鏑木清方と上村松園、東西の美人画の最高峰が数点ずつ並べてあり、なんとも贅沢。
鏑木清方の「黒髪」、長い髪をくしけずる姿が美しかったです。
●上村松園「姉妹之図」1903年頃
姉妹を描いた絵が微笑ましくて好きでした。
●上村松園「静御前」1910年
義経と逃亡するも捕まり、頼朝夫妻の前で舞を披露させられる静御前の絵。悲しみに暮れる儚い姿ではなく、堂々とした姿なのが印象的。
●伊藤小坡「江戸時代春秋町屋婦女之図」昭和時代
松園の妹分の伊藤小坡もひたすら上品で美しく、好み。この人の回顧展、やってくれないかなぁ。
●伊東深水「夕化粧」1928年
メインヴィジュアルにもなっている伊東深水のどことなくウェットな雰囲気の美人画も美しかったです。
●中村貞以「春粧」昭和時代
●中村貞以「三味線」1948年
●中村貞以「蛇皮線」1933年
中村貞以がまとめて展示されていたのも嬉しかった。この人の絵は理想化された美人ではないんだけど、清廉さが伝わってくるような気がして好き。最大公約数的な美人ではなく存在感が美しい人、という感じ。美人画というカテゴリーとは少し外れる気もします。
その他、あまり名前を知らなかった画家の作品にも別嬪さんがたくさんいて楽しくみました。中でも、尾竹竹坡のエキゾチック美人が印象に残りました。
●林杏華「小楠公之図」大正-昭和時代
楠木正成の妻・久子と子・正行。正成が戦死し、後を追おうとする正行を久子が武士として正しくないと諭している場面だそう。(後年、正行も戦死する) 気高く美しい絵。
●磯田長秋「朝宵」1924年
いつぞやの一押しの絵と再会💓 遊女たちの衣装が気だるげな雰囲気。
●大林千萬樹「四季美人図」大正-昭和時代
桃山時代の風俗は独特の色気があるなぁと感じます。
●尾竹竹坡「ものをもい」大正-昭和時代
なんとなくゴーギャンのタヒチの絵に似ています。解説によると、南の島で半裸で過ごす様子が美しいという価値観はゴーギャンによるもので、その影響を受けているそう。美しい線で印象に残りました。