福田平八郎は1892年大分生まれの日本画家。京都で絵を学び、写実を探求しながら形態を単純化する独自の装飾的表現を行いました。
展覧会では福田平八郎の初期から晩年までの120点が紹介されています。
● 「竹」 1940年、図録より
一番楽しみにしていたのが竹を描いた絵。竹は緑青で描くという暗黙のルールがあるそうなのですが、平八郎曰く「私にはまだどうしても竹が緑青に見えない」。会場にはたくさんの竹の写生スケッチがあったのですが、まさに十人十色といった感じで、一つとして同じ表情のものはありませんでした。
感動したのは筍。紫がかった色で描かれているものがあり、それが実家に生えてくる筍にそっくり。艶があって、ふさふさしたビロードのような毛があって、そうそう、そんな感じ!と大きくうなずいてしまいました。
●「鯉」 1921年、図録より
3月24日まで。
また、うっとりする美しさだったのは皇居三の丸尚蔵館収蔵の「鯉」。水中をたゆたう堂々とした風格、品の良さ。素晴らしかったです。
● 「青柿」 1938年
一番好きだったのは「青柿」。個人的には琳派っぽいなぁと思ったのですが、どうでしょう。構図が似てるのかな。葉の表情が全部違うのも竹の時と同じで、徹底した写生から生まれたものといえそう。
彼の絵には独特のリズム感のようなものを感じます。絵が「柄」に見えてくる。パターンを切り取る感覚が洗練されているように思います。それはデザインっぽいということなのかもしれません。
とても好みでした。入れ替わる作品も多いようなので、後期にも行く予定です。
●「漣」 重文、1932年。
読み方はさざなみ。
●「新雪」 1948年
●「雲」 1950年
夏休み!という感じ。
●「桃」 1956年
桃🍑の表面の毛の毛羽立ち、グレーがかって見えるところ。うん、桃ってこんな感じ。
●「水」 1958年
●「花の習作」 1961年
以前に京都国立近代美術館で撮ったものです。
●「朝顔」 1926年
●「うす氷」
薄い氷を模した干菓子です。とてもリアル。
図録に本人による絵についてのコメントが充実。これからゆっくり読みます📚