高杉氏の不定期更新シリーズ、

最後に更新したのは

なんと2021年10月!!!

何に一番ビックリしたかって、

2年以上話書いてないのに

当Blogにおける高杉氏の存在感が

アリまくりマクリスティな事です

(゚∀゚;;)

 

 

そして第16話のまえがきに書いてた

思い浮かんだという高杉氏ネタを、

すっかりど忘れしているという…。

申し訳ありません(^▽^;)

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは本題へ。

 

 

 

 

 

 

黄藤くんの困った後輩がメインのお話♪

この人のシリーズは

特に完結を目指さず、

今後思いついたときも同タイトルで

更新していく予定です( ゜ー゜)

 

 

なかなかの困ったさんなので、

心のゆとりがある場合に

ご覧いただければと思います^^;

 

 

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コチラが主人公の

院卒エリート社員(自称)・高杉矜持で、

 

 

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愉快な仲間たち(高杉氏・談)

…な開発研究部開発課のメンバーです。

 

(☆開発研究部開発課のメンバー紹介

第1話第2話第3話第4話

第5話第6話第7話第8話

第9話第10話第11話

第12話第13話第14話

第15話第16話はコチラです)

 

 

今回は第17話。

自宅で孤高な週末を過ごした高杉氏。

女性がときめく、

とあるジャンルの男子について

興味を抱きます。

 

 

 

 

 

******************

 

 

オリキャラ妄想

「エリート・高杉矜恃の苦悩 第17話」

 

 

 

週末。

就職を機に2年以上暮らしている

アパート『矢須荘』の部屋で、

今週も誰との予定も入れず、

俗世間とは一線を画す休日を過ごす。

これもまた、

孤高なエリートの宿命なのだ。

 

日曜の夜、

明日から始まる1週間の

イメージトレーニングを終えて

ぼんやりとテレビを眺める。

 

 

 

(顔しか取り柄のない低能どもが、

どうして囃し立てられるのか――――)

アイドルと呼ばれる男の芸能人に、

あからさまにテンションの上がっている

女芸人。

 

こいつらのやり取りを見ていると、

子育てイベントの注目を搔っ攫った

我が社の忌々しい低学歴キツネの顔が、

否応なしに浮かぶ。

アレをいい男と褒めそやす女どもは

一体どういう神経回路をしているのだろう…。

 

「あー止めだ止めだ!

こんなの見続けたら低能に毒されるッ」

金曜夜から散々見せつけてきた

低能どもに辟易し、

テレビを消そうとすると――――。

 

 

 

「こォーのあとはァ!

新作ドラマでも話題となった

『ドS男子』の特集をお送りしまァす!!

世の女性を惹きつけてやまない、

その男子とは一体ィ!!!?」

やたらとテンションの高い

女のナレーションが耳に飛び込み、

リモコンへと伸ばした手を止める。

 

(ドS男子ィ!!?何だソリャ?)

 

皆目見当つかなかったが、

あえて低俗な女どもの懐に

飛び込んでやろうではないかと

テレビを見続けた結果。

このエリートから目をそらす女どもを

ぎゃふんと言わせるための、

有益な情報を手に入れたのだった。

 

 

 

 

 

 

月曜日。

我が開発研究部開発課が

小休憩の時間を迎えると、

黄藤と女事務2人の大卒トリオが

無駄口を叩いていた。

 

「朝から机を拭いてくれてありがとう!

でも休日も家の掃除をして

過ごしてたんでしょ?

ホント掃除が好きよねえ」

「掃除と筋トレが趣味ですから。

でも惣菜の作り置きに没頭して、

掃除はいつもより

手抜きしてしまったんですけどね」

 

(かァーッ!休日まで地味な野郎だなァ)

大卒なりにスキルアップ

しようという努力もなしに、

女どもの好感度アップを狙い

家事出来る男アピールをするさもしさ。

これだから視座の低い男は…と

ため息をつきながら、

姫子が淹れたコーヒーをズズ…と啜る。

 

コーヒーの味と姫子スマイルで

活力を取り戻し、業務再開するが。

 

 

 

 

「ちょっとォ高杉さん!

