京都南座「三月花形歌舞伎」 | 美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

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Instagramの内容とほぼ同じです。

美しい広告に吸い寄せられるようにして南座へ。母が推している隼人さんを観てみたくて。





・乍憚手引き口上

尾上右近さんがお話の解説をしてくださいました😊客席降りや写真撮影タイムもありました。


三階席から。iphone古いので、酷い画質です💦


一、「女殺油地獄」

  近松門左衛門歿後三百年

  近松門左衛門 作・片岡仁左衛門 監修

 河内屋与兵衛 中村隼人

 七左衛門女房お吉 中村壱太郎

 豊嶋屋七左衛門 尾上右近

 父河内屋徳兵衛 嵐橘三郎

 母おさわ 上村吉弥


二、「忍夜恋曲者 将門」

 傾城如月実は滝夜叉姫 中村壱太郎

 大宅太郎光圀 尾上右近

 


「女殺油地獄 (おんなごろしあぶらのじごく)」


油屋・河内屋の次男・与兵衛は放蕩三昧、暴力沙汰の末に、家を追い出されてしまう。困った与兵衛は近所の油屋・豊嶋屋の親切な女房・お吉に頼ろうとする。自分を追い出した親の真意を知り、真人間になると涙ながらに誓うも、借金の返済期限が迫ってくる。親に迷惑はかけられないとお吉に金の無心をするが断られ・・・というお話。

 

一幕・二幕はどことなくコミカル。不貞腐れた表情で、叱られても全く反省の色を見せない与兵衛は子どもみたいな大人という感じ。ダメンズなんだけど、なんとなく助けたくなる可愛らしさがあります。それが三幕、追い詰められて豹変。三幕後半は凄惨に尽きます。文字通り、地獄。

 

憎めないキャラのちゃらんぽらんなお坊ちゃんの不良が、道を踏み外して地獄の底まで落ちてしまう、という隼人さんのお芝居がすごく良かった。目を血走らせて何も聞こえてないところとか、へらへら笑いながら殺そうとするところとか、何度も何度も刺すところとか、ホント怖かった😨 凄みを感じました。

今回、初役と耳に挟んだのですが、きっとこれからこの役をどんどん深めていかれるのではないでしょうか。

 

そして、お吉。可哀想すぎる。。ご近所さんに親切にしたばっかりにこんな目に。三幕の怯えながら必死に逃げようともがく壱太郎さんと、追い詰める隼人さんとのやりとりを息を呑んで見ました。緊迫感のあるお芝居でした。


与兵衛の心情の移り変わりと共に、親子の愛も大きなテーマ。涙ながらにお吉に与兵衛のことを頼む父・徳兵衛と母・おさわのやりとりにはうるっときました🥺 与兵衛とお吉のその後の結末が分かるだけに、余計に泣けてきます。


このお話は実話を元にしていて、近松門左衛門は事件から数日でこのお話(人形浄瑠璃)を書き上げたそうです。初めて近松作品を観たけど、素晴らしい劇作家だと今更ながらに知りました😌

 

忍夜恋曲者 (しのびよるこいはくせもの)」


平将門がかつて使っていた古御所に蝦蟇の妖術を使う妖怪が出没すると聞き、大宅太郎光圀が征伐にやってくるが、出てきたのは島原の傾城如月と名のる妖艶な美女で・・・というお話の舞踊劇。

 

古御所ということで、今は寂れているけど華やかな名残がある美しい舞台でした。

 

壱太郎さんの正体がばれてからの踊りや立ち回りがカッコよかったです。敵をいなす不敵な所作が素敵。音声ガイドによると、最後は妖術で宙を浮いている(だったと思います、うろ覚え🙇‍♀️)というのを表すために、表情は不遜に、動きはふわふわと花道を退場するのですが、それがとても綺麗でした。席が上階だったので、ちょっとしか見れなかったのが残念でした。

 

尾上右近さんの立ち回りもかっこよかったです。見得を切るのが何ヵ所かあって華やか。この舞台、滝夜叉姫も光圀も衣装がどんどん変わり、それも楽しかったです。

 

この舞台、大きな蝦蟇が出てきます。しかも、めっちゃ強い🐸 古御所が崩れ落ちるという大仕掛けもあり、楽しかったです。

 

#帰宅してから母に連絡したら

#母も私も隼人さんのブロマイド買ってて大笑い

#右近さんの「心中天網島 河庄」も観たかった

#やっぱり生の舞台は楽しいな💕