ムンターヒッチ | 奇跡の今日一日

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山岳ガイド
宮崎薫ブログ

 

ムンターヒッチは、ロアリングおよび引き上げにおける確保、またはビレイデバイスの代わりに懸垂下降を行うことができる結び。


レスキュー技術でも多用されるため、複数のパターンで迷うことのないよう反復練習したい。

イタリアンヒッチとか、半マストとかも呼ばれて、いつの日かあらゆる山用語の呼び方を統一できないものか。

◆後輪方式(手前のロープを引く)

1. カラビナにロープを通す。

 

  

 

2. カラビナのゲートが右側の場合、手前のロープを、右手を逆手にして時計回りに1回転ねじる。

  

 

3. ロープの輪を右側からカラビナに通す。

         

 

 

(カラビナのゲートが左側の場合、手前のロープを、左手を逆手に時計逆回りに1回転ねじる。)

 

4. 結び目を引き締める。

      

 

 

 

◆後輪方式(奥側のロープを引く)  

手前側のロープにテンションがある場合は奥のロープしか手繰れないので奥のロープを手前に引くやり方。

 

1. カラビナにロープを通す。


  

2. カラビナのゲートが右側の場合、奥側のロープを時計逆回りに1回転ねじる。

  

 

3. ロープの輪を右側からカラビナに通す。

  

 

(カラビナのゲートが左側の場合、奥側のロープを時計回りに1回転ねじる。)

4. 結び目を引き締める。

  

 

◆先輪方式(ムンターヒッチによる懸垂下降)

1. ロープを時計回りに2回ひねる。

  

 

2. カラビナのゲートを左にして、輪と輪の左側ロープにカラビナをかける。

  


・ロープの流れの向きが、カラビナのゲートを押し開ける向きにならないこと。
・カラビナは安全環付のHMS型が望ましい。

3. 下側のロープはカラビナの壁側に出る形となる。

  

 

◆ムンターヒッチでのロアリング

ムンターヒッチでのロアリングは自重の力で降りていくので、ロープは両手筒状でカラビナよりビレイヤー側を持ち、ロアーダウンのようにスムーズに下ろす。

 

 

 

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