あべのハルカス美術館「円空―旅して、彫って、祈って―」 | 美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

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円空のことは全く知らなかったのですが、ポスターの仏さまのユーモラスな微笑みに惹かれて美術館へ。



円空は1632(江戸時代前期)美濃国生まれの修験僧・仏師です。生涯に12万体の仏像を彫る誓いをたてたと伝えられ、愛知・岐阜を中心に全国に5千体が残っているそうです。


「金剛力士(仁王)立像」岐阜・千光寺



元は袈裟山に立つ枯れ木の幹に直接彫ったものだそうです。

 

会場に入ってすぐに、味わい深い仏さま(上の写真)が出迎えてくれて、思わずにっこり。これは金剛力士像で、通常はお寺の仁王門などで睨みをきかせている怖いお姿ですが、このお姿は笑顔でなんだかとても人間っぽい。親しみを感じます。

 

円空が初期に作った仏像は丁寧に彫り込まれていたようですが、何かきっかけがあったのか(誓いを立てたことに関連するのかも)荒々しいざっくりとした作風に変化。「その場所にある木を使って作れるものを作った」というものに変わっていきます。

そういった仏像なので、木の木目や形を生かした姿であるものが多く、素朴で、その地域ならではの仏様という感じで素敵だなぁと思いました。

 

「両面宿儺(すくな)坐像」岐阜・千光寺


背中合わせではなく、背後にもう一人が覆いかぶさるように表現。

 

「観音三十三応現身立像」岐阜・千光寺

近隣の村人が病気の時には借り出して平癒を祈ったそうです。


「制咜迦(せいたか)童子立像」「不動明王像」「矜羯羅(こんだら)童子立像」岐阜・千光寺


「護法神立像」岐阜・千光寺

一本の木材を4つに割り作ったものだと伝わる。



あるものを使う、という考えによると思うのですが、ほとんどの仏像の厚みがびっくりするほど薄いです。前から見ると凹凸がはっきりした像なのですが、横から見るとぎりぎりまで削り込まれているのが分かりました。

#たしかに、仏像は安置するもので、普通は正面からしか見ないですもんね🤔

 

以下は福々しいシリーズ。

#勝手に命名

 

●「賓頭盧(びんずる)尊者坐像」岐阜・千光寺


●「思惟菩薩坐像」岐阜・東山白山神社


●「大黒天像」個人蔵

某俳優さんにそっくりだと思う🤭 

  

●「柿本人麻呂坐像」岐阜・東山神明神社

いかにも翁、という感じ。

 

大寺院などにある仏像は、内省を促すような静謐さ・威厳を感じることが多いですが、円空の仏像は、友達に話すみたいに語りかけることのできる親しみのある仏像という印象を受けました。

 

●「烏天狗立像」岐阜・千光寺

 

「狛犬」岐阜・千光寺


会場には円空の人柄が伝わってくるような和歌も。心がぽかぽか温かくなる仏さまでした💓