「なんで母さんはわかるのさ」

母「だって数珠に御守りはお稲荷様の物、しかも狐の毛で結われた数珠に御守りよ?憑かれやすいあんたへって頂いた強いものなんだから」

父「効力も通常よりもあり得ないものなんだからねえ」

と父

確かにそうだ。

本人、もしくは親類関係ならそりゃ効力なくて当然。

母「そういうこと。悪いことしたら御札を張って祠に縫いつければよし」

父「母さんは怖いなぁ」

父は大笑いした

他人事みたいな感じだ

まぁ・・・・良いか、気持ち悪い子じゃないし

「ま、成仏とかでいなくなるまでは悪いことしなければいいからさ」

おれは苦笑して母さんが用意した朝ご飯を食べて自分の部屋に戻る

ふと、疑問が起きた

化け狐とかがわからない・・・

「お前、お稲荷様とか知らないの?」

“え?お稲荷様は分かるよ?狐の神様。”

バカにするなと言った感じの表情を浮かべて答えた

「じゃあ、過去の記憶はある?」

“わかんない。お稲荷様と遊んだ記憶はあるけど”

「君の名前は?」

“え、え~と・・・天津根 李伊奈”

と、指で漢字を書いた。
DQNネームっぽい

“人の名前を馬鹿にするのは失礼。”

「御免御免。李伊奈はなんで俺に憑いたの?」

“それ”

御守りを指差した

“それが私をあなたと繋ぎ止めた”

と李伊奈が言う

しかし、数珠に触れたときのあの苦悶の表情・・・なぜだ

“・・・幽霊だから触れるのは痛いの”

なるほどな


一応女の子の名前はわかった

正体は未だ未解決だが

悪い子ではないと言うことはわかったのでよしとしよう
翌日・・・

部屋の中、朝起きたが、女の子がいなくなっていた

「夢か・・・」

と呟き、部屋の隅を見ると、土埃が床の溝に詰まっていた

あぁ、なる程

この土は祠の近くの土か

完全に俺に取り付いたわけか

と、自分の部屋を出、階段を降りてリビングに向かうと俺の母が座って腕を組み、唸っていた

「あ・・・お前」

母と対峙していたのは霊の女の子だ

母は霊能力者であり、この辺ではかなり有名で中国などにも出張するというレベルのモノホンだ
父は寺の神主兼法力僧でもある

母「あんた、大変な者を連れてきたわね。祓えないレベルの女の子よ?」

母は溜め息を付いて女の子を睨む
女の子は睨み返して牙を剥こうとする

「へ?なんで?」

母「もう神様に近いのよ。しかもね、それがね、あんたがよく知る神様なの」

「え!?どういう・・・」

父「お、おはよう・・・なんでそんなとこに化け狐のなりかけがいる?」

父が髪を掻きながら苦笑する

“化け狐?よくわからないけど、私を祓わないで・・・痛いのやだ”

父「いや、祓えないよ・・・君は妖狐なんだから。珍しいな人間から妖怪になるのは」

と父はめがねを掛け笑う

父「母さん、コーヒー」

母「はいはい。」

“私、上に戻る。私死んでるから、もの食べれないし”