ホッチキスの芯の箱、使ったら

ちゃんと定位置に戻してよ!」

「はィ?」

大卒トリオのひとり

・丁野が水を差してきた。

ちなみに定位置というのは、

課内で定められた共有備品置き場の事。

場所が決まっているだけではなく、

敷かれたウレタンが物の形に切り取られ、

ご丁寧にラベリングまでされていた。

 

「アンタ朝、芯の補充してたよね?

どこにも無いと思ったら

自分のデスクに置きっぱなしにしてェ!」

「なんだ。そんな細かい事…」

(相変わらず、生意気な女だ…)

オレより4つも年下のくせして

たかだか1年先に入ったのを傘に着て

横柄な態度を取りやがる。

このエリートが、余すところなく

矛盾を突きつけてやろうかと

思ったが、寛大な態度で傾聴してやる。

 

「コレは会社の備品なんだから!

次に使う人の事を考えて…」

「オイオイ丁野ちゃん。

イラついた顔はブスだから

やめといた方がいいぜ?」

ひと言告げると、

丁野ははっと息を呑み、オレを見た。

 

 

 

昨日の特集で知った『ドS男子』とは、

思った事を女子にズケズケと

物申す男を指すらしい。

しかも往々にして、

ハイスペックな男なのだとか。

まさにオレじゃねえか……!!!

 

(うへっ。こんな一言で

心を射止めちまったのかよ。

『ドS男子』の効果はてき面だなァ)

ニヒルな笑みを浮かべ、

余裕を醸し出していると……。

 

 

 

「ハアアァァァァァ!!!?

ブッッッサイクなアンタに

言われたくないわ!」

「ほえ?」

「オマケにそんな暴言吐いて!

性格までブサイクなんて

マジ終わってンですケドォー!?」

 

(『ドS男子』の良さが

解らない。……だと!?)

丁野の非人道的発言に、オレは絶句した。

まさかコイツの低能ぶりが、

『ドS男子』の良さを

理解出来ない程だとは――――。

 

 

 

コイツにもわかる言語で

どう伝えようかと迷っていると、

状況を見た黄藤が茶々を入れる。

 

「丁野さんの言うとおりです高杉さん。

会社の備品は、定位置に戻さないと」

「あァ!?関係ないクセして

首突っ込まないでくれよ」

「いえ。関係あります。

俺、今年度の5Sチームメンバーですから」

「ゲ。そうだった」

 

我が社には社内の環境整備を取り締まる

5Sチームというものが存在し、

各課から1名ずつ、メンバーが選ばれる。

先程の言葉のとおり

今年度は黄藤が選ばれたワケだが、

コイツは例年の開発課代表と比べて

段違いにうるさかった。

 

「『5Sチーム』の役目は、

整理・整頓・清掃・清潔・躾の

五つの項目の周知と促進。

貴方の行いは整理・整頓に反するので、

課の代表として指摘しに来ました」

「いやいや。

こんなの見つからねえ時点で

大声で訊けばいいだけの話で…」

「――――では例を用いて、

5S違反によって被る

不利益について説明します」

「おい!人のハナシを聞けって」

「例えば当社の社員数が500人、

全社員が時給1200円で

働いているとしましょう」

「おう……」

 

 

 

オレの言葉が理解出来ないのか、

低学歴な黄藤は話し続ける。

 

「まずは、貴方が定位置に

備品を返さなかった事により、

次に使用する丁野さんが15秒

探したとします。

――――この時点で、

5円の損失となります」

「ああ…」
 

「さらに開発課の中で

対象の備品を1日10回使うとすれば。

1日につき50円、

月20日勤務するとして月1000円、

年間に換算すると12000円と

損失は膨れ上がります。

加えて貴方の言うように、

大声で全員の手を止めた場合は――」

「エ!?別にそんなに毎回

探すワケじゃあ……」

「定位置に置かれていないという事は

こうしたデメリットがあるんです。」

オレの正論ですら、

5Sモードに入ったコイツの耳には

届かないらしい。

 

 

 

「さらに、探す時間がもっと長い場合や

すべての課で起きた場合、

時給が高かった場合、

当社は多大な不利益を被る事に―――」

「ハイハイハイ!わかりましたよッ!

