コーヒーブレイクのように、一息つける、短編集。

絡まっている細い糸を、ほぐしてくれる。

 

 

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実家や母親からの支配からも逃れて距離を置いている。

社会的にもきちんと仕事をして、ひとりで生きている。

 

主人公たちは30代後半くらいだろうか。

独身の女性ならわかると思うが、この微妙な年齢。

恋愛への向き合い方も若い時のようにはいかない。

 

 

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短編「God breath you」より

 

今年40歳になる自分と、25歳の彼氏。彼は年齢は気にしてないだろうが、

洗面化粧台の鏡に映ったふたりはどうあがいても恋人同士には見えない。

 

 

(以下本文抜粋)

本音を吐露することもできなければ俯瞰することもできないほどに、目の前の時生君は若く綺麗だと思った。造作の問題ではなく、年齢の澱が顔に溜まっていないのだ。

 

 

 

 

 

 

著書:「一撃のお姫さま」 他短編全5編

著者:島本理生

装画:我喜屋位瑳務

発行:文藝春秋 2025/6第一刷