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電話が来た。
向こうで・・・

馬鹿モン、何だその言い草は!
こんな時間に電話してきて、
「すみません、こんな時間に」
じゃないのか?
・・・時計を見ると12時に
まだ間があった。
仕方がないと思いながら、


選挙始まりましたね。
国政選挙は久しぶりですね」

上演作品を何にするか
ホールダーの中から
引っ張り出して
あれかこれかと
探している最中だと話した。

先生は宵っ張りですね」




1時くらいまで寝られないと
焦ってきて、
なお更寝られなくなるのだそうだ。

数え始めるが駄目だという。




精神的なものですかねぇ?」
肉体的にしんどくなるのだという。
そうやって追い詰めると、
なお更寝られなくなるのだと教えてやった。

いつだったか、
不眠が続いて、ぼくもこぼしたことがある。
すると浅利慶太氏が、

と話してくれたのを今でも覚えている。
その時から、寝られないときの哲学は、
「寝られず死んだ奴はいない」になった。





・・・?!


切れた。
そりゃ、
こんな時間は、ぼくには宵の内だ。
たいていはベッドに入るのは
3時頃になる。
(で、起きるのは7時頃・・・)
演劇の専門学校の教え子だ。
とんでもない時間に
ぼくのことを思い出しては
電話してくる男だ。
が、夜中には初めてだ。
何の意味があるわけでもなく、
気が向いた時にかけてくるのが
彼の電話らしいのだ。
これからは
睡眠薬代わりに
電話してくるかもしれない。
もっと不機嫌な声を
出しとけば
よかったかもしれない・・・