わかったから!!!」

とっとと説教を終わらせたくて、

反省の意を示す。

すると黄藤は、思いのほか素直に

説教を止めた。

 

「5S活動の趣旨を理解して頂き、

ありがとうございます」

「ハイどーも」

「全員に5Sの思考が根付いた会社は、

思考も鮮明になり、より生産的かつ

発展的な仕事が出来る事でしょう」

「ゥイーッス。頑張りまァす」

俺の返事を聞くと、

あのこけし顔が珍しく微笑み。

 

 

「では手始めに。

高杉さんのデスクに積み上げられた

書類を整理しましょう」

「エエ!?」

容赦なく、人差し指をデスクに突きつけた。

「高杉さん、資料の提出や質問の回答を

求められるたび、最低30秒はこの山を

ゴソゴソかき回していますよね。

つまり、高杉さんが1年に出している

損失は――――」

「ああああああ!わかった!

やればいいんだろやれば!」

 

大人しく取り掛かると、

ようやく黄藤は離れていった。

 

 

 

 

「5Sチームの仕事って

余計な負担が増えるから

嫌がる人も多いのに、

黄藤くんは生き生きとしてるわねえ」

年増の豊島さんが呟く。

「あの備品スペースを作ったのも

入社半年の黄藤くんだったし」

「そうなんですかァ?

昔からずっとこのレイアウトかと

思ってましたァ」

丁野がいつもの舌足らずに戻り

中身のない相槌を打つ。

 

「やれやれ。アレじゃドS男子じゃなくて

5S男子じゃないっすかァ!

あんなんじゃモテ男子には程遠い…」

「ナニ言ってんの高杉くん。

黄藤くんはドSじゃなくスパダリでしょ」

「……『スパダリ』?

新種のパスタとかですかィ?」

聞いた事のない言葉について、

豊島さんに尋ねる。

 

 

「『スーパーダーリン』の略よ。

高身長・高学歴・高収入なうえに

顔も性格も良くて、家事もこなす

理想的な男性を指すの」

「はイィ!?黄藤くんは大卒でしょ!?

しかも偏差値60に満たない私大だし!

…そもそもンなモン、女が作り上げた

偶像じゃないっすかァ!」

絵空事のようなハナシに、

鼻で笑わざるをえなかった。

 

「高学歴で高収入な男は

忙しいんだから!

家事は暇な人間がやるのが当然―――」

「あ。来たわよ。

スパダリ代表格が」

「へ……?」

振り向くと開発課の部屋に

深水部長と、森下教授が現れる。

 

 

 

「皆さんお疲れ様です!

こちら、皆さんでお召し上がりください」

「うわァ!ありがとうございますゥー」

食い意地の張った丁野が、

我先にとお菓子に飛びつく。

 

「あれェ?『ひめじ堂』って

焼きドーナツも売ってるんですかァ?」

「はい、インターネット店舗限定で。

パッケージのデザイン選定には、

僕も参加したんですよー」

「リスですかァ?可愛いーっ」

「ありがとうございます!

ドーナツを頬張るリスって

可愛いなと思って提案しました」

 

部長いわく、森下教授の奥さんは、

和菓子屋『ひめじ堂』で

働いているという。

イクメンで知られている教授だが、

働く奥さんのしわ寄せがキて

大変なのかも――――。

 

「森下教授聞いてくださいよォ!

世の中、『スパダリ』なんて

ヘンな言葉が出回ってるらしくて!」

「え?」

「3高に加えて家事を

させられるらしいですよォ!?

