大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」 | 美術館大好き!大阪・兵庫・京都・奈良へのお出かけ日記

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#観劇記録



高校以来の歌舞伎へ 片岡愛之助さん主演の源平がテーマという興味をそそる演目。ストーリーを予習して音声ガイドも借りて鑑賞しました。



並木千柳 作、三好松洛 作 「源平布引滝」より

 「義賢最期」

   木曽先生義賢 片岡 愛之助

   折平 実は 多田蔵人行綱 尾上 右近

   御台・葵御前 片岡 千壽

   待宵姫 片岡りき彌

   百姓・九郎助 片岡松之助

   小万 中村壱太郎

 「竹生島遊覧」

   斎藤別当実盛 片岡愛之助

   小万 中村壱太郎

   平宗盛 中村亀鶴

 「実盛物語」

   斎藤別当実盛 片岡愛之助

   小万 中村壱太郎

   葵御前 片岡千壽

   矢走仁惣太 市川荒五郎

   九郎助 片岡松之助

   九郎助女房・小よし 上村吉弥

   瀬尾十郎兼氏 中村鴈治郎




物語の舞台は平家全盛の平安時代末期。後の源義仲の父・義賢の最期を描く「義賢最期」、義賢から「源氏の白旗」を託された小万の奮闘と献身を描く「竹生島遊覧」、源氏の白旗と義賢の妻・葵御前のお腹の中の子(義仲)を巡る物語の「実盛物語」の3本で一つのお話です。


めちゃくちゃ面白かったです!

 

「義賢最期」は立ち廻りが華やか。義賢が戸板3枚をコの字型にした上で見得を切り、そのまま戸板ごと倒れる「戸板倒し」や顔から階段に倒れる「仏倒れ」という大技が大迫力。大量の矢が舞台を飛び交い、固唾を呑んで見入りました。


「竹生島遊覧」は舞台セットが豪華です。最近色々観てますが、こんなに豪華な舞台セットは久しぶりに見ました。小舟が実盛を載せて花道から登場するのも楽しいし、舞台上には巨大な船が!しかも回転します。

小万が琵琶湖で溺れかけている、という設定。船の高さと一面に張った布で、舞台が一瞬で琵琶湖に。こういった演出が面白いです。


「実盛物語」は前の二つに比べると静かめの話ですが、花道から馬が登場。実盛と太郎吉を載せて舞台をぐるりとまわったり、退場も花道から。華やかで楽しかったです。


特に印象に残った出演者の感想を。


片岡愛之助さん、凄かった。「義賢最期」は気迫が素晴らしく、思わず感嘆の声が出ました。「実盛物語」は貴公子然としていて美しい。こういった役も似合いますね。


尾上右近さんはとにかく華やかでした。爽やかな水色の着物が似合い過ぎ。登場シーンはぱっと華やいで、歌舞伎のワクワク感が最高潮に。


中村壱太郎さんは「竹生島遊覧」が良かった。なぜほとんど関係のない人(行方不明になった夫の主君)の為に命をかけるのか、とあらすじを読んだ時は思っていたけど、お芝居を観て納得できるものがありました。敵方に助けられて後の細やかなお芝居、緊迫感が伝わってきました。


片岡千壽さんがすごく上手い。所作が本当に綺麗で、まさに御台様、という感じなのです。


中村鴈治郎さんは存在感が他の出演者と桁違い。座っているだけで風格あり。


最後に忘れちゃいけないのが、太郎吉役の男の子。台詞もたくさん、舞台のあちこちを行ったりきたりで大活躍。可愛かったです。

 

エンターテイメント要素てんこ盛りで大満足。歌舞伎、また観に行きたいな。