明治末から昭和初期を近代京都画壇の青春時代ととらえての展覧会タイトル。土田麦僊を中心に小野竹喬、榊原紫峰、岡本神草などの京都画壇の作品を紹介する展覧会です。先輩画家の上村松園、菊池契月、木島桜谷や師匠の竹内栖鳳の作品も紹介されています。
●土田麦僊「罰」
1908年。右の子のぶすくれた表情😂 新潟時代の子ども時代を描いたものだそう。
●上 岡本神草「口紅」
1918年
●中 上村松園「舞仕度」 1914年。どの女性も上品で美しい。好きな作品。
下 土田麦僊「大原女」 1927年
●上 野長瀬晩夏「初夏の流」 1918年。
下 土田麦僊「海女」 1913年。
どちらもなんとなくゴーギャンっぽさを感じます。日本の光、空気とはちょっと違う大らかな雰囲気。
●小野竹喬「郷土風景」
1917年。文展に出品するが落選、落胆した竹喬や土田麦僊、野長瀬晩夏ら仲間と共に文展と決別する。まさに青春時代。
最初の感想としては、「土田麦僊メインの展覧会、やっぱり来た!」でした。というのも、この美術館の常設展で度々目にしていたから。京都国立近代美術館の推しなのかな、と思います🤭
私がよく見ている日本画の次の世代をフォーカスした面白い構成でした。
上村松園、菊池契月、木島桜谷らの正統的な画風と違って、実験的で情熱が爆発したような画風。ぱっと見て、日本画とわからないような作品もあります。画家によって全く画風は異なりますが、西洋画のような雰囲気だったり、彩度の高い色調だったり、大正期独特のデロリ感だったり。美術館HPにもあるように「青春時代特有の過剰さと繊細さとをあわせもつ、完成期とはまた異なる魅力」が広がっていたように思います。
1921年に麦僊・竹喬・晩夏らは渡欧しているのですが、かなり実験的だった画風が本来の日本画的なものに穏やかに収束していくのも興味深かったです。
一方で、変わらず正統的なスタイルを貫き通した上村松園ら先輩画家たちもいて、この時期の京都画壇は個性豊か。型にはまらない楽しさがあると感じました。
京都市京セラ美術館の竹内栖鳳展で見た、京都画壇の創成期からの流れで興味深く鑑賞しました。
#この2館はいつもさり気なく連動しているのが好き😊
大人しくて上品な日本画には飽きたなぁという方におすすめ。面白かったです。