大阪・船場の名建築の見学会に行ってきました。
端正なルネッサンス様式。
綿業会館は、1931年(昭和6年)に東洋紡績の専務取締役・岡常夫の遺族と関係業界からの寄付を元に、日本綿業倶楽部の建物として竣工しました。リットン調査団が来館するなど国際会議の場としても利用されました。戦中は激しい空襲に遭いますが、各部屋の窓に鋼鉄ワイヤー入りの耐火ガラスを入れていたため戦火を免れ、内部も竣工時の姿を残しています。
会員の好みに合わせられるようにと部屋ごとにスタイルが変えられており、冷暖房用のダクトの径を太くしたり、電気配線用の穴をあらかじめ各所に配置するなど将来を見据えての工夫がされているそうです。
設計は渡辺節と村野藤吾、重要文化財に指定されています。
入り口を内側から。
●玄関ホール
イタリアン・ルネッサンス様式。アーチが美しく階段も華やかです。
正面に階段があります。
2階より。
綿業倶楽部だけあって、館内の絨毯やカーテンが豪華でした。
●談話室
イギリスルネッサンス初期のジャコビアン様式。壁面のタイルは京都の泰山タイル。ため息が出るほど美しい。パイプオルガン風の暖炉上の装飾も素敵。
タイルと反対側に壁にくっついた美しい階段がある。
●会員食堂
ミューラル・デコレーション(壁や天井梁型を覆う装飾)が見事です。ガラスには繊細な透かし彫りがされている。柱には消音効果のある素材を使用。
とっても好みの装飾でした。食事付きコースを申し込むと、ここでお食事ができます。
#とっても美味しかったです😋
●特別室
クイーン・アン様式。天井の漆喰装飾が美しい。
●会議室
アンピール様式。椅子の金鋲がシックです。
●談話室
どことなく和の雰囲気。
●グリルへと続く階段
曲線がいかにも村野建築っぽいですが、渡辺節建築事務所によるものとのこと。
●グリル
クリムトのようなタイルが✨見学会に参加すると、グリルへの入場チケットがいただけるので、後日行く予定。
手入れをしながら今も現役で大事に使われている建物で、美しい場所がたくさんあります。
案内がとても詳しくて親切でした。見どころもいっぱいで美を満喫。人気なのも納得です。
船場周辺には他にも名建築が点在しています。少しずつまわってみたいです。