「お、おう」

着物を翻して、胸に手鞠を抱えて上駆け上がっていった
声は頭に響くみたいな感覚だが足音は普通に聞こえた

母「あの子、祠の主よね」

父「あぁ、あの祠はお稲荷様が遊びに来れるようにしてあるものだからなぁ。あの子は人身御供にされた霊だよ」

「じゃあなんで俺に」

母「その御守りと数珠。反応しなかったでしょ。当たり前よ、お稲荷様の眷属にされた女の子なんだから」


母は大笑いして溜め息を付いた



続く
俺は裾の土を払い、首を横に振り
きっと転んで付いた土だと思い込むことにした

コンビニにより、コーヒーを買い、のみながら歩き、自宅へ着くと速攻で部屋に入る。

布団をかぶり、眠りにつこうとする

バツン!パシン!
ドタドタドタ・・・・

午前3時に鳴り響く音で目が覚めた

「な、なんなんだよ」

と震えながら布団を被る

しかし、変だ

「数珠にも御守りも効力ないのか?」

と疑問に思い、布団を被るのを止めて部屋をみる

ピタッとラップ音が鳴り止む

「いや、なにかいるな・・・」

鳥肌がやまない

目を凝らして見ると部屋の隅にうずくまりこちらをみる何かがいるのがわかった

恐る恐るそれに向かって歩み寄る

暗いなか赤々と光るように着物を着た女の子がいた

「・・・お前さっきの!憑きやがったのか!今からおやじを叩き起こして除霊してやる!」

俺は怖さを押し殺して部屋を出ようとしたが体が動かない

裾を捕まれたのだ

しかし、ただ捕まれたわけではなく、首を振り拒否をしていることがわかった。

「嫌だね!生気座れて死にたかないからな!」

その言葉を聞いた幽霊はビクッと体を震わせて怯えた
そのあと両手で力強く引っ張り、首をさっきよりも強く横に振る

「うそを付くな!」

嘘ついてない

声が出ないのか口パクで、しかし、力強くそう答えた

ような気がした

「なんで言い切れる」

馬鹿馬鹿しい、しかし、何故か普通に会話のようなやりとりをする

<お兄さんを山からおろしたのは私。
そうしたら、離れられなくなっちゃった

そう言いたげに口を動かした

「ナ、ナンダッテー!んなわけぬぇだろ!」


ぶんぶん!


無表情だった顔が徐々に泣きべそ顔に変わる

「はぁ・・・わかった憑き落としも除霊もしない。ただし異常が見て取れたら容赦ないからな」

コクコクと頷いてニコッと笑った

まさかの幽霊との共同生活が始まってしまった

そんな風になったにも関わらず

数珠も御守りも無言を保つ

害は本当にないのか。
謎である
第3話


なんか声が聞こえるな・・・

おいっ

うっせえな・・・

おいっ起きろって!

「なんだうっせぇ・・・な・・・?」

A「やっと起きた。まじ焦ったぜ。お前いつの間にかいなくてさ、降りてきたらいつの間にかベンチで寝てんだもんよ」

とAが言う

「は?そ、そういえば着物を着た女の子いなかったか?俺達位の」

B「夢でもみたんじゃねえーの」

C「馬鹿じゃないの!?早く帰ろ~?」

と、帰宅する事になった

俺も当然帰った

しかし、そんなことでは終わらなかった





帰り道、ふと引っ張られた裾を見ると土が付いていた

捕まれたのは現実だってことがわかった

続く
第2話

「さて、山についた」

B「まて、これを持て。危なくなったらならせ」

とみんなに配ったのはホイッスル

C「なんで?」

B「はぐれたりしたら危ないだろ?叫んだりして体力削るより効率が良いだろ」

D「確かに、叫ぶよりはいいね」

「良いから早く済ませようぜ・・・なんかいやな予感がする」

と言うが最後は呟く同然のセリフ、誰も聞こえない

B「ビビってんのか?まぁ行こうぜ」

と中へ進んでいく





山の中は当然暗く、月明かりもまばらにしか届かない

この夏だと言うのに虫の声も、鳥も鳴かない

ざ・・・

「っ!?」

物音がした。
その方向を睨む。
しかし、全く何もない

D「ちょっと、どうしたの!?怖いわよ」

「すまん気のせい気のせい」

としかし、この後とんでもないことが起きた









「あ、あれ!?B?A?」

周りを見るが誰もいない。

ホイッスルを手にしてならす

・・・・・・

あれ?
もう一度

・・・・・・

「何でなんねえんだよ」

と周りをもう一度見回すが誰もいない

むしろ・・・

音がない世界だ・・・

「くそ!」

方位磁石を手に取り、祠がある方角へ向かう

そして進み続ける
歩みを止めない
祠が見えてきた、が一瞬周りが変わるような気がした

「!」

そう、祠には赤色の着物を着た女の子がいた
その女の子は祠をなでていた

「なんでこんな時間に・・・」

と時計を見て時間が時間なので声をかけて帰そうと思った

「っ!?」

女の子がいない・・・

クイクイっと後ろから裾を引っ張られた
俺は恐る恐る振り返ると音もなく背後にたつ高校生位かの女の子の姿・・・
着物から見える素肌、顔も白い。
本能的に情けない声を上げる

「来るな!」

と後ずさる

しかし、女の子は近寄り俺の服の袖を掴む
そして、引っ張る

「さ、さわるな」

俺は数珠を付けた左手で振り払う

っ!

女の子は苦悶の表情を一瞬浮かべた
しかし、無表情のまま女の子は首を振り、裾を引っ張る

「な、なんなんだよ!ぐっ!」

頭痛がして、気を失った



続く