兵庫で活動した洋画家というのに惹かれて展覧会へ。
辻愛造は1895年大阪・南船場生まれ。赤松麟作の主催する画塾で洋画を学び、国学会に所属。西宮・香櫨園(大谷記念美術館近く)にアトリエを構え、各地の風景を多く描きました。
●「柳生秋色」1937年
●「古光山」1942年
●「漁村」1959年
●「山村の秋」1962年
●「日向湖畔」1964年
●「塩津」1964年
風景の手前にある木の枝の描き方が面白いと思いました。ぐねぐねとして特徴的です。屋根が三角っぽく見えたりもして、なんとなく幾何学的な印象も受けて面白かったです。
● 「晩年絵日記」1963-64年
写真は撮れなかったのですが、特にいいなと思ったのは大阪の風景を描いたガラス絵です。戦前・戦後の大阪の風景、風景というよりも人々の営みが映し出されていて、なんともいえない味わいがありました。
少し前に見た神戸・異人館街の風景と違って、辻愛造が描いた大阪の木造の街並みや風景は今はほとんど残っていません。描き手の記憶と愛着がこもった地域の風景画は、描かれた場所が大きく変わってしまっても、時代を超えて残ります。いいものだなぁ、と改めて思ったのでした。