演劇人生 -175ページ目
コインランドリーで3度目の
顔を合わせることになったオヤジだが、
話を続けなければならなくなった。
ぼくが、
乾燥機から衣類を取り出しに行くと、
オヤジは脱水した洗濯物を
乾燥機に入れようとしていた。
「やぁ、タイミングがあいますね」
気軽に声をかけると、
「ご縁がありそうですね」
と返してきた。
乾燥機から取り出す中に
数ヶ月前のお芝居で使ったエプロンがあった。
「奥さんのですか?」
思いも寄らない質問に、
「えゝ、まぁ」
と返事をしてしまった。
「うちは女房のものは全部女房が・・・」
洗うのだという。
「ところが、ぼくのパンツだけは・・・」
外で洗って来いと言われるのだそうだ。
「他は全部洗ってもらえるんでしょう?
だったら、パンツぐらい
いいじゃないですか」
・・・と、その時である。
「ね、あっちから歩いてくる、
あれが女房です。
しらばっくれてましょう」
・・・オヤジは、とぼる積もりか
鼻歌まで歌いだした。
「・・・はい」とは返事をしたものの
どうとぼければいいか困った。

大型のご婦人が、
スーパーの買い物袋を
ぶら下げて歩いてくる。
しらばくれて・・・といって、
オヤジ2人が突っ立って、
奥を向いているのも
可笑しな雰囲気だろうが。
と・・・
「見ない、見ない!」
と止められた。
ガラスで出来ている
乾燥機のドアの窓に
外の風景とともに、
奥方が映っている。
と・・・
店の前に差し掛かった奥方は、
チラリとこちらを覗き見た。
四六時中顔をあわせていて、
赤と紫の縞模様のTシャツに
半ズボンという派手な格好の
連れ合いだ。
何処を向いていようが
直ぐ分かるはずだ。
案の定、
つかつかとやってきて、
「まだ、乾燥機・・・のろいわね」
低音の利いた声だ。
「ヘヘヘヘ」
オヤジは
ひきつったような表情で笑い、
「そのレジ袋おれ持って行こうか」
だと・・・
パンツを入れたドラムに
硬貨を200円入れ、
スイッチをおした。
そしてもう一度・・・
「へへへへ」
笑い声を残して出て行った。
「可笑しな男だァ
」
・・・と同時に、
あの二人が夫婦をしている
家庭のイメージが・・・
さっぱり湧いて来ない。
思い出してブログを
書いている今ですら・・・
今ごろ、抱っこでもして
いるのだろうか・・・

ぼくは、
自転車で3分くらいの所にある
コインランドリーにしばしば行く。
2日に一度くらいの割合で
洗濯が出来ればいいのだろうが、
一週間近く溜め込んでしまう。
汗をかくこの時期は、
溜め込んだ下着の臭いが嫌だ。

コインランドリーで2回に一度
顔をあわせるオヤジがいる。
年恰好は60代くらいだ。
先日3度目の顔合わせの時、
「あれッ?!」
という顔をされたので、
「よく一緒になりますね」
と声をかけた。
「ハハ・・溜め込んでて」
2週に一度はは来るという。
「2週間も溜め込むと・・・」
この時期大変でしょうと聞くと、
「ま、私は汗をかかないけど、
ちょっと失禁気味で、
パンツは日に3度はチェンジ
しますから、溜まるんです」
という。
失禁したらオシッコの臭い
が
大変だろうと思うのだが、
先にその答えを教えてくれた。
「・・・最近
ペット用の
におい消しに助けられて
いるんです。結構効きますよ」
なるほど、彼の洗濯物は
パンツで一杯だ。
こんなところで、
図らずも勉強できることもある。


ドライのドラムを回してきたが、
そろそろ乾燥し終るころか・・・
取りに行ってこよう。
映画「小林多喜二」
印象深かったのが
中野良子の演じた
タキ(田口瀧子)でした。
うちの劇団では、
この役を6人の女優が演じています。
石田まどか
菊池早希子
わが劇団のタキ(たみちゃん)2人を紹介しよう。
これから映画に行きます。
「蟹工船」
「小林多喜二」
2本立ての上映があります。
学生時代に「蟹工船」は観た覚えがあります。
両方とも独立プロ作品だと思います。
では、行ってきます。
小樽文学記念館所蔵
小林多喜二デスマスク
刑事に踏み込まれる前に急いで
石膏の型を取ったために
多喜二の睫毛がそのままデスマスクに
残っているといわれている。


ブログネタ:
何時に寝る?
参加中
本文はここから
電話が来た。
向こうで・・・
「あれッ、起きているんですか?」
馬鹿モン、何だその言い草は!
こんな時間に電話してきて、
「すみません、こんな時間に」
じゃないのか?
・・・時計を見ると12時に
まだ間があった。
仕方がないと思いながら、
「何だ、こんな時間に?」
「いえ、先生(彼はこう呼ぶ)、
選挙始まりましたね。
国政選挙は久しぶりですね」
「うん・・・で?」
上演作品を何にするか
ホールダーの中から
引っ張り出して
あれかこれかと
探している最中だと話した。
「そうですか。
先生は宵っ張りですね」
「あゝ」
「だったらこれからは夜電話します」
「いいよ昼間で」
「寝られないことがあるんですよ」
1時くらいまで寝られないと
焦ってきて、
なお更寝られなくなるのだそうだ。
「焦って来て、羊が一匹って・・・」
数え始めるが駄目だという。
「焦らなきゃいいじゃないか」
「だって明日の仕事に響くでしょう?」
「そんな風に思わなきゃいいんだよ」
「ということは、
精神的なものですかねぇ?」
肉体的にしんどくなるのだという。
そうやって追い詰めると、
なお更寝られなくなるのだと教えてやった。
「寝られなくて死んだ奴はいないそうだ」
いつだったか、
不眠が続いて、ぼくもこぼしたことがある。
すると浅利慶太氏が、
「なぁ豪ちゃん、ぼくなんか・・・」
と話してくれたのを今でも覚えている。
その時から、寝られないときの哲学は、
「寝られず死んだ奴はいない」になった。
「じゃ、また電話します」
「・・・選挙の話はどうしたの?」
「いや、きょうが公示日じゃないですか」
「だから、何かいいたかったんだろう?」
「いや、先生どうしているかと思って」
・・・?!
「じゃ、おやすみなさい」
「あゝ、お休み・・・」
切れた。
そりゃ、
こんな時間は、ぼくには宵の内だ。
たいていはベッドに入るのは
3時頃になる。
(で、起きるのは7時頃・・・)
演劇の専門学校の教え子だ。
とんでもない時間に
ぼくのことを思い出しては
電話してくる男だ。
が、夜中には初めてだ。
何の意味があるわけでもなく、
気が向いた時にかけてくるのが
彼の電話らしいのだ。
これからは
睡眠薬代わりに
電話してくるかもしれない。
もっと不機嫌な声を
出しとけば

