二十年ぶりぐらいの劇団四季。前に観たのは「オペラ座の怪人」でした。そういえば一緒に観たなと感慨深く思いながら夫と劇場へ。
作詞 ティム・ライス
作曲 アンドリュー・ロイド=ウェバー
初演日本版演出 浅利慶太
この作品は、聖書を題材にイエス・キリストの最後の7日間を描いた、台詞なし・全編が音楽と歌で進行するミュージカル。初演は1971年(アメリカ)だそうです。
扱う題材がとてつもなく重い💦 一体どんなミュージカルなのかと思っていましたが、やはり重かった😅
公式HPにある通り「圧倒的リアリズムを追求」した演出で、衣装も舞台も装飾を取り払った茶のモノトーンの世界。
支配者層のローマ総督・ユダヤ教司祭・ガリラヤ王のみ色のある衣装で、イエスや大衆のぼろぼろの茶色の服との対比がすごい。場面展開が照明のみによって行われ、美しかったです。
イスカリオテのユダは何故裏切ったのか、という謎への大胆な仮説が非常に興味深いです。
ナザレの大工の子・イエスが、大衆に期待され、熱狂され、やがて熱狂が失望、そして憎悪に変わり十字架刑へ。抗えない流れに飲み込まれていくかのように粛々と進む様子がイエスの孤独・苦悩と共に描かれています。
正直、人間のエゴを見せつけられるかのようで苦しく、でも目が離せず観ました。アンサンブルの一糸乱れぬユニゾンの手の動きが、大衆の熱狂を思わせ、ゾワリとしました。
そんな中、イエスを一人の男性として見るマグダラのマリアの存在にほっとしました。(江畑さんの歌声が素晴らしかったです!)
神の子とは?スーパースターとは?様々に考えさせられる見応えのあるミュージカルでした。
●キャスト
ジーザス・クライスト 加藤 迪
イスカリオテのユダ 佐久間 仁
マグダラのマリア 江畑 晶慧
カヤパ(大司教) 金本 和起
アンナス(カヤパの義父) 一和 洋輔
司祭1 正木 棟馬
司祭2 玉木 隆寛
司祭3 川原 信弘
シモン(使徒) 柴田 鴻洋
ペテロ(使徒) 大空 卓鵬
ピラト(ローマの総督) 田島 亨祐
ヘロデ王 劉 昌明