そんなの、男ばかり損じゃないですかァ」

「確かに。僕もその言葉には

違和感を覚えていたんですよねえ…」

 

(よかった!同じエリートなら、

この不条理を理解してくれるはずだ)

オレの懸命な訴えに対して、

森下教授は頷いたあと。

 

 

 

「仕事も家事もこなすのは、

自立した大人なら当然の事でしょう?」

「へ?」

「それなのに、

家事が出来るという点だけで

いい男とされる風潮が、

どうにも納得いかなくて。

男は家事をしないもの…という

イメージが未だ根付いているという

事ですもんねえ……」

「えええ!?」

予想だにしない理由に、目をむいた。

 

「家事は奥さんが

やるモンじゃないんですかァ!?」

「先程も言ったとおり、家事は

性別関係なくすべての大人が

やって当然という認識です。

パートナーが出来た途端、

丸投げするのはおかしな話でしょう?」

「そんなァ!仕事だけで手一杯なのに、

帰って家事をするなんて無理だ!」

「確かに得手不得手はありますが、

外注するなり、

家電に頼ればいいんです。

最近の家電は優秀ですからねえ」

オレみたいなエリートとなると

月に一度は母ちゃんに来てもらって

部屋を片付けてもらっているというのに。

 

「まあ我が家の場合、

僕の方が暇人ですからねえ。

なので引き受けているという

理由もあります」

「教授は平気なんですかァ?

絶対忙しいのに…」

こんなの、痩せたオッサンの

やせ我慢に決まってる。

そう思い、本音を聞き出そうとすると。

 

 

「…あー。

僕は独身の頃から、特例でもない限り

定時で上がる主義ですし」

「いや無理でしょ!

教授の仕事量じゃ」

「いや。いけますね。

出来る男は、定時までに

人の倍以上の仕事をこなす。

それが僕のモットーですから」

 

ふふっと得意げに微笑み、

オレから離れる。

 

 

 

 

「あはは!アンタの完敗ね」

「うるせえよ丁野ちゃん」

「あの人こそ、まさにスパダリよね。

高杉くんも、出来る男なら

もっと仕事をこなしなさい?」

「豊島さんまでェ……」

 

 

『ドS男子』に『スパダリ』。

女どもの底無しの欲望と

具現化したオッサンの存在に、

オレは戦慄した。

 

 

 

 

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新たなサムネと、元の絵。

黄藤くんの身体が色々と

バランス悪いのを

文字で誤魔化してみました(笑)

 

こんなに長い間放っておいて

筋肉祭り出たい人化していた

高杉氏を、何故いま出したかといいますと。

 

 

 

2月の『魅力的な敵』企画のとき

最初に予定していた

ライバルキャラなオリキャラの、

ギャグ編としてかこうと思っていたから。

 

敵といっても“悪”じゃなくても

OKとの事だったので、

黄藤くんに敵対心むき出しな

高杉氏が適任!と思ったのです(´艸`*)

 

 

 

 

 

敵対心むき出しといえば

健児くんなんかもそうですが、

何故高杉氏かというと。

高杉氏って、院卒エリートを

アピールしまくるわりに、

本人の小物っぷりが際立ち

憎み切れないキャラなんですよね^^

基本踏んだり蹴ったりですし。

 

しかも集合図の中に小さ~く描いても

皆様の視線をかっさらう

ヴィジュアル!(≧▽≦)

 

この1年重めな長編を

書いてきた事もあり、

久々に高杉氏のギャグ話を書いたら

楽しかった~(´∀`*)

いえ本人は至って真剣なんですけどね。

それが却って笑いを誘う!

高杉氏ゴメン(笑)

 

塩顔男子な黄藤くんの塩対応も

クセになります(´艸`*)

5S活動とか、

もはや黄藤くんのための活動!

めちゃんこ生き生きしながら

取り締まってるんだろうなあ(笑)

 

 

 

今月以降、

ゆるゆるかもしれませんが、

他のライバルなオリキャラにも

触れていきたいと考えております♪

あっでも同時に、

賢一くんのお楽しみ会のエピソードも

進めたいですっ

 

 

 

 

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)