話ばかりになってしまいました。
次回は、どんな情報を集めるのか、何を目印にして歩くのかについて書く予定です。



あけましておめでとうございます。
今年も不定期、マイペースな更新になるかもですが、長い目でお付き合いいただければと思います。

さて、今回は、私が街を歩く時に他人をケガさせないために気を付けていることをまとめたいと思います。
過去記事で書いた部分と重複するところも多いかと思いますが悪しからず。

●左腕の位置
体幹が人や物とぶつかると、ぶつかった方も、ぶつかられた方も大きな衝撃になります。
自分が痛いのは勿論、周囲の人を吹っ飛ば仕手怪我でもさせたら大変です。
そこで、左腕をセンサー替わり、そして衝撃を和らげる身代わりにします。
左腕は胸の前で輪を突く寮に(胸の前で何かを抱えるように)前に出して歩きます。
指先を右に向け、手の甲を正面、手のひらを自分の方に向ける感じです。
ただし、手首と指先は軽く曲げて指先が自分の方に向いてた方が良いでしょう。
間違っても手のひらや指先を前に向けてはいけません。
付き指やいろいろな誤解の原因になります。
そして、当たり前のことですが、腕や手の甲でもぶつかったら。しっかり謝ります。
人ごみでは、右腕も白杖を短く持ってますので、衝撃を緩和することに繋がります。
ただし、衝撃は緩和できるのですが手の甲の傷は絶えません。

●人ごみでは白杖は短く持つ
自分の足元をしっかり確認するには、白杖を十分に伸ばすことが必要ですが、人ごみでこれをやると、前から横から来た周囲の人の足を引っかける
ことに繋がります。
皆さん、人ごみで足元はほとんど見ていない。
そして朝の通勤ラッシュではその状態で人が本気で走ってくる。
派手に転ばせて怪我をさせたら大変ですし、白杖が何本あっても足りません。
普段より白杖を短く持ったり、垂直に近い角度にしたり、白杖を持つ手を手首が脇に来るくらいまで引いたりします。
足元の短い距離しか確認できないので歩は慎重に。
慣れた駅でホーム以外を点字ブロックに沿って歩くなら先ほどの左腕ガードを組み合わせるとそれなりに歩けますよ。
ただし、曲がり角などでは、ついつい確認しようと白杖を伸ばしてしまうので人を引っ掛けやすいポイントになります。
(もちろん確認は十分してください。)

●白杖は強く握らない
白杖を短く持っていても、全ての引っ掛け事象は防げません。
そんな時に大事なのは、白杖を強く握らないということ。
横からけ飛ばされたらそのまま手から離れて吹っ飛んでいくくらいの力で持ちます。
これなら、もし人を引っ掛けてしまっても、白杖が突っ張って転ばせる確率を低くできます。
そして、白杖が曲がったり折れたりを防ぐことに繋がります。
飛んでいった白杖の回収はまだどうにかなりますが、曲がったり折れたりするとその後が大変です。
歩行を続行できない、方向感覚が鈍るなどいろいろ起こります。
安くはないものですしね。
さらには、杖先がくぼみや障害物に引っかかった時に、腹や股間を強打せずに済みます。
手から離れたら両腕で下から救うようにキャッチして、そのまま何事も無かったかのように歩き出しましょう。

●子供が来たら立ち止まる
危ないと思った時のブレーキ力は大事ですね。
特に小さな子供が歩いたり走ったりしている時には、一度立ち止まって白杖を垂直に立てて、十分な安全確認をするようにしています。
子どもが白杖に気付いてないことも多いですし、その子供を見ている親も、子どもに夢中なのか杖に気付いてないことも結構あります。
白杖で引っ掛けてしまっても大変ですし、本当に小さな子だと膝蹴りしてしまわないかどきどきします。
その他に意識的に立ち止まるのは、自転車が通過した時、杖をついた方が歩いている時などですね。
ただし、あくまで音だけの判断になるので、気づかないこともあるでしょう。
駅ホームから電車に乗ろうとした時、降りて来る杖をついた方に気付かず、チャンバラしそうになって周囲をひやっとさせたことがあります。
(悲鳴が聞こえました。)

●可能なら衝突の瞬間相手を掴む
ぶつかったあいてを転ばせないようにという意識が強すぎて、いつしかある程度(接触とは判断できないくらい)の強さでぶつかったら相手を掴む
という癖がついてしまいました。
腕や服をつかむことが多いですが、いつしかセクハラと勘違いされないようにしないといけませんね。