明治以降の京都画壇の方向性を決めたと言われる竹内栖鳳。
西洋の技術を取り入れ新しい表現を模索し続けた栖鳳と、栖鳳に認められそれぞれに個性を伸ばした弟子達(西山翠嶂、上村松園、土田麦僊、村上華岳、入江波光、福田平八郎、徳岡神泉など)の絵を紹介する展覧会です。
●竹内栖鳳「金獅図」
●竹内栖鳳「猛虎」
ふわふわの毛並みに目を奪われました。
●竹内栖鳳「水風白鷺」
●竹内栖鳳「萍花沈月図」
モネの睡蓮を連想してしまいます。栖鳳は印象派にも関心をよせたようです。
●幸野楳嶺「蓮華之図」
栖鳳の師・楳嶺の作品。会場の説明で知ったのですが、京都画壇はおおまかに言うと、円山応挙→呉春→ 松村景文 →岡本豊彦→塩川文麟→幸野楳嶺→竹内栖鳳、という流れになるようです。
●西村五雲「高原之鷲」
今回の展覧会の一番のお気に入り。大谷記念美術館で見た猿の絵の画家だ!と気づいて密かに嬉しい。動物の描写が素晴らしいです。
●村上華岳「墨絵牡丹図」
●村上華岳「雲中散華」
華岳の仏画が好き。散華は花を散らして香りで邪気を祓い、仏を迎えること。
●入江波光「散華来迎」
画題も色合いも前の絵と似ていますが、線が違うのかな。印象が違ってこれも素敵でした。
●上村松園「しぐれ」
●伊藤小坡「雪の朝」
小坡にとって松園は憧れの先輩だったそう。絵の雰囲気もしっかり者の姉とおっとりした妹という感じです。
●小野竹喬「比叡」
会場の説明で気付きましたが、寺が描かかれていないけど厳かさがあります。色が独特です。反射して光ってしまうので斜めから。
●池田遙邨「旭譜」
電線を五線譜に見立てている。ガス燈と電線という明治らしい画題も楽しい。
写真不可でしたが、福田平八郎・榊原紫峰の絵も素敵でした✨
個人的には竹内栖鳳は教育者、という印象。これ以降の日本画のベースになっているから、当時は革新的であったかもしれない描き方が皆のお手本になったことで、今の私には目新しさを感じないせいかもしれないです。
それにしても、弟子達の個性溢れる描きっぷりと活躍が凄い。栖鳳の師匠の幸野楳嶺も後進の指導に尽力したそうですが、栖鳳も同じく教えるところは教え、あとはあたたかく見守ったのだろうと思います。その栖鳳と仲違いした橋本関雪って一体💦
#絵は大好きだけど🤭
会場には栖鳳と弟子達の似顔絵付きの人物相関図のパネル展示があり、大変わかりやすかったです。